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小説「孤狼の生涯‐大原幽学伝」

                      花見正樹 著
                     真 澄 画

 

 

あなたは、大原幽学の名を聞いたことがありますか?
その出生には謎があり、その伝記には幾つかの説があります。

代表的な三説を列記しますと……

1 、「大原幽学・1797年3月17日、尾張藩家老・大道寺玄蕃(世禄三千五百石)の次男として生まれる。幼名才次郎、通称を左門、静斎、幽玄堂、幽学と称した……以後省略」・・・大原幽学全集。

2 、「大原幽学・1797~1858(寛政9~安政5)、江戸後期の農民指導者。尾張藩士 大道寺氏の養子となり、1814(文化11)、家を出て浪人生活を続け、1835(天保6)、下総村香取郡長部村に寄留、関東地方を遊歴して村政改革に尽力、農業生産の合理化を説いて村民を感化。1849(嘉永2)、長部村に構築した講堂改心楼のことで幕府の嫌疑を受ける。以後省略」・・・角川書店・日本史辞典より。

3、「大原幽学・剣豪にして改革家、生きる道を究めて死す。大塩平八郎の乱、黒船・ペリ-艦隊来訪、天保の飢饉、安政の大獄など幕末黎明期に生きた異才」・・・民間伝承

   以上、幕末の黎明期に生きた大原幽学。その足跡を辿ったのが本文です。