女性のための開運講座ー27&新撰組


前回、渓流は癒しになると書いたところ、渓流の
音を録音したが、トイレで流す水音の音姫に似てい
たというコメントがあり、思わず一人でニヤついて
しまいました。トイレに流す音が、音姫などという
雅な言葉に化けていたのも初めて知りました。
 でも、ニヤついたのは別のことです。

 下手の横好きでまだ鮎釣りに凝っていた二十年前
頃は仕事も多忙で、専用の防水ケースに入れた携帯
電話を首から下げて、腰まで浸かった流れの中で電
話が鳴ると竿を出したまま電話をしたものです。
 ある日、釣りなど興味のない知人に「失礼、トイ
レでしたか?」と言われたのを思い出したのです。
 川慣れしない人には、確かにそのようにしか聞こ
えないようですが、渓流に入り浸っている釣り人は
少々違います。
 携帯の背後の流れや遠くに聞こえる車の音などで
判断して、「お、今日は狩野川かい?」などと言い
当てる者もいます。
 毎土曜ごとに24年も続く山口放送ラジオの人生
相談番組は、私の勝手な申し出で携帯OKになり、
どこからでも土曜朝の10時過ぎになれば、こちら
の都合など構わず否応なしに番組が始まります。
 その時、釣り場にいる場合は土手下に駐車してい
る車に入ってドアを閉めれば臨時のスタジオになり
ますが、生憎と真夏の鮎釣りのゴールデンタイムで
すから中州に渡って釣りまくっている場合もありま
す。この場合は、なるべく中州のど真ん中に移動し
て川音のないところで対応しますが、ラジオ局のス
タジオは、どんな音でも拾ってしまいます。
 相方のキャスターに、「今、お友達が掛けたよう
ですよ」と言われて、思わず振り向くと「ラジオだ
から静かにしてくれ」との私の頼みなど無視して、
「掛けたぞ!」と竿をしならせている付き合いの悪
い友人もいたりするのです。
 好きな川・・・これには景色や釣果の他に、樹木
の繁り具合や流れの強弱も含めて好きな自然環境、
という微妙な選択肢があるのは間違いありません。
 私は、東の四万十川と称される栃木県の那珂川と
いう大河と、日光連山の雪解け水が流れる関東一の
清流・大芦川が好きです。
 しかし、癒しの音となると別です。
 私の監修によるバンダイミュージック発売の「清
流シリーズ」では10ケ所ほど録りましたが、結局、
岐阜県白川郷を流れる荘川の瀬音、静岡県中伊豆の
狩野川上流・浄蓮の滝下の清流、四国高知県四万十
川中流・十和村流域の川音、この3ケ所を選びまし
た。これも、日本中の鮎河川を渡り歩いて来たヘボ
釣り師だからこそ出来る技です。
 瀬音というのは流れが当たる川石の大きさや苔の
付き具合によって、鋭くなたり柔らかくなったり変
化します。台風で苔が流されると、川音は苔という
クッションがありませんので無機質で味気ない冷た
い響きになりますので、心は和みません。
 いい苔が付いて鮎が縄張りを守って夢中で餌を食
む時が、鮎のオトリ付きの絶好期です。したがって、
川音も、苔と流れの織りなすf分の1の揺らぎ作用
によって耳にも体にも快いのです。
 伊豆の狩野川上流では、浄蓮の滝のた滝音と石と
石の間を流れる浅い瀬音で激しい水音と優しい水音
のハーモニーを考えて録音しました。
 録音機をセットしたら、そこから離れて、季節と
場所によって、ヤマメ、イワナ、鮎などを釣るので
すが、仕事と趣味は両立せず録音中には1尾も釣れ
ませんでした。当然ですね。
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 さて話題を変えて、女性のための開運講座です。
 これは、恋愛、結婚、再婚に役立つ開運法です。
 途中からご覧の方は、遡ってご覧になってくだ
さい。勿論、男性が見ても役立つはずです。
 
 女性のための開運講座ー27 
 
 5、リラックステクニック
 
 ストレス解消のコツは心身の緊張をときほぐすこ
とにありますが、リラックスするためには様々な方
法があります。
 スポーツで思いっきり体力を使い、汗を流すのも
一つの方法ですが、音楽や映画、あるいは好きな芝
居を楽しむのもよし、愛する人と愛しあうのもいい、
カラオケで思いっきりストレスを発散させることも
可能です。
 すてきなパートナーと、いいムードでおいしい食
事を楽しむこともストレス解消には最高です。
 たった一つの過ちは、仕事が大好きだから仕事を
することがストレス解消だという人です。この場合、
一度でも仕事に行き詰まったら逃げ場がないだけに
結局は、ストレスのかたまりになって心身共に一気
に参ってしまいます。
 最高のストレス解消法は、仕事を離れてのんびり
と大自然の恵みの中に遊び、温泉にでも入って海の
幸、山の幸の食事をすることですが、それだけのゆ
とりを作ることができればストレスにも追いかけら
れないで済むはずです。
 リラックステクニック10のヒントを示します。
 仕事で疲れたからと日曜日ごろ寝でテレビという
人もいます。しかし、これは意外にストレス解消に
はなりません。
 ましてや、ごひいきのプロ野球チームが一方的に
負けたりしたら、かえって逆効果です。
 ともあれ、次の10項目の中にイエスがいくつあ
りますか?
 1、親しい人とよくおしゃべりする。
 2、気軽に友人と映画や芝居に出かける。
 3、美術展、音楽会、スポーツ観戦などに行く。
 4、時々、ランチやおしゃべり、絵画展を楽しむ。
 5、読書、音楽、趣味を楽しめむ時間がとれる。
 6、どんなに多忙でも、ゆっくりお風呂を楽しむ。
 7、よく睡眠をとり疲れを翌日に持ち込まない。
 8、食事はいつも規則正しく美味しくいただく。
 9、愛情や性的な面で不満はない。
10、アルコールで度を過ごすことはない。
 イエスが4以下の人で、ストレスがたまっている
のを自覚している場合は、日常生活にもっとゆとり
が必要です。
 5から7の人は、まずまずで心配無用、いい状態
です。
 8以上の人はストレスの心配はほとんどありませ
ん。そのまま、毎日の生活をエンジョイして下さい。
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 問題と解決例
 1、体力面でのストレス解消リラックス法は?
  スポーツで体力を使って汗を流すか、愛する人
  との充実した情事も有効です。
 2、精神面でのストレス解消リラックス法は?
  音楽や映画、読書、観劇やカラオケ、好きな趣
  味などを楽しむことが有効です。
 3、日常生活を離れてのストレス解消法は?
  好きな人と仕事を離れてのんびりと旅行をし、
  温泉にも入って郷土料理などで海の幸、山の幸
  を楽しむ余裕をもつことです。
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 書店発売中の「坂本龍馬異聞」に続き「新撰組3
部作」を執筆中です。その内容を先にお届けします。
 近く、ホームページで連載しますのでお楽しみに。
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 新撰組ー異聞
 
 吉野道場での稽古は終った。
 普段はここから全員で乱れ打ちをして稽古を終え
るのだが、門人の殆どが十九歳の歳三に打ちのめさ
れて痛みに耐えかねて竹刀を持つことも防具を身に
つけることも出来ない。それを眺めた道之助が仕方
なく言った。
「稽古はここまで。さあ、朝飯だぞ」
 その声で、今まで腹や腰を押さえ呻いていた久蔵
までもが勢いよく立ち上がり、母屋の台所に競って
急いだ。
 ここでは、朝稽古が終わると、名主で道場主の吉
野文右衛門によって朝粥が振舞われるのを常とした。
 干物と漬物と麦入り芋粥だけの粗末な朝餉だが、
剣術で疲れた若者たちは言葉もなく夢中で食べてい
る。
 空腹は歳三も同じだったから遠慮なくよく食べた。
 食事を終えた若者達は忘れていた竹刀傷の痛みに
呻き、吉野家の女中が運ぶ酒一合で常備薬の「石田
散薬」を服用するのだが、この振る舞い酒欲しさに
道場に通う者もいるらしい。「石田散薬」は打ち身、
捻挫、骨折、筋肉の損傷回復卓効がある。
 この「石田散薬」を一合の酒で服用すれば、どん
なに激しい痛みでもたちまち和らぐから人気がいい。
同時に義兄の佐藤彦五郎家製の肺の病に効き精がつ
く「虚労散」という家伝薬も置いてゆくと次回まで
には消費されている。
 帰り際に名主の文右衛門が酒の壷を一つ歳三に手
渡し、小声で囁いた。
「いつも道之助に花を持たせてくれて済まんな。家
に帰って家の者と飲んでおくれ」
 文右衛門もさすがに剣術好きの名主、立会いを見
れば、この程度のことは見抜けていたのだ。
 歳三が、朱塗りが剥げた空の薬箱に酒壷と割れ防
止の草を詰め、箱の上に剣術道具を括っていると少
し酔った久蔵が絡む。
「歳さん。その薬箱の上の竹刀袋、何本入れてるん
だい?」
「竹刀と木刀一本づつだよ」
「その木刀とやらを見せてもらえねえかね?」
「いや、これは・・・ただの木刀だから」
「ただの木刀でもいいから見せてくれ」
 仕方なく歳三が袋から丸太のような木刀を取り出
すと、その太さに驚いて久蔵が絶句する。
「なんだこれは?」
 久蔵の声を聞いて、文右衛門が近寄り興味深げな
顔で覗き込んだ。
「歳さん、あんたがこれを使うのかね?」
「とんでもない。魔除けに持ち歩いてるだけですよ」
「ちょっと貸しとくれ」
 文右衛門が木刀を手にして呻いた。
「重い! 四尺(約一メートル二十一センチ)はあ
るな。瑕だらけだ、随分と使い込んだか?」
「魔除けみたいなものですよ」
「ひょっとすると、歳さんは天然理心流かね?」
「いや、貰っただけですから何も知りません」
 文右衛門が 両手で上段から五回ほど素振りをし
ただけで大きく息を吐き、木刀を返した。
「この太さと重さは何だ? 真剣より重いな」
「どれ?」
 道之助も手を出して柄を握り、首を傾げて歳三に
すぐ返した。
「柄が1尺二寸はある。こんな木刀、実際に使いこ
なすのは無理だろう?」
「無理です」
 歳三は再び山丸印の入った朱塗りの葛篭(つずら)
の上に剣道具一式を括りつけて背負い、一同に別れ
をつげて帰途に就いた。
              つづく
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 では、次回をお楽しみに・・・・