女性のための開運講座ー40&新撰組


 海外渡航は成田空港、国内航空は羽田空港と分
けられていた垣根が取り払われ、いよいよ首都圏
空港も戦国時代に入りそうな気配です。
 アジア各地のLCC(格安航空会社)は、圧倒
的に羽田空港の発着を希望し、羽田空港の拡張を
希望しています。
 長女(夫は花見化学取締役、孫娘が二人)家族
がハワイ旅行から帰ってきて3日の日曜日、いっ
ぱいの土産を抱えて我が家に表れました。
 丁度、長男家族4人や末娘が来ていて、老母を
入れて総勢で12人、賑やかな食事になりました。
 家族の誰かが海外に出ると、必ず話題に出るの
は「成田は遠すぎる、羽田ならもっと便利なのに」
です。全く、その通りです。
 それでも、近いうちに羽田から海外に飛べる日
が来そうです。そうなれば孫の送迎にも付き合え
るようになりますし、自分もまた海外に出かける
気になるかも知れません。

 ワイキキのホテルに泊り、レンタカーで島めぐ
りをしたり、海水浴や観光、ショッピングなどハ
ワイの想い出の詰まった、それぞれのデジカメや
携帯からICチップを取り出して、5日ほどのハ
ワイツアーの想い出写真を全部で700枚ほど、
印刷し上げて、外野からいちいち質問が出るから
長女や孫が一生懸命説明し、それが面白いもので
すからみんなで歓声を上げて大騒ぎです。
 私はもう海外旅行には縁がないとは思いますが、
孫達が思いっきり楽しく遊んだ話を聞くことは、
実に楽しいことです。
 それ以上に嬉しいのは、老いた母が一緒になっ
て孫や曾孫に混じって喜んでいる姿を見たことで
す。
 こうしていると、わが身はどうなろうと周囲の
喜びを見ることが、自分の生きている証しのよう
に思えてきて、現状で満足・・・家族や一族だけ
でなく、世のため人のために楽しんで生きようと、
ますます無欲になってゆくのを感じます。

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 さて話題を変えて、女性のための開運講座です。
 これは、恋愛、結婚、再婚に役立つ開運法です。
 途中からご覧の方は、遡ってご覧になってくだ
さい。勿論、男性が見ても役立つはずです。

 女性のための開運講座ー40 

 

 恋愛・結婚、さまざま模様-8

 

 結婚を前提にした交際は「身元調べ」が大切、
ということで、お相手の「免許証」で本名、生年
月日、本籍、住所、免停歴が分かります。
 もちろん、小さな違反は記載されませんが、優
良の金文字入りの5年間有効のゴールド免許以外
は、何らかの交通違反があったことになります。
 本籍地は必ずしも出身地とは限りません。
 父親の出身地である場合、そこには家も存在し
ないケースもままあり、将来、帰郷や田舎暮らし
を夢みても無理ということになります。 
 さらに、下調べでお相手の学歴、職歴、婚歴の
有無、長男か次男か、家を継ぐか継がないか、結
婚後の同居家族の有無、年収、借金の有無に加え
て、恋愛歴も知る必要があります。
 まれには、別居中の妻と家庭裁判所で離婚調停
中の男が、婚歴を隠して再婚相手を探している網
に掛って抜き差しならなくなった女性もいます。
 婚歴はなくても、恋愛暦を隠す男女は沢山いま
す。
 持ち物や古着を大切にする倹約家の人は、男も
女も、交際中の相手に物足りたくても、新たな恋
人が出来てもなかなか捨てきれません。新たな交
流が始まっても暫くは二股交際を続ける傾向があ
ります。これは危険です。戻るべき相手がいるか
らです。こんな男とは早く別れることです。

 とにかく、恋愛と結婚では天と地ほどの差があ
ります。恋愛は相思相愛だけで成り立ちますが、
完璧に近い結婚を目指すのであれば、越えねばな
らぬハードルはいっぱいあります。
 先祖代々の宗教の違いも溝は深いものです。
 夫が浄土真宗で妻がクリスチャン、あるいは
熱烈な恋愛で結婚話が出て、相手の男性が熱狂的
な新興宗教信者であることを両親に話したら、両
親が怒り狂って、そんなヤツと結婚するなら勘当
だ、と言われた女性もいます。この話は、男性側
が硬化して、女性よりも宗教を優先すると宣言し
て破談になりましたが、趣味や考え方の違いでも
同じようなことは起り得ます。

 趣味が競馬・競輪・競艇・パチンコなどギャン
ブル全般という男と結婚するには、貧乏と借金は
覚悟しなければなりません。そうまでして、結婚
する価値があるかないか・・・考える価値もない
と思いますが、そんな男と結婚する女性がいたら
それこそ負けを覚悟の究極の女性ギャンブラーで
す。

 ついでに触れますと、結婚を意識したら事故時
や病気での輸血のために血液型も知っておく必要
がありますし、健康や着衣の購入などのために、
身長、体重なども知っておきたいところです。

 新婚生活で最初に戸惑うのは食事の好みの違い
です。
 女性が東北出身で辛味好き、男性が関西出身で
薄味好み、このようなケースは結構多いものです。
 それでも、愛情濃度の濃いうちはお互いに我慢
できますが、愛情のかけらもなくなると外食に走
りますから、味の違いや料理の好き嫌いは致命的
です。
 死ぬほどのニンニク嫌いとニンニク大好き人間
とでも、まったく相容れません。
 これは、ウナギ、天プラなど脂っこいもの大好
き男性と、淡泊味好みの女性の場合も同様です。
 頭のついた生魚を捌くのが苦手の女性もいます。
 死んだ魚が白い目で睨むから怖いのと、魚の身
を開いて内臓や骨を抜くだけで吐くという女性も
います。こなると食卓に出る料理も偏ります。
 料理嫌いの女性が何とか結婚まで漕ぎつけた場
合、離婚を避ける唯一の方法は、相手が自分に惚
れて入るうちに台所に押しこんで、レシピ片手に
料理づくりに励んで頂くのが最善です。
 時間の関係でそれが無理なら、外食優先にして
家ではレトルト食品などで手間を省くしかありま
せん。もちろん、これではいつか食生活に飽きが
きます。その頃は多分、結婚生活にも飽きがきて
いますから離婚も成り行き任せとなるはずです。

 相思相愛で結婚して金婚式まで挙げた男性が、
なんと自分だけ凝ったダンスが縁で不倫に走り、
いい年をして奥さんに多額の慰謝料を請求され
て離婚され、哀れな老後を迎えたケースがありま
す。
 これなど、奥さんもダンスに誘っていれば問題
なかったのに大きな間違いで、老後の幸せを失っ
てしまったようです。
 以上から考えても、結婚に対する思い入れによ
って、これらの項目の要不要がきまるのは当然です。
 とはいえ、自分にピッタリの相手を、しかもた
った一人だけに絞りこんで選ぶのですから、行き
当たりばったりでは失敗は目に見えています。
 だからこそ、誰にでも理解できる「失敗しない
恋愛と結婚法」が必用なのです。
                 つづく
 ではまた、次回に・・・

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 書店発売中の「坂本龍馬異聞」に続き「新撰組
3部作」を執筆中です。その内容を先にお届けし
ます。
 ホームページでも挿絵入りで連載を始めました。
      ---

 新撰組ー異聞

 

(4)大伝馬町・伊藤呉服店-4

 

 店内での不祥事は赦さぬ、と、日頃から伝兵衛は
言っている。これを考えると、お絹は磯吉との仲を
隠し通さねば、磯吉の暖簾分けも危うくなる。
 そうなれば、呉服屋のおかみさんになる自分の夢
も潰えてしまう、お絹はとっさの判断で、磯吉を救
う手を考えたのだ。
 店を辞めても立場は変わらない。子供を産んで磯
吉の自立を待てばいいだけだ。歳三は事態が飲み込
めず、ただ呆然と手も触れたことのないお絹を眺め
ているだけだった。
 お絹は、ちらと磯吉に視線を投げてから敢然と主
人の伝兵衛の顔を見た。
「この子の誘いに負けたあたしが悪いのです。責任
をとってお暇を頂きます」
 だが、お絹の策は実らなかった。生真面目な磯吉
はお絹の芝居を見抜けなかったのだ。お絹が目で合
図したのだが、それも自分が馬鹿にされたと勘違い
したのか、日頃の温厚な磯吉とは思えぬほどの怒り
で、お絹と歳三を罵倒した。それは、お縞や伝兵衛、
千代の怒りをも吹き飛ばす勢いだった。

「二人揃って私を馬鹿にして。旦那さんが赦しても
この私が勘弁できん。さっさと、この店から出てっ
てくれ!」
 お縞も怒ったが、磯吉の怒りに代弁されて逆に落
ち着きをとり戻していた。千代は無言で泣いている。
伝兵衛が落胆した様子で言った。
「わたしたち夫婦はね。磯吉に店を出させたら、歳
三を婿養子にとも思っていたんだ。恩を仇で返され
て、わたしは口惜しいよ。この若さでお絹なんかに
手を出しおって」
 お縞が吐き捨てるように言った。
「これで振り出しに戻りましたね」
 伝兵衛が寂しそうに言った。
「二人とも給金は払うから、さっさと荷物をまとめ
て出てっておくれ、もう顔を見るのも嫌だよ」
 結末は惨めだった。歳三が荷物をまとめて出て行
くときも誰も見送りに出なかった。それでも、千代
が泣きながら走り出て、潤んだ目のまま囁いた。
「あなたの裏切りは一生許しません。でも、おなか
の子は産みます」
「おなかの子?」
「ウソです。もしもの話です。あたしだったら一人
で立派に育てると言いたかったのです」
 あの時の胸の痛みを思い出すと今でも腹が立つ。
悪いのは自分じゃないが、言い訳をしたら、お互い
が自説を主張してもっと醜い修羅場になっていたは
ずだ。それだけは避けたかった。

 帰宅して兄の喜六に解雇の理由を問い詰められて
も沈黙を通していたら、店の伊藤伝兵衛から飛脚便
で、一両に満たないが給金と手紙が届いた。そこで
手紙の内容で「お絹という女を孕ませた」という解
雇の理由が喜六の知るところとなった。
「まったく呆れたヤツだ。女中なんかに手を出しお
って」
 結局、兄は激怒したが「男は責任を持たねばいか
ん。ナカには内緒だぞ」と、手文庫の底から金銀合
わせて五両を出して来て紙に包んで手渡し、「これ
で詫びて来い」と言った。
 疲れてはいたが遠路をまた江戸に戻る道々、歳三
は千代を想った。なにか伝えねばならないが何を言
えばいいのか? 真実が信じて貰えないのは辛いが
言い訳はしたくない。道々、悩んでる間に店に着い
た。
 ただ、無性に自分が情けなく、早く帰りたい一心
で言葉は上手に出なかった。
 無愛想に出て来た伝兵衛と磯吉の前で、「不始末
を詫びます。これで堪忍してください」と、意に反
した言葉が口を突いて出たのに自分が驚き、頭を下
げて五両を置くと、背に浴びせられる二人の怒声を
振り切って早足で帰路についた。千代の姿を見なか
ったのは心残りだが、それでよかったのだ。
 これが十七歳の苦い思い出だった。
                つづく
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 では、次回をお楽しみに・・・・
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