女性のための開運講座ー45&新撰組


 たまたま日曜日の午後、食卓に持ちだしたパソコ
ン相手に仕事をしながら、すぐ近くのベッドに横た
わった母がテレビのチャンネルを変えたのに気づき
ました。母は、番組の内容などどうでもいいのです。
ニュースでもお笑いでも、何でも漠然と見ています。
 さり気なく、顔を上げて見ていると、この日はた
またま杜の都仙台を駆け抜ける全日本大学女子駅伝
の実況で、5区と最終6区の選手の走りを見ること
になりました。日曜日の夕方は、子や孫が一緒に食
事しに来ることが多いので、母親はデイサービスな
しで在宅です。

 久しぶりに見た女子学生駅伝は驚きでした。
 まず、スピードが数年前とは格段に違います。
 優勝したのは昨年に続いての二年連続とかで京都
の仏教大学でしたが、その記録にも驚きました。
 なんと38.6キロの6区を2時間2分という驚
異的な記録で、私の頭にあった女子学生記録は10
分前後という先入観念が大狂いです。
 しかも、アンカーの吉本という選手などは、全力
疾走の区間新記録でゴールインしたにも関わらず、
笑顔ですぐ仲間と喜びを分かち合って談笑するとい
う余裕です。

 これでは、ゴールのテープを切ったら(実際には
切りませんが)、まず地面に崩れ落ちて役員に抱き
抱えられるものと予期している私の頭は??です。
 しかも、その後は涙、涙の号泣シーン? これも
なく、スッキリと明るく控えめでさわやかな優勝風
景でした。これでは拍子抜けして、感動の優勝シー
ンが見られません。

 それに引き換え、昨年に続いて2年連続2位の立
命館大学や4年連続3位の名城大は、アンカーがゴ
ールインすると同時に泣き崩れ、ただ抱き合って悔
し涙で言葉もありません。これは期待通りのシーン
です。2位、3位で満足したら監督が許しません。
 問題はその後のシーンです。

 4位で駆け込んだ選手ですが、待ちわびた仲間の
輪に飛び込むと、さあ大変、待っていた仲間と抱き
あって誰もかも満面の笑顔で大喜び、大はしゃぎの
歓喜の渦です。あれ? この大会は4位が優勝か?
 そんな大会があるはずもありません。
 その謎は、アナウンサーの叫びで解けました。

 4位の松山大は初のシード(6位まで)で、しか
四国の女子大がシード入りしたのも初めてだそうで
すから、この喜びも無理はありません。
 この続きがどうなるか?
 そこでまたチャンネルが変りましたので、シード
権争いで競り合っていた6位と7位の千葉と鹿児島
の大学の結果は分かりませんが、4位のチームの歓
喜の瞬間を見て満足し、そこで気持ちは駅伝から離
れました。
  
 3時のお茶の時間に母親から意外な発言です。
「走るだけでも、負けると悔しいんだろうね」
「そりゃあ、そうだろう?」
 眺めていると思っていたテレビ番組を、母親はそ
れなりの視線で見ていたらしいのです。
 耳はかなり悪いのに聴音器は嫌いで、普段は音を
大きくして聞くのですが、さほど興味がない番組は
音を低くして見ているので、私には丁度聴きやすく
なるのです。が、母親本人は全く聞えていません。
 それでも、ゴールインして泣きじゃくる選手たち
の姿を、しっかりと見ていたのです。

 だが、その後に続いた言葉に耳を疑いました。
「あたしらも、試合で負けると悔しかったよ」
「なにが・・・?」    
「行きの列車で騒いで、帰りはお通夜だった」
 そこでようやく、母親は70代の頃、ゲートボー
ルに凝っていたことを思い出しました。
「それ、ゲートボール?」
「うん」
「列車って?」
「房総西線、中央線、大会ならどこでも遠征したから
ね」
 昔のことを懐かしく思いだした様子です。
「1点差で負けて入賞を逃した時などは、もう誰も口
をきけないほど悔しさでいっぱいだったよ」
「おふくろも?」
「あたしなんか一番悔しがってたさ」
 こんな話は初めて聞きました。
 母親も、勝負事では負ければ悔しかったのです。
 これは遺伝だ・・・私はひそかに頷きました。

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 さて話題を変えて、女性のための開運講座です。
 これは、恋愛、結婚、再婚に役立つ開運法です。
 途中からご覧の方は、遡ってご覧になってくだ
さい。勿論、男性が見ても役立つはずです。
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 女性のための開運講座ー45 

 恋愛・結婚、さまざま模様-13

 前回までは理想の恋愛&結婚、恋人や配偶者と
の相性などについて考えました。
 今回は、奇数12支陽支の子、寅、辰、午、申、
戌を「積極タイプ」、偶数12支の丑、卯、巳、
未、酉、亥を「受け身タイプ」とみて、あなたと
お相手の積極性などを見てみます。
 これを12支を用いて見ることにします。
 しかし、ここは占いコーナーではありません。
 あくまでも12支は便宜上の材料です。
 生年の12支の出し方は、前に何度も繰り返し
て記載しましたから、途中から参加した方は前に
戻ればいいだけですが、昭和は生年数の和に2を
加えて12の倍数を引くと12支の数が出ます。
 ただし、2月3日の節分までは前の年でみます。

 ここで再び確認しておきますね。
 子は1、丑は2、寅は3、卯は4、辰は5、
巳は6、 午は7、未は8、申は9、酉は10、
戌は11、亥は12です。

 例題も再掲載します。 

 昭和53年5月30日生まれの生年の12支は
(53+2)ー48(12x4)=7で午(うま)
 昭和40年1月15日生まれの生年の12支は
(39+2)ー36(12x3)=5で辰(たつ)
 昭和12年3月 3日生まれの生年の12支は
(12+2)ー12(12x1)=2で丑(うし)
 昭和15年2月 1日生まれの生年の12支は
(14+2)ー12(12x1)=4で卯(う)
 昭和61年12月8日生まれの生年の12支は
(61+2)ー60(12x5)=3で寅(とら)

 平成は生年数に5を加え12の倍数を引きます。
 平成元年は、(1+5)=6で巳です。
 平成 2年は(2+5)=7で午です。
 平成 4年は(4+5)=9で申です。
 平成14年は(14+5)=19 19-12=7で午。
 平成18年は(18+5)=23 23-12=11で戌。
 平成20年は(20+5)=25 25-24=1で子。

 昭和は+2、平成は+5、大正は0です。
 大正13年は、13ー12=1、1は子です。
 大正15年は、15-12=3で寅です。
 以上で祖父母から孫、身内、友人などすべて見る
ことができます。
 これで生まれ年の12支の出し方は完璧です。
 次は、生まれ月の12支です。
 生月の12支は、生月に1を加えるだけです。
 1月生れは+1=2で丑、2月は+1=3で寅。
 5月生れは+1=6で巳、8月は+1=9で申。
12月生れは+1=13、13-12=1で子です。

 でも、上記のようにならない人がいます。
 月暦には節入り日というものがあります。
 生年の節入り日は立春(2月4日とします)から
ですが、生月はそれが当然ながら12回あります。
 それは、すべて暦の上の平均節入り日です。
 この節入り日がその前後に生まれた人にとっては
大切なのです。節入り日は下記の通りです。

 寅月 2月4日の立春(りっしゅん)から。
 卯月 3月6日の啓蟄(けいちつ)から。
 辰月 4月5日の清明(せいめい)から。
 巳月 5月6日の立夏(りっか)から。
 午月 6月6日の芒種(ぼうしゅ )から。
 未月 7月7日の小暑(しょうしょ)から。
 申月 8月8日の立秋(りっしゅう)から。
 酉月 節庵日は9月8日の白露(はくろ)から。
 戌月10月9日の寒露(かんろ)から。
 亥月11月8日の立冬(りっとう)から。
 子月12月8日の大雪(だいせつ)から。
 丑月 1月6日の小寒(しょうかん)から。  

 これを整理しますと・・・
 1月は6日から丑、5日までは12月生れで子。
 2月は4日から寅、3日までは1月生れで丑。
 3月は6日から卯、5日までは2月生れで寅。
 4月は5日から辰、4日までは3月生れで卯。
 5月は6日から巳、5日までは4月生れで辰。
 6月は6日から午、5日までは5月生れで巳。
 7月は7日から未、6日までは6月生れで午。
 8月は8日から申、7日までは7月生れで未。
 9月は8日から酉、7日までは8月生れで申。
  10月は9日から戌、8日までは9月生れで酉。
 11月は8日から亥、7日までは10月生れで戌。
 12月は8日から子、7日までは11月生れで亥。

 これを暗記しようとする物好きな人はいませんが、
これが意外に難しそうで簡単なのです。
 念のために書き添えておきます。
 まず、2月4日は立春ですから問題ありませんね。
 それと、7月7日はタナバタですから問題ありま
せん。これでもう2月と7月は覚えましたか?
 4月は+1で5.10月はー1で9。
 暗記するのは、2、7、4、10月だけでいいの
です。2月は4、7月は7、4月は6、10月は9
日です。
 前半6月までの節入り日は6日で、例外は2月、
4月。後半8月からの節入り日は8日で、例外は7
月、10月です。
 もちろん、暗記できない場合を考えてメモは必要
ですね。この数字を下記に合わせます。
 子は1、丑は2、寅は3、卯は4、辰は5、巳は
6、午は7、未は8、申は9、酉は10、戌は11、
亥は12です。

 ご自分の生年12支と生月12支は分かりました
か? これが分かりましたら下記を参考にしてくだ
さい。

 子年、寅年、辰年、午年、申年、戌年の中で、
 子月、寅月、辰月、午月、申月、戌月生まれは、
1の陽陽グループで、愛情面は積極行動派です。
 燃える情熱とファイト溢れる行動力で、熱意を
もって自分から愛を告白して成功するタイプで輝
くような魅力を発散させます。

 子年、寅年、辰年、午年、申年、戌年の中で、
 丑月、卯月、巳月、未月、酉月、亥月生まれは、
2の陽陰グループで、愛情面は慎重行動派です。
 自分から相手に尽す情熱タイプですが無理はせ
ず、おおらかに青春を謳歌し、用心深く相互信頼
を深めてゆくタイプで何事にも慎重です。

 丑年、卯年、巳年、未年、酉年、亥年の中で、
 子月、寅月、辰月、午月、申月、戌月生れは、
3の陰陽グループで、愛情面は控えめ行動派です。
 現実的な愛情交流に喜びを求め、すぐに想いが通
らなくても、前向きな心を失わずに目的を果たすべ
く、いざとなると全力を尽くすタイプです。
 丑年、卯年、巳年、未年、酉年、亥年の中で、
 丑月、卯月、巳月、未月、酉月、亥月生れは、
4の陰陰グループで、愛情面は消極受け身派です。
 愛情問題では、焦らず慌てずおだやかに蒔いた種
が芽を出し花を咲かせ実が成るまでじっくり待つタ
イプで、ダメとなればさっさと諦めるタイプです。

 以上、便宜的に4つのグループ」に大別しました
が、実際には12X12=144で、144通りの
違いがあります。
 例えば、1番目の子年子月生れは、愛情にも神経
繊細で気を使うが自己主張が強く、積極的に相手に
愛情を注ぎ、気を使いし過ぎるのが長所にも欠点に
もなる、というものから、144番目の、亥年亥月
生れは、愛情面は自分からは仕掛けないが、相手に
気があると見ると、一気に直進するという待ち伏せ
型のタイプです。このように144通りの性格分析
が出来ますが、あまりそこまでは触れられません。
 そこで、細部にこだわるより、まずは足元から・
・・と、いうことで、上記のようになりました。
 何はともあれ、愛情の持ち方ひとつにしても人さ
まざま、いろいろなケースがあるということだけは
覚えておいてください。
              つづく
 では、次回をお楽しみに・・・・

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 書店発売中の「坂本龍馬異聞」に続き「新撰組
3部作」を執筆中です。その内容を先にお届けし
ます。
 ホームページでも挿絵入りで連載を始めました。
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 新撰組ー異聞

(6)山犬戦法-2

 歳三は、落ち葉を踏むかすかな足音で目覚めた。
 森に入って木の幹や枝を叩く千本稽古を終えてか
ら、過去のことを思いながら、つい転寝(うたたね)
をしたらしい。歳三は脇に置いた樫の木刀の柄を握
り、足の指を動かして草鞋の紐の緩んでいないのを
確かめてから静かに頭を上げて周囲を見た。
 草むらと灌木越しに周囲を見回したが、人影はど
こにもない。この周辺の潅木は殆どなぎ倒したから
見通しもいい。

(気のせいだったのか?)
 風のないおだやかな秋の午後だから、周囲に人が
いればその気配を感じないわけはない。歳三は右手
で木刀の柄を握りしめ、草むらに身を沈めて息をひ
そめ、耳をそば立てて様子をうかがった。
 草むらの揺れを油断なく透かし見ると、揺れる緑
の草むらに見え隠れする黒と茶の斑模様や褐色の背
から見ても純粋の狼ではないのは確かだった。
 だとすると、里山から麓まで降りて家畜や人を襲
うことで村人に恐れられる野生化した野犬の群れに
間違いない。
 多摩ではこの野犬を山犬と呼んで狼以上に恐れて
いた。その数は五頭、彼らは身を沈めて徐々に包囲
の輪を縮めて来る。この五頭に前後左右から一気に
襲われてからでは防ぎようがない。
 岩山の巣窟に棲む狼は旅人の後を追う習性を持つ
が、こちらに敵意がなければ滅多に襲うことはない。
 だが、犬が野生化したり狼と野犬の交配で生まれ
た狼犬は凶暴な上に狡猾で、獲物とみれば巧みな連
携で完璧な狩りをする。
 凶暴な山犬は狼以上に恐ろしい。

 歳三は以前、行商帰りの甲州路の山道で山犬の猪
狩りを目撃したことがある。
 数頭の山犬が大猪に追い回されながらも包囲の輪
を解かずに反撃し、一頭が正面から捨て身の攻撃を
仕掛けたとき、それまで牙を剥いて暴れ回って攻勢
にあった大猪が足を止めた。
 その瞬間、それを待っていたように山犬が左右前
後から一気に猪を襲った。一度足を止めたら猪に二
度と勝機は戻らなかった。必死の抵抗もむなしく山
犬の執念に負けて倒された大猪が、生きたまま内臓
から食い荒らされるのを木陰に立ち尽くして歳三は
見た。
 山犬の群れは大猪という獲物で充分に空腹を満た
すことに熱中して、木陰に立ち尽くす歳三のことな
ど一瞥しただけで無視し、二度と見向きもしなかっ
た。
 あの時の猪は、暴れまわって一頭づつ牙にかけれ
ば勝てたのに、竦んで足を止め包み込まれて敗れた。
 あれを思うと先手必勝、襲われる前に攻めないと
勝ち目はない。
 正面の草むらが揺れ、身を低くしてじわじわ迫っ
て来る茶褐色の山犬の背が見えた。
                  つづく
      ---
 では、次回をお楽しみに・・・・
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