我が家もテレビ応援でした!


お元気ですか?
 今週は何はさておいてもまずワールドサッカーからですね。
 わが家も他にもれず週末には泊まりに来る息子や孫がテレビを前にして遅い朝食後のデザート替わりの応援でした。
 本田選手が得意の左足とかで相手ゴールにボールを蹴り込むと、5歳の孫までが意味も分からずに周囲に和して圭佑コールに拍手で喜びを表現します。こうして前半は勝ちムードで折り返しでした。こうなると誰ひとりとして日本チームの勝ちを疑いません。
 しかし、この油断こそ日本のお家芸、たった2分の間に2点、考えられないような惨めな失点でした。
 この魔の2分間で逆転された途端、画面に映し出される日本選手の雨に濡れて疲れきった顔、スピード感溢れる相手に翻弄さ必至にれて足取りが重くなってゆくのを見るにつれ勝ちが遠のくのに気づいて、家族の応援も何となく勢いが失せてきます。
 ここで選手がサッカーを楽しむ笑顔を見せれば救われるのですが、たかがスポーツなのに国民の期待を裏切るのを恐れるように悲壮感を漂わせて必死に相手ボールを奪いに走る姿は勇敢にも惨めにも見えて哀れにさえ思えて、応援にも悲壮感が漂うのです。
 多分、充分な眠りもとれないような強いプレッシャーの中、治安も環境もよくない異郷の地での深夜の戦い、これは辛いはずです。
 好きで選んだ仕事なら、もっと楽しめないのか?
 もっと伸び伸びと、自分の個性を生かせる仕事は出来ないのか? 出来ないのです。
 なにしろ一人ひとりが海外の有名チームで活躍している選手です。監督はチームプレーを訴えて作戦を練り、各選手もその通りに練習を重ねて本番に備えます。しかし、いざ本番になって野に放たれれば、監督に飼い慣らされた従順な飼い犬も野生の狼に逆戻りです。
 それぞれが個人技に走って、まず一人が好結果を残します。
 すると、本来はそれぞれがライバルですから目立ちたがろうと必死に動いてアシストを忘れてミスを犯します。
 これが命取りになって敗者の悲しみにつながるのです。
 20年前のドーハの悲劇を覚えていますか?
 あの時は勝利寸前、ロスタイムもあと僅かでした。
 ほぼ時間切れで安心し切っていた日本が、ロスタイム20秒に意表を突いたイラクに同点ゴールを決められて本選出場を逃したのです。あれ以来、「ドーハの悲劇」=「油断禁物」、これが合言葉だったのに未だに同じことを続けています。
 イラクのフセイン政権時代、サッカーの国際試合で惨めな敗戦をすると、選手は帰国後両手の爪を剥がされたそうです。
 日本は違います。
 よく頑張った、せいっぱいやったんだから悔いはないだろ?
 とんでもない・・・この試合で自分の力を出し切れずに敗戦の一因を担った香川選手などは一生心の中で自分を責め続けるはずです。
 これも哀れですが、それをバネに大きく飛躍できればそれも良し、何事もプラス思考で負けもまた良しとしましょう。
 つぎの試合で全力を出し切ってくれればいい! これが日本式応援というものです。