怪童・逸の城


 お元気ですか?
 相撲界でも凄い若者が活躍しています。
 92センチ約200キロ、モンゴル出身の逸の城(21)、実業団優勝の看板はダテではありません。十両優勝から快進撃で幕内入りです。
 東京・国技館での大相撲秋場所13日目の26日(金)、横綱白鵬が苦手の豪栄道に3連敗でついに黒星が一つ付き、41年ぶりに横綱鶴竜を倒して一敗を守った新入幕の怪童・逸の城、14日目の結びの一番で優勝を賭けて戦い白鵬に敗れて2敗にはんありましたが立派なものです。本来であれば番付最高位の白鵬の14日目の取組は大関の琴奨菊でしたが、慣例を破っての新人との対戦となり相撲ファンを沸かせました。ただ、稀勢の里戦も鶴竜戦も、最初からハタキ込みを狙っていたというセコさが気になります。勝負ですから勝ち負けは仕方ありません。勝てば官軍、負ければ賊軍は昔からある俗言ですし、ハタキ込みは立派な相撲技で、私の親しい仲間の千賀の浦親方も、関脇舛田山時代の決め技はハタキ込みでしたから文句をつけるのは筋違いですが、舛田山は突き押し+ハタキ込みですから許されます。最近の注文相撲は立ち合いの変化+ハタキ込みですから騙し討ち、相撲の面白みも醍醐味など少しもありません。これでは、息を呑んで立ち合いを待っていた観客にとっても騙し討ちのハタキ込みです。
 勝てば何でも許されるのか? ハタキ込みで負けた稀勢の里、鶴竜の心構えが悪いのか?
 しかも立ち合いの前に、まっすぐ攻めると見せかけてのつっかけで相手に油断させている心理戦まで考えての知能犯ですから、逸の城の強さは体だけではなく頭も使っての強さということになり、ますます上位の関取には厄介な存在になってきます。
 それでも、14日目の白鵬戦だけは正々堂々と戦って負けたガチンコ相撲ですから、セコい手で勝った時以上の拍手を惜しみません。
 この怪物・逸の城を鼻字血を流しながら激しく攻め勝って連勝を止めた力士・勢、これは間違いなく本物です。
 それにしても、テニス、水泳、柔道、野球、あらゆる分野で若者の活躍が目立つ今日この頃、将来が楽しみです。
 明日は千秋楽、まだ一波乱あるのを期待して、逸の城から目が離せません。