師走への覚悟


 お元気ですか?
 今年もあと1ケ月、どこもかしこもクリスマス商戦から歳末年始を見据えての大型商戦の戦略に必死の様相を呈しています。銀座周辺の夜はクリスマスに向けてのイルミネーションでまばゆく輝き、夜の商売もそこそこ忙しくなっているようです。
 私もこの暮れは身辺多忙、人のことを心配するどころではなくなっています。同世代の友人知人の本人身内の訃報も多く、今年は”忌中につき年賀遠慮”の通知が早くも10通を超え、昨年の16通を上回るのは確実という状況です。私自身も来春早々満79歳、そろそろ広げ過ぎた風呂敷を畳む時期が迫っているようです。私は、家族にも周囲にも隠居後の自分の所業で広言しているのは、たった三つです。
 1、もの書き
 2、占いの普及と弟子の育成
 3、大鮎釣り
 ところが、今年は全てに誤算が出ました。1と2が両立せず、3は惨敗でした。それと、もの書きには思考と執筆と取材という孤独な作業が必要なのに時間が足りません。今までの弟子も隠居仲間も当然のように、入れ替わり立ち代わり押しかけて来ます。それでまた時間がなく
なります。そこで、新規の会員募集を1年、中止しました。すると、収入が激減でとんでもない赤字決算になりました。
 なにしろ、隠居後は年金と印税、授業料などで全てを賄う計画ですから本業(花見化学)からは1円も出しません。その結果、個人事務所か集会サロンの持続に赤信号が点りました。家族は、寿命を考えて上記三つのどれか一つにしたら、と善意の提案をします。そうなると、好きな一つは大鮎釣りで晩夏だけの仕事ですから、残った時間をどうするか?
 結局、今の生活に戻り三つの事項を守り続けることになります。残された道は、時間の有効利用で小説を書き上げて印税を稼ぎ、有能な弟子を育てて自分のやり残した万人への幸せづくりを継いで貰うことを続けながら身辺整理も急ぎ、温泉付き道楽の大鮎釣りも激流に流されてギブアップするまでは続けることにします。この師走入りにこの覚悟・・・なんだかまた楽しみが増えました。