月別アーカイブ: 2020年3月

思い込み


思い込み

 いまの話題は新型コロナウイルス、これは避けて通れません。
 この憎っくきギャングウイルスめが邪魔をしてイベントも集会もダメ、ランチ会も控え気味、いくらおしゃれをしても無様なマスク姿でサマになりません。女性の春おしゃれが控えめだと、男性からみても興醒めです。いまは何をしても盛り上がりに欠けています。
 WHO(世界保健機関)は20日、新型コロナウイルスによる感染者数は25万人を超え死者数も世界で1万1000人を超えた、と発表していますが、これからは益々増加するばかりです。
 それにしても、このウイルスで、イタリヤの感染者4万人超を筆頭にスペイン、アメリカ、韓国など世界中に黴菌を撒いて猛威中でいて、その勢いはそう簡単にはおさまりそうもありません。
 そんな中で安倍総理は、「東京オリンピックは観客ありで予定通り行う」と明言しましたが、世界中から延期の声が挙がっていて、オリンピック開催の決定権を持つIOC(国際オリンピック委員会)でも悩んでいることでしょう。
 つぎは私ごとですが、この三連休、久しぶりにアウトドアーで釣りを楽しみました。。
 東京では一週間前から咲き始めて、上野公園などは大勢の花見客で賑わい、横浜でも18日に開花したことをニュースで知りました。埼玉県の北限にある久喜市栗橋地区にある我が家の近くでもすでに桜は五分咲きです。
 私の認識では、東京で開花の頃は西の山口県などでは桜は満開と思っていますから、21日(土)の山口放送ラジオ番組で「この週末はお花見で気分転換を!」とコロナ騒ぎから明るい話題にと番組を締めたのですが、相棒のキャスターの反応がイマイチなのです。「おや?」と思ったところに意外な一言が、「まだ山口は咲いてないですよ」です。そういえば真冬の頃、こちらは小春日和で山口は雪という日もありましたから、西の方が関東より温かいというのは私の思い込みなのかも知れません。
 一転してまた違う個人的な話題ですが、2週間ほど前のこと、食事中に上の左歯が抜けたので久しぶりに歯医に行きました。銀座で仕事をしていた時代からの馴染みですが、支店形式の歯科なので医師はまた初対面の若い歯科医でした。早速、モニターに私の古い歯の写真を映して現在の状況と照合し、「虫歯ですね」と一人で頷き、「お任せいただけますか?」と自信満々なのです。この一言は、大成功だった春日部の杉浦眼科の院長と同じですから信頼するしかありません。つい「お任せします」と言ってから(しまった)と思ったのですが、もう手遅れでした。
ガリガリと電動機器の音は響きますが、麻酔が効いていて一向に様子が分かりません。小休止したところで舌の先で探ってみると、3本の歯が大きく削られて無残にも哀れな形に化けています。「あれ?」と思う間もなく次の作業に入って、終わってみると、セメントで埋めたのか元の歯に戻っています。作業の理由は、抜けた歯をブリッジするためにはその両側を丈夫にしなければならず、その両側の「虫歯の部分を削った」そうです。
 そのようにして削ってから埋めた、上の左奥の歯が問題なのです。先端が鋭く尖っていて、指先で触れてみると血が出そうな鋭さです。それは、まるでライオンの牙のようで、硬い肉でも骨でもバリバリと噛み砕けそうな鋭さなのです。
 早速、硬いセンベイなどを食べてみると、バリバリと気持ちよく噛み砕けます。私はすっかり気に入って、孫などには「牙が生えた」と自慢をし、自分でも野生に戻った肉食獣のような気分でのりのりでした。ところが、この牙には致命的な欠陥があったのです。それは、鋭い刃先が外側に出すぎていて、自分の頬を傷つけるため、口内が血だらけになることです。食事時の口の動かし方を変えてみたりしたのですが、どうしても一日に5,6回は痛い思いをします。仕方なく、連休前の20日(木)午後、思い悩んだ挙句に白旗を掲げて歯医者に行って参りました。若い歯科医は、クレームとみてプライドが傷ついたのか、外側に向いた部分だけを削ればいいのに、折角の牙を丸めて普通の歯に戻した上に、「右下の奥2番目にも虫歯を見つけました」と鬼の首を取ったかのような喜びようで私に有無を言わさず麻酔注射で作業を開始したのです。その削った箇所をセメンで固めて、「次回にきちんと被せて終わりです」と、すごい早業です。
 この作業のツケが、この三連休に襲ってきたのが手術した歯と右下顎と扁桃腺の痛みと腫れで、まるでお多福風邪の腫れ同様の無様な状態で湿布と痛み止めでのアウトドアーです。
 来週はまた歯医者通いですが、絶対にこのひどい作業についてのクレームは口にしません。つぎの報復が恐いからです。と言いながらも、もしかして、この粗雑な仕事ぶりの若い歯科医が、将来は名医になる可能性もあるのを感じるのです。理由は、自信満々で作業に迷いがなく仕事が早い・・・これだけでも特筆すべき特技です。そう思えば、少々の痛みに耐えても実験台になるべきで、84歳で25本ある自歯が少々抜かれても不平不満は言うべきではないとも想えます。
 これが私の思い込みだけではないことを願って、痛みに耐えています。

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