松岡隆一画伯、追悼の辞

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秋田県鹿角市の著名画家・松岡隆一画伯が、この十月にご逝去されていたことを知りました。
 私と松岡画伯とは深い因縁があり、私の人生にも少なからず影響を及ぼしています。
 松岡画伯の絵には、私の魂を揺さぶる霊的な力が漲っていて、心が洗われる思いがします。
 哀しく切ない出来事で心からご冥福を祈りながらも胸が痛むばかりです。
 その胸の痛みの原因は、画伯との約束を未だに果たしていないことにあります。
 その約束反故とは、このHP内・花見正樹作品集にある「縄文幻想」の上梓です。
 ここには、第一章から第十章までの扉画として画伯が三軌会美術展出展のニ百号の大作が勢ぞろいという圧巻です。
 これは、私の三大贅沢の一つで、挿し絵作家・村上豊画伯挿し絵、ッシャンソン歌手・芦野宏画伯の挿し絵に並ぶ著作です。
 しかも、他のお二人が絡んだ著書は全国書店発売なのに、「縄文幻想」だけは未だに陽の目を見ていません。これでは松岡画伯に、あの世で近く再会するにしても謝罪だけでは済みません。ここは20年以上もお蔵入りだった「縄文幻想」に新たな情報を加えて、是が非でも出版に踏み切らねば顔が立ちません。
 と、先日、画伯のご遺族と改めて約束したところです。
 松岡画伯の次女が私の事務所で短期間働いていたことがあります。その娘さんがサンミュージュックに移籍して、新人歌手・松田聖子の後援会を立ち上げたこととほぼ同時に、ソニーミュージックから私に「松田聖子売り出しキャンペーン」への協力依頼が入りました。そこで、スタッフの協力の元に、「松田聖子とあなたの相性」というスフトを作成し、聖子のレコード購入者に相性データのプレゼントをする企画を実施し大成功をおさめました。
 その後、松岡画伯の次女の結婚式に招かれサンミュージックの社長や松岡家とのご縁も深まり、鹿角にも通うことになりました。
 その鹿角市には、縄文時代に祭祀に用いられた日本一の環状列石(ストンサークル)が二基あり、毎年夏の二日間だけの「縄文祭り}が行われ、私もゲストに招かれ、イベントの審査員などもやらされていました。そこの古代歴史記念館の館長・大里勝蔵氏とはとくに親しく交流していましたが最近体調不良と聞き心配しているところです。当然ながら、この館長も松岡画伯共々小説には主役級脇役として登場して頂いております。
 以上、あれやこれやのご縁で当時の市長とも交流が続き、皆さまに「縄文幻想」を読んで頂いておりました。そんなさ中での松岡画伯の死は私にとって大きなショックですが、これによって「縄文幻想」出版の覚悟が決まりました。
 これが実現したら松岡画伯の御霊も安堵できると信じて、心からご冥福をお祈り申し上げます。