5、ひとまず応急処置をー2 ぎっくり腰

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5、ひとまず応急処置をー2

ぎっくり腰

前回は「寝違い」で首を取り上げましたが今回は「ギックリ腰」です。
この「寝違い」と「ギックリ腰」は場所こそ違いますが原因も結果もほぼ同じ、ストレスが主原因で筋肉の炎症が結果です。
腰痛には腰が痛いだけでなく様々な病気の要因が含まれている場合があるので厄介です。その面倒な慢性腰痛は後述することにして、ここでは「ぎっくり腰」と呼ばれる急性の腰痛症についての対処法を申し上げます。
ぎっくり腰は、体のバランスを崩したり急に重い物を持ったり、急に腰を曲げたりした時に発生する急性腰痛で、腰の関節や筋肉の炎症が原因とされていますが、「魔女の一突き」という別称があるだけに、その激しい痛さは格別です。
こうした急性腰痛は、深刻な場合もありますので要注意、その見分け方が大切になります。
「ぎっくり腰」は突然激しい痛みに襲われますからパニックになり易いのですが、まず冷静に暫く静止して痛みに耐え、そろそろ動けるようになったら(這ってでも)安静に出来る場所まで移動します。
安静の姿勢は横向きで腰に負担がかからないようにします。
昔の「ぎっくり腰」対処法は、このまま安静にして痛みが消えるのを待ったのですが、現代の療法では可能な範囲で動いて治すほうが回復も早く再発も少ないことが分かっています。
「ぎっくり腰」の激しい痛みで動けなくなったとき、脚のしびれや痛みも同時に起こっていたら、「腰部脊柱管狭窄(ようぶせきちゅうかんきょうさく)を発症した可能性がありますので、これは外科医の分野で整体では手が出せません。
整体はあくまでも「未病(みびょう」対処法であって、病名がつくものには手を出すべきではないのです。
腰腰や脚に痛みやしびれを感じる症状には他に脊椎がずれる「変性すべり症」や足の裏まで響く「椎間板ヘルニア」などもありますが、これらは「ギックリ腰」のように瞬間的に激痛が走って動けなくなる症状とは違いますのでここでは省きます。
ぎっくり腰に襲われた直後は「ウッ」と唸って痛みに耐えるしかありませんが、ひとまず腰に負担がかからないように、膝を軽く曲げて楽な姿勢で横向きに寝るか、仰向けに寝て、膝の下に座布団を二つ折りにして置くか、仰向けに寝て両脚を座布団二枚折り程度の高さに載せて腰の負担を軽くするなど応急処置をします。
以上のように、横向きがいいか仰向けがいいか、脚は曲げたほうがいいか、高くしたほうがいいか・・・痛みが少ない姿勢が一番ですので時々姿勢を変えてみることも有効です。
ぎっくり腰は、関節や筋肉の炎症である場合が殆どですから、炎症が収まるまでは入浴も指圧もよくありません。
ぎっくり腰は、当初は安静にしますが、痛いからといって動かないでいると背筋が衰えて、却って腰痛の回復が遅れてしまいます。発症翌日か翌々日あたりに痛みが和らいだら多少の痛みを我慢しても積極的に体を動かします。
腰痛についての調査では、日本人の4人に1人が腰痛で悩んだことがあることが分かっています。
以前は腰痛になったらまず安静、これが上司忌でした。
ところが最近の研究では、腰痛は動いて治すほうが好結果であることが分かっていて、これは世界共通の認識になっています。
とくに以前は腰痛用コルセットなども普及しましたが、これは痛みは和らげますが自治治癒力を弱めて腰痛の快癒を遅らせますのでお勧めできません。
医師の治療を必要とする腰痛の代表格は、神経症状を出す「脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」「椎間板ヘルニア」、それに糖尿病など免疫が低い病気を持つ人は、場合によっては腰に細菌がつく化膿性脊椎炎が心配ですし、骨粗しょう症の方の腰痛は一時的に安静が必要で、その上で医師の治療を受ける必要があります。
それら医師の診療を必要とする腰痛は約15%、残りの約85%は、軽いストレッチや整体の軽擦で完治することが出来ます。
位本では急性腰痛を「ぎっくり腰」と呼び、西洋では「魔女の一撃」と言います。
腰痛には様々な原因があり、その全容はまだ解明されていませんが、その一因にストレスが関わっていることだけは分かっています。悩み事でストレスだらけで苦しんでいるの時に「ぎっくり腰」では踏んだり蹴ったりですが、腰痛は心身が不調の時に訪れる貧乏神そのものなのです。
したがって心配事がなくなってストレスから解放されると腰痛はいつの間にか治っているものです。
最近では、脳が腰痛に関わっていることも分かっていて、腰痛を恐れたり意識しすぎると腰痛の症状が長引き、すぐ治るという
暗示が働けば腰痛は早く治ります。
さて前置きが長くなりすぎましたので結論を急ぎます。
前述のように、腰が急に痛むのは「ぎっくり腰」や「椎間板ヘルニア」などです。
重苦しい痛みが続くようなら腰痛症とみられます。
腰痛症は、長時間同じ姿勢でいたり、姿勢が悪かったり、運動不足、肥満などで血行不良、筋肉が硬くなって周囲の神経を圧迫して起こることが多いものです。また、ストレスが髙いと筋肉も緊張状態が続いて腰痛になる場合もあります。
ストレス解消筋肉を和らげ血行を良くすることが腰痛緩和のベスト療法です。
このように腰痛は軽いうちに治せばすぐ回復しますがそのまま放置すると慢性腰痛になって、一度よくなってもすぐ症状が繰り返しますので早期の手当てが重要です。ここでは腰痛によく効く手のツボを紹介します。

 腰痛に効くツボ

腰腿点(ようたいてん)
場所は、手の甲の人さし指と中指、小指と薬指、これらの骨の分かれ目中央、二カ所とも同じ施術で行います。
このツボを親指と人さし指で手の甲を挟み一回に、約6秒押し揉みし6秒離すのを6回、これを一日に数回(回数は自由)、これが一番の療法です。
腰痛に強い腰部の押圧は逆効果、軽擦でストレスを和らげる施術が有効です。