丹精込めた桃への想い

Pocket

丹精込めた桃への想い
新海 富美代

4月に見事に咲いた桃の花がこの時期に大きな実を付けてたわわに実るのですが今年はどうも様子が違います。例年ですと4月花の咲いた後から何工程もの作業を農家の方々は行いこの時期にその努力が実ってたわわに甘い香りをただ寄せながら大きく実った桃を収穫する喜びを感じることが出来るのですが、今年は桃の花が咲いている時に季節外れの雪が降り、またこの異常気象の為にアラレが3回も降り桃にアラレが当たり沢山の桃が傷ついてしまいました。
農家の方々が丹精込めて作り上げた桃が一瞬のアラレにより最高の品質である規格から外れて出荷出来ない様になってしまったのです。自然との闘いの仕事ですから本当に大変だと思います。このアラレ被害も地区によりけりで、被害が無い所もあれば、全滅した所もあるようです。
私も知人に毎年贈りをさせて頂いてます。桃の種類も幾つかあり好き好きですが私は「浅間白鳳」と言う桃が一番美味しい様に思いますのでいつも通りにお願いをしました所、お願いした農家は全滅と言う事で送って頂く事は出来ませんでした。急遽違う農家の方にお聞きした所その農家の家はアラレ被害がほとんど無かったみたいでした。この自然災害も所を分けて起きたようです。私は幸い被害の無かった農家の方にお願い出来て送る事が出来ましたから有難い事ですが、被害に遭われた農家の方には本当に気の毒な話です。聞くところによると、桃農家として全くの収入が見込めず共済を掛けていたから共済から出るのを頼りに今年度は生活して行くと言う方もおられる様です。
一年精魂込めて作り上げて来ていざ収穫という時に自然災害に遭われたこと本当に大変な事だと思います。救済策として桃には傷はあるものの甘さや美味しさには全く問題なく大自然の恵みであり農家の方々が丹精込めて作って下さった桃ですから美味しく頂けますので規格を下げて販売される様です。大自然の恵みでもあり農家の方々の為にも傷ついた桃ですがいつも通りに頂かせて貰おうと思います。一生懸命頑張っていても不意の出来事で努力が実らない事も多々あると言うことを感じます。自然災害に遭われた農家の方が来年の桃作りを辞めるかと言うとそんな事はなく又翌年には一からやり始めるんですよね。
これから夏本番農地に出て暑い中汗だくで働く訳ですから凄いです。お年を取られた農家の方もいて後継者がいない中頑張っている方もいるのでそのような方を見ていると頑張らなくてはと勇気を頂きます。今年は桃を頂く時はいつも以上に感謝して味わって頂きたいと思います。山梨から全国に今年はこの様な理由でちょっと傷のある桃が届くと思いますが甘さや美味しさには変わりありませんので農家の方々が丹精込めて作った甘い桃を是非に召し上がって頂きたいと思います。