雑煮椀 七日過ぎても飽きもせず

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住専、豊島、司法改革-4

中坊公平さんの三回忌
=「人生八馨」一五年
夏季号・第三巻より

 中坊さんと行動をともにしてきた「同志たち」の思いは、過去を振り返るだけではなかった。中坊さんが「国民に二次負担はかけない」と約束した住専の債権回収は、その過程で自身が弁護士資格返上という大きな傷を受けたものの、約束通りに終結した。
日弁連会長当時から訴え、推進してきた司法改革は、裁判員制度の実現や被疑者取り調べの可視化など着実に前進している。一方で司法試験合格者三千人を目標に掲げた司法の容量拡大という課題は、千五百人規模に逆戻りし、理想通りには運んでいない。三回忌の席では改革の意志を引き継ぐ決意が語られた。
振り返れば、中坊さんの取材は日弁連会長だつた一九九一年秋にさかのぼる。当時、中坊さんは日弁連の活動と自分が掲げる司法改革の理念をメディアに理解してもらおうと、新聞社の論説委員らと毎月一回、懇談していた。その顔ぶれの一人だつた先輩の溢澤重和論説委員(当時)から紹介されて、縁がつながつた。中坊さんが永年、司法に携わってきた生涯を総括する書物の出版を希望し、その作業の手伝いを、という指名だつた。
その頃は、司法取材の現場か一らは離れていたが、社会部のデスクワークの合間に会長室を訪ね、関係者に取材して、「強きをくじき司法改革への道」(同、九二年)が出来上がった。以来二〇年余り、森永ひ素ミルク中毒事件を契機に、弱者に寄り添う弁護士としての姿勢を貫き、国民の立場に立って喧嘩もいとわず行動してきた姿を、すぐ近くで見てきた。

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初笑い 文枝のその目笑わない
(2017,01,08)    八日
桂文枝新春特撰落語会を有楽町の朝日ホールで。「天国へのメロディー」と「抜け雀」。さすがに芸歴五〇年。存分に笑ったが、三枝時代からの「新婚さんいらっしゃい」でも、その目は笑っていない。

雑煮椀 七日過ぎても飽きもせず
(2017,01,09)   九日
今月はずっと餅を食べる。雑煮が終われば、焼いて、黄な粉やくるみや砂糖醤油など。徳島で育った子供の頃は、餅をつく日が楽しみだった。餅にあんこをくるんで。