パリ祭の 永さん偲ぶ 車椅子

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無償の愛をつぶやく Ⅱ

高尾 義彦

パリ祭の 永さん偲ぶ 車椅子
(2016/08/02)
二日
永六輔さんが亡くなつた。ここ数年、七月にはNHKホールのパリ祭を楽しんできた。パリ祭の生みの親の一人だが、晩年は車椅子での登場が多かつた。石井好子さん、芦野宏さん、戸川昌子さんに続き、彼岸に。
朝顔もほおずきすももう過ぎて

釣り人も 陰を求めて 糸を垂れ
(2016/08/10)
ハゼ釣りか。隅田川から住吉神社裏側に引き込まれた運河で、竿を構える人たち。釣り人たちの後ろを、参院選投票所に向かう人た
ち。安部政権に対する審判は?

朝顔もほおずき市も もう過ぎて
(2016/08/13)
下谷の朝顔市、浅草寺のほおずき市。下町の夏の風物詩も今年は気づいた時には終わつていた。かつて門前仲町の和風の店「久寿乃
菓」では、朝顔の鉢植えが毎年、客から届けられた。「朝顔の宅配便を待つ女」。

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やさしさを形に
・杉本準一郎さんの個展に寄せて
∥「人生八管」一五年
正月・創刊号
縁あ信楽生愛知県知多市在住彫刻家杉本準一郎さん(六六)と知り合つた。人と人を結ぶ縁はお酒の席で生まれるという、我が交友録の二貝を記しておきたい。
岐阜県・関ケ原で関ケ原製作所を経営する矢橋昭三郎社長は、上京するたびに、門前仲町の和風の店「久寿乃菓」を訪れ、静かに酒を呑む。大型工作機械を製造する会社の広い敷地を利用して、「にんげん村」の名称で芸術・文化活動を展開し、経営者というより文化人的な風情。その矢橋社長を、女将さんの河俣くに子さんに紹介されて関ケ原を訪ね、そこで杉本さんの彫刻を知った。杉本さんは二〇妄竺月二七日から二月一日まで京都・三条の「ギャラリーモーニング」で個展273を開く。パンフレットに何か文章を寄せてほしい、と依頼され、以下の文章を送った。