東国三社とは
茨木県鹿嶋市の鹿島神宮、千葉県香取市の香取神宮、茨木県神栖市の息栖神社の三社のことです。
この三社には不思議な「鳥居」があることに気付かれることでしょう。
まず初めに、その鳥居に注目してみたいと思います。
鳥居は外側から一の鳥居、二の鳥居、三の鳥居という順に数えられ、「一の鳥居」といえば、神社区域の入り口付近に建てられているのが一般的です。
ところが東国三社の「一の鳥居」は、神社の境内から離れたところに存在し、三社とも川や湖のすぐ前に建てられています。
それは鹿島神宮「西の一の鳥居」、香取神宮「一の鳥居」、息栖神社「一の鳥居」
それぞれ「一の鳥居」がなぜか川や湖など、水辺に面して建てられているのです。
不思議だと思ったことはありませんか?
一体、何故、こんなところに建てられたのでしょうか?
「これらの鳥居の位置こそが、神話を読み解くうえで非常に重要な意味を持つのです。」
こう唱える学者が、今回ご紹介したい田中英道師です。
田中英道師はこのように言われます。
「この東国三社がある場所は、神話で描かれる『国譲り』や『天孫降臨』の出発点となった場所なのです」と。
それは一体どういうことなのでしょうか?
これから、徐々に田中英道師の提唱するこの謎を解いていきたいと思います。
その前に、
東国三社の近辺には、はるか昔「香取海(かとりのうみ)」という巨大な内海が広がっていました。
東国三社は、ちょうどその海の「入り口」に位置しており、鹿島・香取神宮は、まさに航路の出発点であり、息栖神社も「船着き場」であったとされるのです。
何となく謎が解けそうな気がしませんか?
では、次回は天孫降臨について調べてみましょう。お楽しみに。
〜文化遺産を読み解けば、真実の歴史が見える〜
田中教授は、ボローニャ大学・ローマ大学客員教授、国際美術史学会副会長、東北大学名誉教授を歴任。
「西洋美術史の第一人者」と呼ばれています。
24才から単身留学。当時は留学すら珍しい時代から、「ルネサンス」発祥の地イタリア、世界最先端の芸術大国フランス、世界有数の文化国家ドイツなど、これら西洋文化の中心地を渡り歩き、研究に没頭。以来50年以上、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、フェルメールなど… 数多くの有名美術家に関する国際的な新説・新発見を次々と発表し、今なお、美術研究の第一線で活躍し続けています。
中でも、フランス語や英語で書いた論文は一流学者が引用する国際的な文献になるなど、イタリア・フランス美術史研究における”世界的権威”です。
そんな田中教授は、西洋美術研究の折、ある独特の学問手法を体得しました。それが、形象学(フォルモロジー)です。作品の表情や手足の動き、モノの形や模様などから、芸術家のもつ思想や哲学、文化や宗教的背景までをも読み取るもので、その観点から日本美術を見た時に日本の素晴らしさに気付いたと言います。
でも、その一方、日本では優れた文化作品が正しく評価されておらず、さらには文化的な要素が歴史の中で飾り物になっていること、本格的な解読や研究が全く進んでいないことに愕然としたそうです。
その実態に危機感を抱き、田中教授は西洋中心だった研究活動を日本中心に転換。「日本国史学会」や「新しい歴史教科書をつくる会」の代表を務め、文献が無ければ真実を見抜くことができない歴史学者に代わり、人類が残してきた様々な文化遺産を紐解き、正しい真実の歴史を日本国民の元へ届ける活動を続けています。