ルーブル美術館の庭

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ルーブル美術館の庭

ルーブル美術館の時計は

 止まったまま音をたてないのに

 案内人のお喋りはひどくやかましかった

歴史と芸術の重さに圧倒されて

 胸苦しくなった僕は

 バルコニーへのがれ出ると

 初夏の風がさわやかであった

チュルイ公園に続くこの庭は

 カルーセルの門を臨んで

 いきいきと歴史の夢を甦らせる

 六月の巴里の空に

 つきせぬ憶測と憧れを

 いつまでも描き続けている僕である