NHKテレビ『くらしの窓』-3

幸福を売る男

芦野 宏

Ⅲ 新たな旅立ち

2、お茶の間にシャンソンを

 

日本シャンソン館からのお知らせです。

12月21日(土)12:00~13:30
フジテレビの娯楽・旅番組
「ぶらぶらサタデー・タカトシ温水の路線バスの旅」
この中で、出演者一行が日本シャンソン館に立ち寄りました。
その時の様子が番組の中で紹介されます。
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「紅葉残る伊香保~もつ煮の聖地まで!100日まいたけの絶品バター炒め&赤の魅力の河鹿橋で焼きアユを堪能!行列もつ煮・名店の味そのままの自販機も必見!」
タカトシ温水の路線バスの旅は、みなさまの町の隠れた穴場や素敵な観光スポットを路線バスを乗り継いで旅をし、楽しいゲストと絶品グルメを食べながら街を再発見!
皆さんも休日気軽に行けるような場所をご紹介します。
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お時間ございましたら是非ご覧ください。
番組および出演者は下記から知ることができます。
https://www.fujitv.co.jp/burabura/

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12月22日(日)14:00開演~1X:00
クリスマス・コンサートのご案内です。
まだ少し、チケットに余裕があります。
宜しければ奮ってご参加ください。
時間: 開場13:30 開演14:00
料金:一般7,000円/友の会会員価格6,500円/29歳以下の方3,000円
会場:日本シャンソン館2F シャンソニエ「ヴェルメイユ」
主催:日本シャンソン館
<お問い合せ・お申込み>
日本シャンソン館事務局
TEL:0279-24-8686 FAX:0279-24-1919
営業時間 9:30~17:00(水曜日休館)
*クレジットカードのご利用はできません。

NHKテレビ『くらしの窓』-3

 平成八年(1998)、パリ市長シラク氏がフランス大統領に就任されて初めて来日の折、赤坂離宮の迎賓館における迎賓会に招待を受けた。私はその日のうちに群馬の「日本シャセン館」に行かをければをらなかったので、少し早めに赤坂の会場に到着した。夜の迎賓館はまだ人影もまばらで、やたらと警備のSPや警官の姿が目立ったが、私の少し前を黒いドレス
に身を包んで、うつつむき加減の女性が階段を上っていた。近づくと、それは森英恵さんであつた。レセプション会場まで白い大理石の廊下をゆつくり二人で歩きながら、森さんはご主人がつい一週間前に亡くなられたことを話された。寂しそうな面持ちで、私は慰めの言葉を申し上げる間もなく、やがて二八はサロンの前でほかの招待客と合流し、華やかなシャン
デリアの光の中に包み込まれてしまった。森さんは、あれからすぐ外国や国内でのお仕事で多忙を極めておられるご様子だったが、その翌年の十二月にクリスマス・ディナーショーで私が歌ったとき、NDK(日本デザイン文化協会)会長としてお元気な姿を見せてくださった。
フランス料理とテーブル・セッティング、テーブルマナーのコーナーで、その先駆者として有名な飯田深雪先生は、「アートフラワー」の創始者としても知られている。終戦後いち早く、古いビロードの布地で作った「ケシ」の花が最初の作品だと伺っているが、私がデビューしてまもなく「コクリコ」というシャンソンをピアノの弾き語りで歌うとき、素晴らしい深紅の「ケシの花(コクリコ)」が届けられた。これを原語で歌う私のために、葦原邦子さんがナレーションを付けてくださった。飯田先生と親しかった葦原さんからお願いされたものだと思っているが、その実っ赤なヒナゲシの花は、「コクリコ」を歌うとき、いつも黒いグランドピアノの上に置かれ、そこだけに一筋の照明がくるように演出されていた。
まるで生きもののように見えるその花は、ステージに飾られないときは、ガラス戸棚に入っている。その後、飯田先生には『くらしの窓』でたびたびお目にかかるようになり、先生のお人柄、人格、お仕事すべてを尊敬する気持ちから、その古いコクリコの花は今でも大切に保管している。