桃の花 出荷を急ぐ老いの手で

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特別寄稿

寸又峡を遠く離れて-1
=「人生八馨」2017年正月号・第九巻

高尾 義彦

NHK現会長の再選阻止のため署名をお願いします」。
2016年10月30日、自宅パソコンに届いたメールが目に留まった。差出人は知り合いのピアニスト、崔善愛さん。崔さんの父、崔昌華牧師(故人)が主人公の演劇「KYOKAI 心の38度線」を二か月ほど前の夏に見たばかりだつた。崔牧師はNHKに対し韓国人の名前を日本語読みすることは人権侵害であると主張し、民族語音で読むよう求めて裁判闘争を続けたことで知られ、父と娘がともにNHKに異議を申し立てる事態に、不思議な因縁を感じた。
崔善愛さんが崔牧師の娘さんであることに気付いたのは、俳優座で05年4月に上演された「最終目的地は日本」を見た時だつた。指紋押捺を拒否して起訴された善愛さんが、再入国許可が出ないままピアノを学ぶために米国に留学したため、日本の永住権
を失い、法改正によって永住権を獲得するまでの闘いを描いたお芝居で、女優若村真由美さんが善愛さん役を演じた。
この時、人と人の不思議な縁と、予想もしなかつためぐり合いに驚いた。「崔さん父娘」の関係を知ってなぜ驚いたか、それを説明するためには、自分が新聞記者としてスタートした原点に遡らなければならない。
大学闘争が各地の大学で激化した1960年代末期。毎日新聞社への入社が決まっていたものの、当時は「卒業」という学歴が必須の条件だつた。二つの国立大学の我々7人は69年6月30日に卒業し、同期の新入社員より3か月遅れて、翌日の7月1日に入社することになつた。短期間の研修の後、配属されたのは静岡支局で、もう夏の高校野球の予選大会が始まる頃だつた。

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桃の花 出荷を急ぐ老いの手で
(2017/03/01)    一日
 料理のつまに飾られる桃の小枝。徳島県上勝町のいろどり産業は高齢者の手で発展し、全国的に。小枝をパックに詰める作業風景の写真が地元紙に、とひでこさんのメール。

スカーフを 雛の日だから替えてみる
(2017/02/03)
カシミヤのマフラーからシルクのスカーフへ。バスで居眠りして乗り過ごしそうになった。石原元都知事が日本記者クラブで記者会見。小池知事と雛祭りの対決。中央政界では国有地の格安売却で安倍首相の足元が揺らぐ。

桜餅 ほんのり春を連れてくる
(2017/02/05)
朝の紅茶に桜餅。昨日はよみうり大手町ホールでモーツァルト五重奏曲のチャリティーコンサート。自転車で約30分、ようやく寒さを感じずに。自宅ベランダの早咲き桜(さくらんぼ)が白い花を着けた。