救いようがない人間の欲望-1

不能ストレス

救いようがない人間の欲望-1

 誘われるとついふらふらとよろめいてしまう。そして、あとで苦しみ悩むのである。頭ではいけないと意識しながらも、時には自分から隙をつくって、男の側から誘うようにもちかけ、熟れた肢体をからませてゆく。で、結局、仕事が手につかない。
机に向かうとイライラする。まったく仕事をしないでも廿洛ちつかない。それで、仕事に自信を失った、という。
これはもう手前勝手、自業自得、因果応報、あきれて声も出ないのだが、相談は相談、一応声を出す。
「浮気をやめればいいじゃないですか」
「できないから相談しているんですが」
なんのことはない、本来、「デキないストレス」 は行動願望が封じこめられたときに現れる現象なのに、これではあべこべではないか。しかし、ストレス要因を列基丁すると精神的緊張度はかなり高まっているのは事実、原因は浮気だけではない。

1、浮気の露見を恐れて緊張が絶えない
2、自分の内面のみにくさが嫌になる
3、世間を気にして社会的不安がある
4、ひとりぼっちのとき孤独感が強まる
5、夫への愛情が薄らぎイライラする
6、夫への欺瞞が耐えられなくなる
7、男性の性衝動を知り夫不信になる
8、毎日芝居している自分が嫌になる
9、仕事に対する強迫観念を強く感じる
10、部屋の中で仕事を一人でするのが苦痛
11、会う人がみな偽善者に思えてくる
12、自分が淫らに思えて嫌になる
13、思考力が妨げられ仕事の能率が下がる
14、仕事へのプレッシャーで眠れない
15、夫との性生活が苦痛になる
16、初めて会う男性の前では動惇が烈しい

彼女は、性格がまじめで、お世辞を言われても軽く聞き寧」とができず、すぐ真剣になってしまうタイプ。シャレが分からないだけに真っ正面から口説かれると、多少でも相手に好意をもっているとたちまち罠にはまってしまう。
ぁるいは、そう見せかけて、罠をかけて待っているか、そのいずれかである。真相は闇の中、ただ、現実として、本人は厳然とそのような自分から脱皮したい、と願い、真剣に悩み苦しんでいるのである。
「浮気をまずやめなさい」
それだけでは彼女のストレスは解消されない。