女ごころの恐ろしさ-1

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!
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花見正樹のストレス・エッセイ

嫌職ストレス-4

女ごころの恐ろしさ-1

 出世コースから外れたとたん、親類の冠婚葬祭にすらお呼ばれないし、社内でチャホヤされたのも夢のまた夢、自律神経失調症扱いで周囲は腫れものに触れるような扱いになる。
同僚ももはや愛想つきたか、飲みにも誘わずゴルフにも誘わない。当然、麻雀も不参加になる。
仕事が嫌だからといって会社が嫌いな様子でもない。ノイローゼ係長は出社拒否症どころか、遅刻もしない。仕事は与えられれば、不愛想ながらゆっくりとスローペースでこなす。
人が忙しく立ち働いているとき、ずっーと新聞各紙、業界紙、雑誌類を眺めているだけの仕事は辛いものだ。
若い女子社員などがうす気味悪そうに、1目づかいに眺めると、ニヤリと笑顔を向ける。その目がなんともイイそうだという変質的な女子社員などがいたりする。
本質的に魔性である女性は、魔性に魅入られることもあるらしく、どうした風の吹きまわしか、社内きっての美人OLがA係長に急接近、お茶はおろか、お昼の弁当、はては洗濯ものまで引き受けて自宅でアイロン掛けまでして出社時に手渡している。そのうち、洗濯物だけでなくA係長自身も部下の美人OLの家に出入りし、週末にはA係長の住む家に部下の美人OLが家事手伝いのために通っているという噂がある。それを同僚が指摘するとB子は笑って、「男女関係は全くない」と語っている。と、このような病み上がりの上司思いの涙ぐましい人情物語なのだが、これをスキャンダル風に語りたがるのが世の常なのは仕方がない。
ところが、これが社内では大問題になっていた。この美人OLB子には、同期の男性社員でこの半年後に挙式を控えた婚約者C君がいて、すでに式に招待される同僚や上司も公表されているだけに、この成り行きが社内では注目の的になっていた。
見かねた二人の媒酌人である取締役D氏がB子を呼び出して真相究明を試みたが、人道主義に基づいた個人的なボランティアであって不純な行為もなく、「どうぞ、ご安心ください」と言われて、役員D氏は「誤解を招かないように」と言うのがせいいっぱいだった、らしい。私の知人は、A君の上司であるだけに、この成り行きをはらはらしながら見守っていた。