花見正樹のストレス・エッセイ

休日ストレス-2

 さて、働き蜂シンドローム人間から仕事をとったら、人間のぬけがらができるそうだが、人間には休養も必要、その休養が長すぎたらどうなるのか、週休二日制で一日は家庭サービスで一日は趣味に使う。娯楽、レクリエーション、ライフワークの資料調べとか、やることは幾らでもある。
 「さあ、今日は休みだぞお」
 朝早くとび起きて、以前から計画していたハイキングの仕度、理想ではあるが体は重い、そこですぐ計画変更を妻に告げる。 
「もう少し寝て、起きたら今日はカラヤンでも聴いて、パソコンで・・・」、しかし、やるべき作業は何もない。
 ならば、「ようし、今日は優勝、チョコ稼ぎだ」
 と叫んでも、ゴルフ仲間は仕事仲間だから、急には集まらないし、もう遊び相手に呼んでももらえない。
 総理府資料に「週休二日制・余暇に関する世論調査」なるものがある。
 その順位は、
 1位・テレビ、2位・休養、3位・趣味娯楽、4位・新聞雑誌、5位・家庭内だんらん、6位・友人交流、7位・スポーツ活動、8位・学習研究・・・なるほど、と意外感はない。ただ、これは週休二日制の一日だけ、これが毎日だとどうなるか?
 ついでに「日本統計年鑑(1987)」なる資料の中から男女の余暇の趣味の内容など調べてみる。
 (注)30年前の拙著ですからNETやPCゲームが抜けています)
 男
 1位、園芸・庭いじり 25.0%
 2位 パチンコ    23.0%
 3位 読書       9.7%
 4位 音楽鑑賞     8.7%
 5位 映画鑑せ見    8.2%
 6位 スポーツ見学   8.0%  
   7位に麻雀、12位に競馬などもある。
女 
 1位 園芸・庭いじり 27.0%
 2位 華道      18.0% 
 3位 読書      10.0%
 4位 音楽鑑賞     7.0%
 5位 和裁・洋裁    6.5%
 6位 映画鑑賞     5.6%
 7位 音楽演奏     5.2%
 12位にパチンコが顔を出す。
□大画面テレビの選び方特集、こんなテレビが自宅観戦に最高 ... 
なんのことはない、全国民の余暇の過ごし方は、テレビ・ラジオでゴロ寝フテ寝、新聞と雑誌を読んで庭いじり、それに飽きると男はパチンコ、女は庭いじりで手折った草花を剣山に刺して華の道、でBGMにFMラジオのシンセサイザー・ミュージック。
 これが健全なのか、これが休日なのか。

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休日ストレス-1

 

 

     明けましておめでとうございます。

 

 

 

 

 

 花見 正樹

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!
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花見正樹のストレス・エッセイ

休日ストレス-1

 学校が休みの学生でガールフレンド、ボーイフレンドがいない場合は終日よく眠る。休日を眠り続けてしまえば休日ストレスはない。
予算を使い果たして買いものもままならぬ主婦は毎日が休日、よろめきドラマを見てお茶とお菓子では太るばかりでストレスはなおたまる。働きバチ民族の中年男どもは休日の利用法が下手どころか、平日は上司と同僚、休日は賢妻と子供の板ばさみ、家庭サービスで心身くたくたか粗大ゴミ扱いのいずれかで精神的に安まるひまもない。
これが停年後などとなるとなお哀れである。
定年退職しての「出社に及ばず」となった初日、どのように過ごすだろうか。
まず、一度目覚めて、出社無用と知り二度寝、昼までゆっくり寝具にぬくぬくとくるまって天井を眺めたり、枕元のタバコに手をのばしたりひっこめたり、そのうちうとうとしながら「おい、お茶と新聞!」とどなったりする。
「ハーイ」と甲斐甲斐しくエプロン姿の若妻が、香りも豊かな掩れたての伽排をトレーに、新聞を小脇に抱えて満面に笑みを
たたえて小走りに躯け寄って来る。 年齢差三十五歳ぐらいの再婚で得た妻のてを、ぐっとひき寄せると、恥じらいを秘めた初々しい頼が接近する。
と思ったとんに、
「あんた、なにすんのさ」
だみ声に驚いて目を覚ますと、あろうことか、枕元に立つ老妻の衣類の裾などをつかんでいて、見上げると、鬼のようなっ顔の恐ろしい目に睨まれている。いくら会社勤めが辛かったといっても、こんな恐ろしい表情で睨みつける上司には出会っていない。
思わず知らず手を離し、
「済いません」
などといい、二度寝でつい「出社無用」を放念し、布団からとび起きて身仕度もそこそこに、安全カミソリなのに頬に切り傷をつけるところもいつもと同じ、無言で卓上に用意された一膳飯を味噌汁と梅干し干物などでかきこむところも一緒、「遅刻だ」と呟きながら駅に急いでガランとした電車にとび乗って座席に座ってから「出社無用」に気がついて愕然とする。
「そうか、昨日で停年退職だったんだ」
こんな経験ありませんか?
ない? でしたら正常です。


手軽に出来るストレス発散法ー4

「楽しく長寿・ストレス発散」

花見 正樹
(長寿、ストレス問題研究家)

4、手軽に出来るストレス発散法ー4

「あなたにとって、ストレスの原因となる三大要因は?」
この質問に対する答えはなかなか難しいはずです。ストレスは多種多様ですし、本音を言えないものもあるからです。
対人関係、金銭問題、仕事の悩み、夫婦不和、親子不和、家庭問題、愛情トラブル、健康不安、嫁姑問題、育児問題、親子不和、交通事故、介護疲れ、将来への不安、死の恐怖、友人間トラブル、仕事探し、性的欲求不満、思い通りにならない苛立ち、多忙、過労、不眠症、ウツ症状、怪我・・・こうして並べたててみると切りがありません。
それでも、人間関係、愛情問題、健康不安、金銭問題、夫婦不和などはつねにストレス要因の上位に位置します。
私は、「長寿にはストレスが大敵」と言い続け、いつも笑顔で過しストレス解消法などを人に伝えていますが、これはストレス解消法を身につけているからであってストレスをj感じないということではありません。かくも多くのストレス要因を完全制圧するには、それなりの努力と工夫が必要なことは理の当然なのです。
例えば、多くの人がストレス要因の上位に取上げる対人関係ですが、これは相手の性格を知って、相手に合わせた言動で対すれば、どんな相手でも全く苦にならず、苦手にもならないのです。それなのに、自分は自分だから、と誰とでも同じスタイルで自己種チィウを貫いて人と接したら、すくなくとも4人に一人は自分と合わない人がいても不思議はないのです。
ところが、相手の性格を知れば、多少の嫌なことでも「この人はこんな性格だから」と冷めた目で達観できて腹もたたないのです。
では、どうすれば相手の性格を知ることができるのか?
この問題だけは、何回でも繰り返して徹底して理解して頂きたい項目です。
対人関係をスムーズに保つには、相手の性格を知ることが一番近道だからです。
とくに、これから申し上げることは、私の成果かう改善の著書の中でも取り上げている大変重要なポイントなのです。
よく、2,3回しか会ったことのない人を、外見や話し方だけで判断しがちですが、これは危険です。
自分も勘違いしますし、相手の本当の姿を知らないうちの早合点では、お相手に対しても失礼にあたります。
第一印象というものは、つい服装などで決めていますが、これは意外に当てになりません。
まず初対面の時は、互いに緊張したり、相手を警戒して、自分のことも控えめにしがちです。
やはり何度かあって話をしているうちに、少しずつ気持がほぐれてお互いが心を開き、性格も分かっくるものです。
人というのは、付き合えば付き合うほど、時が経てば時が経つほど、長所も欠点もまる見えになってくるものです。
ただし、気が合う人であれば、短時間の内に互いによく理解し合える場合もあります。
それは共通の体験をしてみて本音の付き合いをすれば、すぐ分かります。
一緒に酒を飲む、釣りをする、山に登る、スポーツ、PTAで一緒、町内会、ラオケ、ボランティアをする・・・同じ体験、同じ行動を共にし、同じ釜の飯を食い、同じ感動を共にすると、自分と相手との相性(占い外)の良し悪しがよく分かります。そこで、自分とは会わないと思ったら絶対に深入りしないこと、これが人付き合いの極意の一つです。
なぜかというと、人間の好き嫌いは、気(脳波)が合うか合わないかという問題ですから、長く付き合っても合わない人とは合わないのです。

(注)花見正樹の講演「手相と長寿」が11月3日(土)にあります。詳細はHP表紙の「お知らせ」で。


口論は毒にも薬にもなるー2

口論ストレス-4

口論は毒にも薬にもなるー2

 夫婦でもはた目には円満そうでも、ふとした小さないさかいから離婚にまで発展することも最近では少なくない。離婚原因の性格の不義などは、だいたいが陰性、暴力と並んで感心しない。
最近の人生相談の深層心理を二棄と、家出撃環境変革願望が多いのにびっくりする。
ストレス症状が高まると現実と幻想が揮然となって家を離れたい、会社を離れたい、家族と離れたい、人生を離れたい、となる。現実逃避、自己喪失の世界である。
こんなとき、口角泡をとばして蔓る相手でもあれば目を覚ますのだが、理解してくれる人がいないと言う。甘えの構造なのだ。
よき口論相手に恵まれると、腹も立つが腹もへる。口払洞に負けると口惜しいからヤケ酒ヤケ食いもあるが、口論に勝つと一時的にはすっきりしストレスは解消する。その後、言いすぎを反省し和睦協調となり、男同士なら酒盃を傾け談笑し、また口論となる。
夫婦なら口論の夜、同床異夢でもとにかく同会すればいい。同会して何もしなかったらこれはもはや絶望、つぎの日から口論も失せる。口論万才、暴力反対、陰湿いじめ大反対、表題はさらに「国民口論の日」という祭日は如何でしょう?

口論ストレス・処方箋
「口論相手不在ストレス」が正解だったか、仮面うつ病なる言葉もある。これは心のバランスが崩れてでっち上げられた幻の病いなのだが、ストレスが蓄積されてくると不安が不安を呼んで自律神経失調、性格分離、被害妄想、放
蕩症、対人不安、敗北感、病気恐怖症、悲劇願望、拒食症、過食症、性交己還、未来不安、職
場回避などの症候群があらわれてくる。
そして胃が痛み、人嫌いになり人生が嫌になる。こうなると回復は大変、と思うのはど素人、
最近、対処法を考案し極意を編み出した。
はじめはリスナーに徹してグチを聞く、趣味を聞き主張を聞き、徐々に論争に持ちこんでゆく。この場合でき得る限り相手の得意の分野に話を持ちこみ最終的には論争に負ける。
これだけで相手は一時的満足を得る。本人に症状が出たらすぐに友人知人身のまわりの人に論争を吹きかける。得意な分野がない人は徹底的にグチリ、翌日陳謝すれば全ては円満に収まりストレスは消えている。


口論ストレス-3

口論ストレス-3

口論は毒にも薬にもなる

夫婦の間で口論がない仲と口論がある仲と本当はどちらが仲がいいのか、と知人に聞かれたことがある。
実はその折、いいかげんに答えたと反省しているが、最近は正しく解答できる。論戦を楽しむタイプは口論が夫婦の潤滑剤になり、ロベたで争い嫌いでカッとなるのは口論がないほど平和、論戦型同士のカップルは、口論がなくなったら倦怠期、ロベタ同志は争ったら最期、お互いに傷ついた心を抱いてさようなら。要は二人の性格次第で口論の内容も変わるし品によって仲睦まじくなることもある。
嫉妬での口論、浮気がバレての口論、ギャンプルで借金しての口論、欲しいものが買えないための口論、姑をめぐっての口論、子供の進学をめぐっての口論、欲求不満イライラからの口論、へそくりバレての口論、心理的離乳不全夫への不満爆発口論、宗教からの口論、晩のおかずからの口論、よく眺めたらとんでもない不美人だっ′たという口論、それも結婚七年目に気付いたなどというのではもう手遅れ、借金でさえ五年で時効と聞く。
口論はストレスの元、それでも口論の相手がいる内はまだ救われる。
しかし、口論も度を越すと戦争になる。1
総勢二十余人の死者を出した極道戦争、生命知らずのお兄さん達と思いきや、週刊誌だったか某組長が夜な夜なうなされて暴れるとあり、やはり人の子と思うとともに、こんな組長を頭に頂いた組の下部組織の没落を予感した。上がうなされているのに下がのびのびとしていられるはずがない。鉄砲玉にされる前にガラス割りで官食暮らしを狙うのも無理はない。口論どころか、いつ狙われるか明日の身知らぬ不気味な生活は何とも不安なものだろう。そのストレスの暴発は恐い。
部屋にとじこもって口論する相手もいないのにじっと耐えるのは辛かろうし、哀れっぽい。堅気の世界の明るい空気、それを胸いっぱい吸ったら人生も変わるだろうか。
哀れなのは銀座のシニセ「地価日本一・X堂」社長の飛び降り自殺、庶民の目からは理解に苦しむ。趣味は音楽、ゴルフにテニス、原子力の専門家、博士号まで持っている。しかし商売は下手、10社長の器とははど遠い。孤独好き。めど1 数千万円とかの相続税の支払いの目処もついていて、金銭的毒は心配ないと、どの記事でも死因について不審がっている。が、この「心の影」という始末の悪い奴、どこからか隙を狙って入りこんで来るのであるそのとき身近に親しい口論相手でもいればガンガン怒鳴ってよき解決策を練るのだが、大社長がお昼どきにひっそりと牛どんを食べに通う図ではストレスもたまるばかり、側近によき直言者的人物を得ない悲劇、これはもう末期症状である。


口論ストレス-2

口論ストレス-2

井戸端会議の効用

 ご婦人方のストレス発散、情撃父換、グチと悪口いいたい放題の集いであった井戸端会議なる言葉が死語になって久しいが、これは都会に井戸なき現在やむを得ない。
下町に住む知人は猫の額ほどの庭に古井戸を所有していたが水が枯れて井戸端会議も出来なくなっている。だから人も集まらない。
井戸端会議は亭主のこきおろしに始まって口論で終わるのが望ましい。アメ玉しゃぶる幼児を背負い、着物の裾をはしょって洗濯板に洗いものを乗せ苛性ソーダの臭気ぶんぷんの洗濯用工業石鹸などをぬりたくり、口角泡をとばしながらまず自分の亭主を「うちの宿六が」と、軽蔑の口ぶりでそれとなく自慢話をはじめる。
「どこで飲んでくるのか酔っぱらい亭主が白粉のにおいを身につけて帰って釆て、嫌だというのに何度も抱くんだから」
「へえ、そうかい。そりゃあ多分、どこぞの女狐にふられて帰って来てヤケ抱きしたんだろ」
「それがしゃくなのよ。三回も腰をぬかせたんだっていうんだから、白状させて損しちゃった。それでゆんべは大ゲンカさ」
「へん、そんな見栄っぱりはよしな。おまえの亭主なんかに抱かれたひにゃ欲求不満でひ上がっちまうよ。おまえがいう抜か三どころかいつだって七こすり半だった」
「なんだと。いつ寝取ったんだ」
「おまえがあんまりいつも自慢するもんだから試してみただけさ。もうこりごり、よっぽどうちの亭主のはうが達者だよ」
「けっ、大ボラもいいかげんにおし。おまえんとこのムダ飯食いなんか、早漏で短小、折れエンピツ、どこがいいもんか」
「ちくしょう、いつのまに」
「やかましい」
と、背の赤子の泣きわめくのも気にせずがなり合い。健康的だがこれもいじましい。それでも翌日にはまたケロッとしている。
 現代はすべて近代化、井戸端会議が絶えたらコインランドリー端会議はどうだろう。
ところが、アパートの家賃滞納、麻雀のツケ未払い、仕送りなし、アルバイト切れ、単位不足、インスタントラーメン常食で栄養不足風学生さんがコインランドリー作動中、少年マガジンに読みふけっていて声もない。
室内にはそんなのが数人で無言。不気味としか言いようもない。パンをかじりながら哲学書を読んでいる学生もいる。
一見、婚期遅れ風OLもいたりする。
掃除、洗濯、料理と三拍子揃ってダメな証拠には手にマクドナルドのフィレオフィッシュ、髪の毛にゴミが付いている。
だいいち、周囲の男たちが誰も声もかけず無視、これだけでも結婚に難あると見て間違いない。それでも「世の中複雑なことだらけ」いつか相思相愛で結ばれてゆくから恐ろしい。
しかも、この手にかぎってけっこう小マメで甲斐甲斐しく働くイイ男を捕まえるのだ。


口論ストレス-1

口論ストレス-1

いじめとケンカ

小学六年生の頃、マセた眼つきで担任の先生に大人の男女のことで何か質問したことがある。内容は忘れたが髭チョビ先生は一言、「世の中複雑なことだらけ」と歩み去った。
二階の教室の窓から、校庭を横切って校門から外に姿を消すまでの先生のゆったりした歩き方には、妙に悟りきった安堵感があったのを思い出す。
終戟から数年を経て価値観も教育も大きく変貌を遂げつつあるとき、肩を落とすようにしてのんびりと校庭の銀杏の葉の散る中を去る先生の姿はけっして雄々しいわけではないが、そこには平和でおだやかなやすらぎがあった。
今思うと多分、卑猥な内容の質問をしたらしいおぼろげな記憶だが、悪ガキを軽くいなした先生の眼はあたたかだった。少なく先生と生徒の信頼を損なうものは何もなかった。
今、新聞紙面は暗いニュースを伝えている。
いじめに耐えかねた中学二年生が父親の郷里に近い東北の雪降る街の駅ビル内のトイレで自殺した。遺書には「もっと生きたかった」とある。それでも生きていられなかったのであろう。 限界が来て、耐えきれず死んだ。雪の降る盛岡の夜は寒い。
中学二年、よくケン力もした。
原因はビー玉かベー独楽か退屈したときだったか忘れたが、いじめの体験は加害も被害もまったく無かったし、ケンカの勝率もまずまずだったのでいつも気分はすっきりしていた。ケンカというのは不思議に同レベルの人間同士に発生するもので一見して相手のはうがかな り強そうだと自然に妥協しないでもロゲンカ程度で収まるもので、相手が弱すぎても弱いもの いじめで後味が悪いから何となくこれも本気のケンカにはならない。こけ脅しのどやしで片が
つく。脅かされたこともある。
いじめは苦からあったはずだし、いじめっ子もいた。だがこれはど陰湿ではなかったのは事 実、教師も逃げなかった、ような気がする。いじめよりは口論、ここでは□払網が善玉に思えてくる。
一般に議論、討論、口論と並べるとどうも口論が分が悪い。なぜ口で論ずることが悪いのか。
聞いた話だが、あるマスコミの入社試験で「月刊誌名を列記せよ」と出題、解答中に「中央口論」なる迷答があったとか。当時は労組問題で揺れていたときだけになにやら真実味がある解仙合だった。
そうなると「婦人口論」などはぴったり、なんなら「夫婦口論」という離婚専門誌はどうだろうか。ついでに「職場口論」「PTA口論」「三角関係口論」「倦怠期口論」「校内口論」「満員電車口論」「口論についての口論」と無限に企画が進行し、そのマスコミがテレビ局ならば、.口論というタイトルで視聴率がとれるかもしれない。


救いようがない人間の欲望-1

不能ストレス

救いようがない人間の欲望-1

 誘われるとついふらふらとよろめいてしまう。そして、あとで苦しみ悩むのである。頭ではいけないと意識しながらも、時には自分から隙をつくって、男の側から誘うようにもちかけ、熟れた肢体をからませてゆく。で、結局、仕事が手につかない。
机に向かうとイライラする。まったく仕事をしないでも廿洛ちつかない。それで、仕事に自信を失った、という。
これはもう手前勝手、自業自得、因果応報、あきれて声も出ないのだが、相談は相談、一応声を出す。
「浮気をやめればいいじゃないですか」
「できないから相談しているんですが」
なんのことはない、本来、「デキないストレス」 は行動願望が封じこめられたときに現れる現象なのに、これではあべこべではないか。しかし、ストレス要因を列基丁すると精神的緊張度はかなり高まっているのは事実、原因は浮気だけではない。

1、浮気の露見を恐れて緊張が絶えない
2、自分の内面のみにくさが嫌になる
3、世間を気にして社会的不安がある
4、ひとりぼっちのとき孤独感が強まる
5、夫への愛情が薄らぎイライラする
6、夫への欺瞞が耐えられなくなる
7、男性の性衝動を知り夫不信になる
8、毎日芝居している自分が嫌になる
9、仕事に対する強迫観念を強く感じる
10、部屋の中で仕事を一人でするのが苦痛
11、会う人がみな偽善者に思えてくる
12、自分が淫らに思えて嫌になる
13、思考力が妨げられ仕事の能率が下がる
14、仕事へのプレッシャーで眠れない
15、夫との性生活が苦痛になる
16、初めて会う男性の前では動惇が烈しい

彼女は、性格がまじめで、お世辞を言われても軽く聞き寧」とができず、すぐ真剣になってしまうタイプ。シャレが分からないだけに真っ正面から口説かれると、多少でも相手に好意をもっているとたちまち罠にはまってしまう。
ぁるいは、そう見せかけて、罠をかけて待っているか、そのいずれかである。真相は闇の中、ただ、現実として、本人は厳然とそのような自分から脱皮したい、と願い、真剣に悩み苦しんでいるのである。
「浮気をまずやめなさい」
それだけでは彼女のストレスは解消されない。


デキなくなる症候群の増加-2

不能ストレス-2

デキなくなる症候群の増加-2

PTAの役員改選で不信任を受けた主婦が外出恐怖症になり、買い物にも行けなくなった。
車の販売員でいつも好成績を誇っていた男が、突然セールス恐怖症にかかって、得意先に行けなくなり、喫茶店に入り浸っている。販売した新車がメーカーの整備検査偽証でリコールにな販売が伸び悩んだだけのことで、自分の責任でもないのに頭を抱えて落ち込んでいる。
かつて、フリードマン博士らが発表した「Aタイプ」人間はつねに肯定的で積極活動型で休養知らずの働き者、健康そうだが、突然の心臓発作におそわれやすいという。
前向き人生大いに結構だが、休養不足で極端に寿命を縮めたのでは何のための人生か、高齢化社会にはそれなりの老後の楽しみがあろうというものを、勿体ない話である。
ぁる日、地方からの相談の電話、か細い女性の声がおどおどと頼りなさそうに聞こえた。
「仕事が手につかないんです」
「なぜです?」
「急に自信がなくなって、人に会うのも辛いんです」
「お仕事は?」
「フランス語の翻訳と通訳をしていますが」
「それで?」
「突然、仕事が嫌になって自分が今、何をしているのか、何で生きているのか、それすら わからなくなってしまって」
「そうですか」
「どうしたらいいんでしょう」
「まあ落ちついて話してみて下さい」
結婚して三年目、ご主人は会計事務所に勤務し近い将来には独立開業を目指している。彼女は油絵と音楽が趣味、スポーツは乗馬とテニス。実家は南九州の観光地でホテルを経営 している。
彼はM大商科の出身、麻雀と酒と映画、テレビの前で水割りをたしなみ、柿の種とピーナツの混ぜ合わせをつまみながらの野球観戦が趣味だとか。高校時代の同級生とはいえ、七年の交際で結ばれたにしてはすべてにチグハグ、水と油、恋愛中は気にしなかった性格の不一致が気になって仕方がない。


不能ストレス-1

不能ストレス-1

デキなくなる症候群の増加-1

  不可能とは不能のことである。
不能とはデキないことである。
と、いうと男性能力不発揮症状か? と思われた読者は多分、その経験体験者、とは限らない。ここでは表題を広義に用いたい。
「うちの子、デキが悪くて」と、一応謙遜したふりの教育ママ。「今月も赤字、貯金などとても出来なくて……」と溜息まじりの主婦。「医療費増の影響か、病人がデキなくて」と、ヤプ開業医のボヤキ。「タマがとれなくて……」と、神戸のヤクザ。「海外留学がデキなくて」と、できの悪い高校生。「うちの主人は料理がデキなくて」と、怠けもの主婦。「法律改正がデキなくて」と、右傾政治家。「借金がデキなくて」と倒産寸前経営者。「犯人逮捕がデキなくて」と、成績不良の警察官。
「この頃さっばりアレがデキなくて・・と、嘆く男も増えつつある。アレには、金、仕事、読書、時間、など何を入れても結構だが、間違ってもアレだけは入れてはいけない。もちろん正解はない。
最近、ストレス解消サロンにおける相談内容で増加いちじるしいのは不能症候群とでもいうべきか、ぜいたく病といアレうべきか、突然なにかがデキなくなる症状である。
絵を描いていた画家が突然、絵が描けなくなった、と筆を捨ててボケーツとしていたり、タレントが突然、カメラが恐くなり急性胃炎になって「番組を降りる」、と言い出したりする。
中小企業の社長が、不利な商談中に、吐き気を催して席を立ち、付き添いの部下に「社長をやめたい」など、突然なにかがデキなくなる症状が「できないストレス症候群」なのだ。


相性は悪くても相手に合わせるコツ

くれないストレス-3
(亭主の収入が増えてくれない……)

ストレスと平均寿命-4

くれないストレスのオマケ

相性は悪くても相手に合わせるコツ

 人と付き合う上で、相性は悪いより良い方が楽しく過ごせることは言うまでもありません。
しかし、もし相性が悪くても「もうだめだ。付き合うのは難しい」などと嘆くのも、もったいないことです。
相性が悪いと分かっているなら、それは既に一歩前進したことになります。というのも、お互いに友情や愛情をより強くして努力す
る気持ちになれるということです。
なまじ相性が良いと思って安心して節度を忘れて付き合うよりは、よほどお互いに得るものが多く成長もあるはずです。
その意味では、相性が極端に良い同士というのも、逆に付き合いづらいという面もあるのです。
そして、気が合わないと思って、相手を嫌ってしまうと何もかもが鼻についてしまうものです。先入観と恐ろしいものです。
仕事などで止むを得ず、ウマが合わない人と付き合わなくてはならなくなった時も、嫌だなどと思わず、相手の良い面だけ見て接す
るようにしてみてください。
また、自分から見てどうしても好きになれない、あるいは尊敬できないと感じる人でも必ず何かしら得るべきものがあるのだという
ことを知って下さい。 それから多くの人々、色々な性格の人々と触れ合っているうちに、自然と相手に合わせられるコツが身に付いてゆくものです。
やはり人間社会は、好きな人とばかり付き合ってはいられませんし、同じ価値観の人とばかり交際していては、激論を交わすことも
なく進歩もありません。
好むと好まざるとにかかわらず、様々な価値観の人と出会ってこそ人間として一回りも二回りも大きくなれるのです。
嫌な相手と相対しても、これもすべて勉強のうちと思って、その相手に感謝するよう心がけましょう。
また、相性が良くても悪くても感謝の気持ちで相手に合わせれば、多少の難点は乗り越えることができます。
問題
1、相性が悪い場合の付き合いの方法は?
2、相性が極端に良い場合は?
3、相性の良し悪しを乗り越える方法は?

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問題ーの模範解答例
1、相性が悪い場合の付き合いの方法は?
相性が悪くても相手を嫌わずに、お互いの友情や愛情をより
強くして努力すればお互いに得るものが多いものです。
2、相性が極端に良い場合は?
相性が良すぎるとお互いに自分を見ているように知り過ぎて
いる面があり、つい気軽に欠点を衝いてしまい気まずくなる
ことがあります。お互いを認め合うことで安泰です。
3、相性の良し悪しを乗り越える方法は?
相性が良くても悪くても感謝の気持ちで相手に合わせれば、
多少の難点は乗り越えることができます。


くれないストレス-2

くれないストレス-2
(亭主の収入が増えてくれない……)

ストレスと平均寿命-3

 最近、広義のストレスとして、生きるために、あるいは何かに適応するために必要な緊張力は行動にプラスとして作用するといわれはじめている。したがって、心身に害をもたらさない程度の緊張感情はないよりもあったほうがいいとされており、歪みにならない刺激は必要な場合が案外多いものである。
夫婦の間の「くれないストレス」も、あるいは意外に新鮮な新婚気分をとり戻すバネになることも考えられ、そこから逃避しようとせず真っ正面からぶつかることが大切なことでもあろうか。
妻側からの「くれないストレス」を分析すると、川外部からの雑音による刺激によるもの(例えば隣人をうらやむような話題とか)、
慢性的な欲求不満(説明不要)、夫に対しての不信をつのらせるような現象があり心理的にすっきりしない状態(浮気を疑えるような状態)、夫の同僚と夫の立場を考えた場合、夫が不甲斐なく思える、その他諸々の条件はあるが、それぞれ夫婦間の話し合いで充分活性化できるものであるだけにマンネリの打破のための好チャンス到来とみて間違いない。
まずは、オットセイのエキスなど飲んで頑張ってみるのも一案、少ない時間で最大限の効果を上げるためには多少の体力の浪費は止むを得ないものである。
ストレスの引き金となるストレッサー(原因)は、自分自身の内面のコンプレックスと外部からの刺激によるイライラ、さらには心身疲労等だが、それらが欲求の不満と重なり、ますます暗雲がたれこめた状態となる。
仕事も大切だが家庭も大切、もしも奥方が大切な人であれば「くれない族」にならないように体を張ることも、たまにはいい。
ただし、そのまま不和の状態から離婚へとお思いの方は、自分も不満を大いにいい、無断外泊はもちろん、落語のネタを活用し二の腕に歯形をつけてみるのも一興、女物のハンカチをポケットに忍ばせるのも即効性がある方法、ただし、慰謝料だけはご用意を。
それにしても、適度なストレスは頭脳と身体のリフレッシュに役立つことは、中年男の恋愛沙汰のエネルギーを考えただけで証明できるが、奥さま族の「くれないストレス」だけは、活用の手段すらなかなか思いつかないのが現実である。
さて、あなたが男性であるならば、奥方さまの「くれないストレス」がどの程度か、奥方に代ってイエス・ノーをチェック。あなたが 女性ならこのまま素直にチェックを。

女性のくれないストレス度テスト
ーーー
1、朝の仕度や家事を手ぬきする
2、動作がにぶく返事が無愛想になった。
3、声のトーンが高くなっている。
4、出かけることが多くなった。
5、厚化粧をすることが多くなった。
6、服装が今までより派手になった。
7、すぐ口応えするようになった。
8、何かにつけて亭主の言動にケチをつける。
9、人の噂をうらやましそうに語る。
10、性的不満を露骨に口や態度であらわす。
ーーーー
このうち、五項目以内のイエスは、なにもいわず目をつぶる。
六~八項目は話し合いと汗の努力によって解決可能。
九項目以上はもはや絶望、はやばやと善後策を練らねばならない。
男の寿命を延ばすには、男も努力と研究が必用なのだ。


ストレスと平均寿命-2

くれないストレス-2
(亭ピチギャルを連れてくる!」主の収入が増えてくれない……)

ストレスと平均寿命-2

「低成長安定期に入り、企業の収益も極度に低下した今日、己れのみの年収増加を望むことは当社の体質からいって」と、突如、体制側べったりになって低収のいいわけをしたり、「ピラミッド型構築の会社組織の最下部に参入してこの方、高齢化社会の到来で停年も延長になり、猛烈社員の減少でポックリ死もなく、1席に空きがないため出世が遅れているだけ」とか、「欲しいものを買ってくれといったって八百円亭主(五百円亭主が格上げになった)に何をしろというんだ」とややヒステリック気味。
「旅行?俺が行ってるのは出張だぞ。しかも新幹線出現のおかげで盛岡日帰りだ、それでよければいつでも行って来い!」と、もはやヤケクソ。
「夜の要求? なんだそれは、新婚のころはそそたる風情での情緒豊かなまぐわいも楽しかったが、今、豊かなのはイビキぐらい、寝顔を自分で見たことあるか(見られるわけがない)、大口開いてヨグレをたらし、ネグリジェはだけて大股開き……」で、眉をしかめる。
「対話不足とは何だ? 昔の亭主は、シンブン、メシ、イッテクル、カエッタゾ、スルゾ、ぐらいの言葉でコト足りたと聞いている。
隣り町のスーパーのバーゲンでメロンが二コ五百円だったとか、五軒先の公務員のご主人をもつ奥さんが外出がちになり、しかも服装やお化粧がヤケに派手になっているから怪しい、とか、一体全体亭主の俺とどんな関係があるんだ!」と言いたいところだが、実はその奥さんと深い関係でドキッとしたりして。
「自由な時間、外泊、浮気、みんな俺がしていいんだ」
「よおし、こうなったら目には目をだ。若いツバメでも何でもくわえこんでみろ。俺はピチピチギャルを連れてくるぞ!」
ところが、ピチギャルはオジン嫌いで、口をきて頂けることさえやっとの有りさま、まずは無理と承知だけに、ここはただ怒り狂うだけで何もできない。
「スワッピング?」
ここは絶句、趣味の問題だから、参加ご希望の場合は多少しかめっつらをしておもむろに、
「どうしてもというんなら、付いていってもいいよ」というか、ニコニコと目尻を下げて「行
こう行こう」とすぐ腰を浮かすのも自由、ただし愛情の残っているカップルはやめたはうがい
いような気がしないでもない。
「離婚?」
ここれはもう慰謝料や財産分与などのオマケがついて来るので、そう簡単にはいかないのだ。
結局、「くれない」をテーマのストレス問題は、亭主である男側にツケがまわるのがオチ、イライラがつのり、寿命も縮まる。
だからこそ、女と男の平均寿命に差が出るのだ。


くれないストレス-1

くれないストレス-1
(亭主の収入が増えてくれない……)

ストレスと平均寿命-1

 「紅(くれない)」とは、べにばなで染めた赤色をさし、古くから口紅などにも使われている。ご婦人がお化粧をするのは変身願望の一つの現われで、口紅をさすことはストレス解消の一手段なのである。

「暮れない」というと南極大陸の白夜か都会の夜のこと、六本木、原宿、新宿、若者の群れている街はつねに不夜城。赤坂などはカツコだけいいが、もはや暮れている。
なにしろたそがれはじめた年齢の男たちがストレスを背負って同類の排御する満員電車的夜の街に出没したとしても、所詮は飲み疲れ、歩き疲れ、散財疲れ、その上に卓一丁ない疲れ、などという厄介な副産物も抱えこんだりする。
しかし、それでもなお夜になるとゴキブリよろしく「暮れない」巷灯を求めてストレス解消に出向くから不思議なのだ。

「繰れない」となると大変、事業か家計か、ともあれ、やりくりがつかないのである。
これはもうストレス解消に鴨居にロ与をくくりつけ輪の中に首を入れてブランコをするのが何よりも妙薬だが、最近の建築物には鴨居(障子=細かい枠に紙を張った屋内のしきり=などを立てるための上部の横木)すらない。したがって資金不足の分だけストレスが溜まり、借金に駆けずりまわるエネルデの損失分だけ疲労も溜まることになる。
ならば、借金に駆けずりまわらず、歩きまわったらどうかという人もあろうが、そうなると車でまわったら?とか、電話で済ませたら?と異論が百出、ここは、駈けずり…にしておいていただければ有難い。

「呉れない」、これが問題なのだ。問題だから当然解答がはしいところ、ところがなかなか解答が得られないからストレス過剰になる。しかも王婦側の出題ときている。
「亭主の実が増えてくれない」に始まり、「停主(この場合は亭主ではない)が出世してくれない」「亭主が欲しいものを買ってくれない」「亭主が旅行に連れていってくれない」「亭主が夜の要求を満足させてくれない」「亭主が日常の話を聞いてくれない」「亭主が自由な時間をくれない」 「亭主が外泊を認めてくれない」「亭主が浮気を認めてくれない」「亭主が若いツバメとの同居を認めて
くれない」 「亭主がスワッピングに参加してくれない」 「亭主が離婚してくれない」……etc。
これみな実際の相談内容から抜粋したものだから恐ろしい。
亭主側としては、「ヤガマジイ」と、ヤスジ風に魚の小骨付きミソッ歯をムキ出しで文句を言いたいところだが、相手が相手だけにできるだけ穏便に済ませたいのが建て前、本音は奥歯キリキリだが声も小さく活字も小さく、 「しかしですネ」と、おだやかに、猫なで声できり出さねばならない。生命あってのものだねである。


お金ストレス-4

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!

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花見正樹のストレス・エッセイ

お金ストレス-4

 金は貯らず、借金は溜る。すべて悪循環のあげくが離婚話とノイローゼ、自業自得とはいえ身につまされる。
例年、金が恨みの悲喜劇は多いが、長寿を全うできる人生を、たかが数字の入った印刷紙のために寿命を締めることもない。
「金銭ストレス」に勝ちぬくにはまず借金をしないか、しても最小限にくい止めておく必要があろう。耐乏生活のコツはぜいたくをしないこと。知れきったことと笑う前に、身のまわり、日常生活のぜいたくを考えてみるといい。
着衣、交際、飲食、趣味娯楽、すべて今はぜいたくに慣れきっている。
ストレス発散のために主婦の衝動買いが増えているという説もあるが、夫の衝動飲み付き合い同様、ムダなのかムダでないのか判断に苦しむ場合も多く、「ぜいたく」の判定もなかなか難しいものである。
さて結論、A氏は離婚をしなかった。
三食昼寝浪費ぐせ以外なんの取り得もないのに離婚にふみきれないのは、要するに後妻に来てくれる望みがないからというより、A氏は奥さんに惚れているのである。
端から見ていると「あんな愚妻」あるいは「あんなぐうたら亭主」というケースが多いものだが、それでも本人がいいというのだから不思議なものである。
◎はあくまで◎なりの夫婦の組合せで満足していて、割れナベにトジブタ(ドジ豚ともいう) でまずは平和なればめでたしである。
一方、心豊か、誰が見ても円満を絵に書いたような夫婦、傍目にもうらやましくネタましく、幸せのおすそ分けにあやかるような気分になる。これに強いジェラシーを感じる方はすでに◎、ここはウソでもニッコリ微笑みを投げかけるべきシーンであろう。
ストレス問題で考える限り、金銭欲はほどほどがよろしく、かといって目標がないとどうしても中途挫折になりがち。したがって、つねに一段上を見つめて上昇をはかるのがもっとも賢明な蓄財方法である。
A氏は、その後、浪費ぐせの奥さんとよく話し合って必要なものをメモしておき、気の向いたときに買い物欲を満たすことで多少の欲求不満を解消、夫婦仲も徐々に回復中とか。
お金にまつわる人生相談、ストレス問題はこれからも浜の真砂と同様尽きることはない。
しかし、読者諸氏の如く、心豊かで小さなことにこだわらず人生をエンジョイされる限り、まずは安泰。いずれ、嫌だ嫌だといいながらも財布がふくれ上がり、銀行預金は増えるばかりとなる。
と確信できる人は幸多い人生を保証され、本年も無事無難。だからこそ美人を眺めると、ニッコリ笑うことが可能なのであろうか。
美人を見て笑顔が出たとき、視線が合う。
視線が合うとオヤッと相手の表情も変化する。そこで頑をチト下げる。相手もとまどいながら会釈する。
すかさず近寄り「00です」といい、本来は男性から握手を求めるべきではないのに手をさっと出す。びっくりして女性も手を出す。
「お茶でも」「ディスコでも」「お酒でも」「ホテル」でも、と自由に囁けばいい。
ここからが日頃の成果の表わしどころ、手八丁口八丁テクニックを駆使して㊨㊨のストレスを解放するのができるかどうか。


お金ストレス-3

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!

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花見正樹のストレス・エッセイ

お金ストレス-3

 年の瀬も近いある日、電話で予約して一人の男が訪ねて来た。
年齢四十三歳、後厄でツキもすっかり落ちきったのか、ゲッソリとやつれた頼。一言しゃべるたびに口元が緊張して引きつるありさま。貧乏神と厄病神が右肩と左肩にしっかりとしがみ
っいていて離れそうもない哀れな表情。聞くとまあ、語るも涙、聞くも涙の作り話めいた筋書。私は至極まじめに応対してはいた。一応例のごとく仮にA氏という。
A氏は石油会社の人事部次長。中途入社組だが、まずは並の出世コースと見受けられる。前歴は信用金庫に勤めていて、外交先で知り合った女性と熱烈な恋愛で結婚、一緒になって二男一女をもうけ三児の父。 家事、育児すべてダメ、三食昼寝と夜の仕事だけはミッチリ要求という上に浪費ぐせのある女房に、給料の少ないのをグチられながらの毎日で無趣味な働き蜂人間のA氏は酒の味を知り、夜の賑わいを知り、ついに競馬競輪、特殊浴場、サラ金まで得意先となる始末。
それではならじと一念発起してゴルフを始めたが、これも以外に出費が多く、こり始めたらキリがなく、さらにゴルフには初心者に不利なチョコレートなる小バクチがあり、毎回これで大きなダメージ、いよいよ首がまわらなくなるばかり。
経済的困難からの精神的重圧からか夜の生活もついにダウン。奥さんからは浮気を疑われゴルフ場にまでアリバイ工作有無の問い合せ。同僚からも蔑視の眼で見られるばかりで、ついに結婚以来、尻に敷かれて耐えぬいて来た我慢の限界がドカーンと爆発、とたんに離婚話となる。
相談の内容は以上の如くだが、原因は「お金」である。A氏の収入はまず中流の下、さほど低くはない。A民夫人の浪費ぐせは中流の上、そこですでに収支のギャップがある。
A氏の遊興費は家計から出ないから、サラ金頼み。臨時収入で返済するつもりがギャンブルの収入など、全くあてにならないのは諸氏諸兄先刻ご承知の通り、そこでずるずる深みに入ってゆくだけになる。


お金ストレス-2

花見正樹のストレス・エッセイ

お金ストレス-2

さて、表題を見て株価や、貯金額、あるいは借金の取り立て、財産保全の悩みなどが頭の隅をかすめた方。広い庭で大きな邸宅、左ハンドルの大型車などをお持ちで、税金のことや資産隠蔽を瞬間的に考えた諸兄、これもまた◎組。とにかく、お金のことで胸を騒がした人は◎、丸でビンボー、心の貧しさでいっぱい、したがって「金ストレス」持病者候補なのである。
さて、お金のことに関する限りは、あってもなくても無関心、あれば幸せ、飲む、打つ、買ぅ。なければないでインスタントラーメン、膝枕、このタイプこそ⑳、真の金持ち、金の価 値をよく知っている。
蓄財能力のある人は、稼ぎを増やし、出費を最小限にとどめる工夫をするが、稼ぐためにも節約するにも気を使う段階ではストレスになる。
私の「なんでも相談室」兼「ストレス解消サロン」を訪れる男女の相談内容を分析すると、愛情、経済、対人、健康、来が五大要因で、これはまたストレス問題のキーともなる。
どうも「お金」の件となるとムキになる性分はさておいて、「金は天下のまわりもの」と信 じて痛い目にあっている現況を考えると、経済問題をさりげなく通過することはできそうもな
いのが何よりも㊤の証拠、悲しい性としかいいようもない。


お金ストレス-1

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!

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花見正樹のストレス・エッセイ

お金ストレス-1

「お金」とストレスの関係は?

「ストレス」の定義については諸説マチマチで、一言でズバリ言い表わすのはかなりの無理がある。
「健康な心身への警告反応」がストレスである、という説もあれば、「情緒不安を心身に与える刺激要因によって起されたショック」だとか、「健康体であるべき心身に限界以上の重圧を伴う刺激」だとか、あれこれ賑やかである。
「寒暖、光と音、傷病、それ等の余剰刺激がもたらす心身への異常反応」という説もある。
なかには「ストリップにおけるレスビアン」などというチン説もある。音楽によって佳境に入った凄絶シーンに興奮で血走った眼をギラつかせたところで所詮は見せ物、怒張した一物の収納場所を持たぬオトコはただただイラつき狂うだけ、それがストレスとか。
ところで平和国家日本の家庭ははぼ中流とか、しかも意識としては「中流の上」。口に出すときは遠慮しがちか誇らしげか、ともあれ「中流の中」というから可愛気も愛想もない。ここは一番、上流の上とか下流の下とかはっきりさせたいもの。
㊥などは、中ぐらいのビンボー連、すなわち「中ビ連」とでもいうべきである。しかもマンションの一室で子供は一人以上不要などといい夫はゴルフ、囲碁、妻はカルチャー(有料井戸端会議風ウサ晴らし所)、これで満足している中流は同じ㊥でも、「中絶ピル連帯」で「中ピ連」。「金」は銀や銅より上位にあっておめでたいことに使われるから、めでたい話を連ねてストレスを発散(読者も私も)するのがまず無難であるのは当然だが、なにしろタイトルが「金」にからむことだけに万人が一瞬たじろぐ重大問題なのは事実である。
縁台将棋の常連は、「王手飛車取り」とビシッと金で決めた快感、あるいは決められた不快感を思い出したりするだろう。
どういうわけか最近めっきり弱くなった夜の義務七っいて思いをはせた同胞もいよう。また、サラ金から追われた経験のあるお方および現在その試練に耐え、あるいは耐えかねて縄を編んだりしている方、これも「金」という字でギョッとしたに違いない。
さて、臨時収入で懐中がホットな方、「福沢さん、今日は」などと額ずりしているご仁、これも「金」で反応を示したストレス発散の一方法で、これもストレス対策◎に間違いない。


不眠ストレス-5

花見正樹のストレス・エッセイ

不眠ストレス-5

やる気が起こらない毎日-3

 やがて離婚話、会社は肩叩き、四面楚歌の中で煙草と酒の量が増え、胃潰瘍と診断され、分半に一人がガンで死亡する」などの統計を思い出し、死の恐怖におびえたりする。これはもう末期的現象、救いがない。 認識が正しければこのような過ちは発生しない。
まず眠りの科学から分析すると、レム睡眠とノンレム睡眠と二つの眠りの型がある。レム睡眠は肉体は寝返りを打ったり眼球がキョロキョロ動いたり、それでいて心身共に休息をとっているのである。
ノンレム睡眠はもう、死んだようにぐったり、当然疲労も大幅にとれ、体内の細胞も活性化、この二つの眠りのタイプが交互におとずれ、そのサイクルは約一時間半。 二サイクルで三時間、三サイクルで四時間半、四サイクルで六時間、五サイクルで七時間半、このどれにあてはまるかによって、疲労の回復が早いか遅いかになるのである。
夜中に目が覚めて眠れないと嘆く人は、本当に睡眠をとっていないわけではなく、眠りと覚醒をくり返しているはずなのだ。
本当に眠りが必要な人は、座っていても立っていてもうとうとと眠りをとっているという。人間が生きていく上に必要な眠りはどこかで帳尻合わせをして必ずとるのが本能。睡眠不足のせいにして仕事の手をぬくのはわがまま勝手、贅沢な話なのだ。
眠りは長さより深さが大切、深く眠れば三時間でも充分、前述の一クールが三時間。眠らないから仕事もできないというのは自分と周囲に対するいいわけでしかない。眠らなくてもいいじゃないか、という精神構造を早く確立した人が勝ち、その時間だけ自由に使える。喜びを感じたらもうしめたもの、その時間をプライベートにしっかりと活用すべし。間違っても仕事に打ちこむなどと悪い了見を考えないことだ。


不眠ストレス-4

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!

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花見正樹のストレス・エッセイ

不眠ストレス-4

やる気が起こらない毎日-2

食欲がない。立ち食いそばも半分残す。
午後、会社に戻ると、上司が怒っている。
「 遠い郊外の建売住宅から出社してやっているんだぞ」という気になるが口には出せない。
この際、何も仕事をしないではないか、という疑問は愚問である。出社することがまず仕事であることを現代のサラリーマン諸氏は再認識すべだ。サラリーマンの本当の仕事は勤務時間後にある。
会社のツケが効く一流店に、取引先のふりをさせた友人を誘って付き合わせ、たらふく食べてただ酒を飲む。これも仕事なのだ。
友人に都合がつかないからと一人で立ち寄ることもある。
一人だと、お店の忙しいから会話も少なく、つい飲み食いのピッチが上がって酒量も増え酔いの廻りも早くなる。
つい調子づいて小皿たたいてチャンチキおけさなど歌ったところに、上司が客と連れ立って現れた。
一瞬、青森県にも支社があ縄のれ、縄のれんこれでまたったことが脳裏を走り、酔いも覚め、挨拶もそこそこに退する。
なんとなく物足りない。そこでまた、行きつけの縄のれんの店に寄って午前様でタクシーでのご帰館、例によって鬼の嫌味が待っている。
「仕事、仕事って、こんなに働いてるのにどうしてエラくならないの!」
「うるさい!女に男の世界がわかってたまるか」
と、わめきながらも、しどろもどろ、イライラ倍増、そのうち受験勉強中のガキなどがとび出して来て、 「二人共うるさいな、勉強やめてお父さんみたいになっちゃうぞ」
しーん、これで一家が静かになる。
その内、夜が明けてくる。家中が慢性の不眠症となる。


やる気が起こらない毎日-1

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!

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花見正樹のストレス・エッセイ

不眠ストレス-3

やる気が起こらない毎日-1

 これは実話、相談事の内容からの抜粋である。
声が細く暗くなっているのに気付くが、顔がひきつって笑顔も出ない。元気が出ない。
周囲の声が気にかかる。
机に向かってもやる気が出ない。字がすらすら書けない。
頼づえをついて煙草をくわえていると、灰が机に散り口先が熱くなる。思わず口を開き声を
出すと、落ちた煙草が書類を焦がす。
やたらとのどがかわくが、お茶を頼もうとしても身近の女性には無視されている。
目がしょぼつき通しであくびが出る。
親しい取引先の電話番号などとても思い出せない。
立ち上がってふらふらと外に出る。
眠りが浅く明らかに寝不足のため、目は充血し足元はふらついている。
多分、性欲もない。


不眠ストレス-2

 「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」  ストレス解消、病病気知らずで楽しく長寿!
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花見正樹のストレス・エッセイ

不眠ストレス-2

睡眠時間が惜しかったあの頃-2

 青春時代はムキになって女性を口説こうと思い(女性の場合は男性を片っばしから誘惑しようと思い)、仕事量が増えて増収した分を趣味と遊びにつぎ込むのである。すると、心身とも快く疲れ、よく眠る。当然ながら睡眠時間が長くなる。すると、損をした気になる。
寝不足だった頃のはうが時間的には得をしていたような気になる。人間の三大本能の一つに「眠る」という項目がある。あとの二つは「食欲」と「性欲」だが、性欲がなくても人間は死なない。
食欲がなくても流動食で栄養は補響きる。一睡もせず百時間、これはもう体内の新陳代謝が進まず脳死寸前、眠れ
なければあの世行き、不眠症になると恐怖が先立つ。
心身がストレスにむしばまれて病理的変化が生じ量じはじめると、眠りに入ろぅとしても緊張状態から解放されるこ
とができず、頭はイライラ身体はギクシャク、目はとろしたまま闇の中を見つめていると同じ状態で精気などとっくに失われている。
朝になっても眠りが浅いため、すっきりした目覚めがない。床から離れるのが辛い。
のろのろと起きてはみたが、目は充血し、肌は荒れ、心も荒れている。
食欲もない。朝立ちもないぐらいだから当然、性欲もない。もっとも、さて出勤という時間
に性欲もりもりでもハタ迷惑な話だが。
通勤途上、歩くのがおっくう、電車やバスが見えても走ることなどとんでもない。
電車が見慣れた出勤乗降駅に着き、ホームに吐き出されよろける。階段でつまずく。膝をすりむく。背広の袖口が破れる。出社しても人に顔を合せる気がしない。そのうち、生きている価値がないような気もしてくる。


不眠ストレス-1

 「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!

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花見正樹のストレス・エッセイ

不眠ストレス-1

睡眠時間が惜しかったあの頃

 ねじり鉢巻きりりと締めての徹夜ガリ勉、受験直前一夜漬け臨戦態勢、体験者は懐かしい想い出、非体験者はアホかと思う。 くわえ煙≠早で額に縦じわ、手先の震えが止まらない、九連宝灯テンパイ直後。思わず先ヅモ、
確かな指応え 「ヤックー・」と、直前、上家がダマテン 「タンヤオ」 のみ。「ヤラレク!」これも口惜しく心が痛む。
夜行列車から降り立った高原の駅から、冷えた秋の夜の山道を、懐中電灯の光の輪を頼りに一歩一歩登った日、虫の音のかしましく懐かしき青春、しかも同行にネクラ登山部には珍しきみめ震わしき乙女がいた、ような気もして懐かしくぼろ甘い。
大げさに言えば 「最近の国際情勢における各国間の貿易不均衡は」と大上段、小げさに言え不眠ストレスば「夕べの飲み屋のツケは幾らか」と地ずり青眼下段の構え、談論風発夜を徹して止まず、これも若さ、空腹に焼酎だけだったあの夜が懐かしい。 好奇心とスキ心、家族の留守に上がりこみ千載一遇のチャンスとばかり彼女と二人、狭いアパートの一室で汗にまみれて一睡もせず励んだ十代後半学生時代、夜が明けて窓に白く積もる雪、これも人生勉強と考えた、夜の短さが懐かしい。
と、いうような青春をお持ちの方も沢山いらっしゃると思うが、これは眠りの時間を割いてこそ価値があり、眠る時間などもったいなかったのだ。それが今は、何もすることがないのに眠れないなどという。もったいない話だ。眠れなければそれだけ起きている時間が長くなる。その分だけ仕事や遊びに使える時間が増え、他の人より有利になるはずだ.

 


有閑ストレス-4

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
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花見正樹のストレス・エッセイ

有閑ストレス-4

ムシのいい浮気願望-2

 亭主が稼いでくる。これは当然。主婦はその亭主が働きやすい環境作りをする。亭主が出世する。程度の差はあれ、出世だと思えば出世になる。
子供も大きくなり、母親離れをする。なかにはマザコンもピーターパンもいるが、とりあえず自立したと仮定する。
多少、時間的ゆとりが生じた。だからといってこの主婦を有閑マダムとはいわない。
これには経済的ゆとりが加わらねばならないのだ。これがまた難点。ここで有閑マダムになるか、ただの有閑主婦になるかの岐路がある。 まあ、なんとか海外旅行、歌舞伎通い程度の余裕がある。自家用車に運転手はつかないが、それはまあ不問、中流の上意識があれば許すことにし、そのあたりのご婦人方に焦点を当ててみる。
それがどうやら、カルチャー教室、動物愛護協会主催のパーティあたりで知りあった男たちとできたりできなかったりするのである。中学生の息子の家庭教師などとも話がつき、天にも昇る心地、いよいよロマンス物語のクライマックス、この世の春か天国か、青春はよみがえり若白髪はぬき、全身に香水などふりまいて、いざ鎌倉、ご出陣、灯りはできる限り暗くして、みにくい肌を若々しく見せる工夫も上々、と、ここまでは間違いなく天国である。
相手は、背高く、やさしく、スポーツマン的、知性的な顔つき目つき、前述の各項目をすべてクリヤーしているのが歴然である。


有閑ストレス-3

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
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花見正樹のストレス・エッセイ

 

ムシのいい浮気願望-1

 敵の論理は単純明快、平凡な家庭生活を向上させるには主婦の社会参加意識、ライフアップのための潜在能力開発、精神的若返りによる夫への刺激などなど、そのための手段のひとつとして疑似恋愛があったとしても、それがマンネリ化しつつある夫婦生活の改善、ひいては家庭平和に役立つならば……。
さあ大変だ。
これは今まで、われわれ男族が常用していた論理ではないか。
「しかし、そうはいっても人の心は微妙にして繊細複雑、遊びのつもりがいつの間にか本気になることもあり得ます。家庭のこと、ご主人のことを考えたら……」
ふと、気付いて愕然がっくり、なんと、これはわずか数年前の女性が、浮気にうつつをぬかす夫に対して反省をうながし、哀願するときのきまり文句ではなかったか。
現代女性のプレイゾーンとなると東京では渋谷、原宿、六本木……。
海外ブランドこだわり型ショッピング。カルチャーライフはシティ感覚で。
スポーツライフはテニスなど見た目の華やかさが決め手、それに若い男性コーチは重要なポイントゲッター。
疑似恋愛の対象あるいは本気でのラブロマンスの対象にしたい男性は「いい男で、やさしくて、男っぽさがあって、話題が豊富で、包容力があって、知性的で、身だしなみがよくて、気前がよくて、パーソナリティがあって、誠実で、趣味がよくて、ムードがあって、さらに、脇役に徹してくれること」
なんのことはない。主役はあくまでご本人、主婦さまなのであり、フリオ・イグレシアス風美男子は空気のような存在、徹底して脇役であらねばならないのである。
さて、こんな男性がいるものか、と冷笑するあなた、すなおにまずはご反省を。
吉永小百合がいい、大原麗子がいい、松坂慶子がいい、OOがいい(OOには勝手にあなたの好みの女性を入れる)と心の中で理想像をえがいたことは事実。それで世の中、思い通りにならず、やきもきし、フラストレーションの肉塊と化して毎日が不満の連続、家族への八ツ当り、仕事の連続ミス、とにかく、なにもかもが面白くなくなるものなのである。


有閑ストレス-2

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花見正樹のストレス・エッセイ

有閑ストレス-2

 そもそも、人間は古来から活動的で遊び好きだったはずだ。男達はマンモスや小動物を落し穴に追いこみ、食糧を確保すると、あとは動物の頭骨をボールにして サッカーまがいのゲームをしていたり、女の尻を追いまわしていた、とギャートルズの漫画にも記されている。
時代は下って昭和の御代(みよ)、ロック、プロレス、プロ野球、スキーにサーフィン、競馬にパチンコ、遊びの種はつきないものだ。
暇があればあれもできる、これもできる。
とにかく暇と金さえあれば鬼に金棒、恐いものなしである。飲む、打つ、写っ、自由気ままな生活が待っていると、考える。
が、現実はそうならないから不思議。まず、暇な時間ができても、一度にあれこれはできっこない。そこで選択をせまられることになる。
ところがどっこい、暇ができたらあれこれしたい、映画、演劇、旅行、デート、スポーツ、日曜大工……などと思うが、結局、迷うだけでなにもできず不快な欲求不満だけが残り、酒など飲んで怨歌(艶歌でも演歌でもない)をガナるのが関の山、せいぜいゴルフの打ちっ放し、パチンコ、庭いじり、雑誌めくり、テレビのチャンネルまわし、フテ寝、盛り場めぐりとなる。
さて、女性となるとそれどころではない。暇な女性は一生暇なのである。
生れてからずーつと暇な女もいる。
三十過ぎて暇だともうあせるばかり。暇をつぶすにはムキになって男社会の職場にくい込むか、なんでもいいから男を見つけて共同生活をする算段をしなければならない。
主婦は忙しい、と主婦はいう。
朝は早起き、亭主を起こし、子供の弁当作りから掃除、洗濯、買物、近所付き合い、PTA、カルチャー、夕餉の仕度、暇など皆無いとか。三食昼寝付きなどとんでもないという。
最近、無気力症状の主婦からの相談が激増している。その殆どが、生き甲斐論などから出発して、結論は、亭主以外に好きな相手ができたなどと穏やかならざる話。浮気相手を見つけるたびに人に相談し、亭主をこきおろし自分を正当化しようとは何たる魂胆、暗然たる思いがする。不安も増し自信喪失となる。
「主人に不満はないんです。とてもいい人なんです。子供にも私にも優しいし、何でもよく話を聞いてくれる人なんです」
ここで終るのなら結構なのだが、「でも、私、今のままの人生嫌なんです。なにかもっと私に合った人生があるんじゃないか、こんな生活で満足しているとダメになっちゃう、主人や子供のために人生の貴重な時間を費やすのはもったいない、もっと自分のために燃焼したいんです」
「はあ?」1
とでも答えるしかない。

それで、、勉強しようと思い立っていろいろカルチャー教室に通ってみたけれど、なにも実がないみたいで、スポーツジムも同じだし」
「で?」
「私、ジャズダンスのインストラクターの方にお会いして、私を理解して下さるのはこの人、私がいつかめぐり合う人はこの人、私はこの人と一緒になるべきだって気付いたんです」
「………」
もはや、あきれて言葉もない。
勝手にしろ、といいたいところだが、明日は我が身、その事主になり替って電話口でがなりたてる破目になる。


有閑ストレス-1

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
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花見正樹のストレス・エッセイ

有閑ストレス-1
「でも、私、今の人生嫌なんです」

 何ものにも拘束されない自由な時間があるということはすばらしいことに違いない。
三連休の朝、自分を除く家族全員が旅行に出かけて家にはただ一人。
「さあ、思いっきりのんびりするぞ!」
大きく背のびをして、例えば高層のベランダから下界を眺めつつ、三連休の初日の遅い朝、自分にいい聞かせるが予定はなにもない。
この時点では、まだ朝食食食があるからいい。食卓にはそれらしきものが揃っている。
テレビを見ながら手酌で一杯の食前酒、これもいい。子供たちもいないから肩にまとわりついたり、妄想の邪魔をするものもいない。
こうなると女子バレーでもスケートでも新体操でも、女子プロゴルフでも・・・とにかくテレビ画面に躍動する若い娘を存分にみられる。
大脳は刺激されるほど活性化されるそうだから適度の興奮が身体にいいのは当然なのだ。
本能が刺激されて元気になるのは正しい健康法だからやましいことは何もない。その上、食欲も出る。
で、食事をし、昼寝をする。そこまでは思っていた通りだから何の問題もない。
ところが、これからが大変、テレビも見飽きるし、酔いも醒めて快くなくなる。時間はもてあます。家族がいないから会話もない。
外出しようと思っても、予定にないことだけに面倒くさい、それにパジャマを着替えるのもおっくう、せまい部屋の中をうろうろ歩いてもすぐへたりこんでしまう。
かくして、連休初日から挫折は始まるのだ。自由な時間が苦痛になるとは勿体ない話だが情けないことに、これが日本の中年サラリーマンの真の姿なのだ。
これは働き蜂特有のワーカホリック症、病気ではないが健全な状態でもない。家族がいない一人ぼっちの空間、そこにたたずむ孤独な己れの姿、理由のない不安があって、三日も続く連休が恐ろしい時間にも思えてくるのだ。
日頃、会社と一体化している組織人間は、自由な時間を得たとたん、たちまち分離不安症状をあらわしてうろたえる。
不況による工場閉鎖、自宅待機、停年退職、どれもこれも同様に、働き蜂人間であるほど落ちこんでしまう。こうなると、暇があるのも考えものである。


住宅ストレス-5

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!
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花見正樹のストレス・エッセイ

住宅ストレス-5
狭き家に家族多きは福来たり繁栄疑いなし

住む人間が肝心-2

 家族間の不和不平不安を取り除くために仮住いとして〓戸建て借家などに転居し、改めて時期をみて家探しに打ちこむことを進言しているが、A氏のストレス状態は回復するか。  A氏の妻Bさんは、電話の会話中に、「住宅のチラシに徒歩十分とあると、主人は正確に歩いてみて二十分だからインチキだ、などといい、まるで業者を信用していないんですよ」ともいう。
業界の常識に対する理解とか融通性とかがまるでない。なかにはズバリ本音そのもの、正直なのも目につくことがある。
「隣接する大規模団地からの恩恵さまざま、〝くらし文化の創造〟……」
借景どころか、ショッピング、教育施設等すべて既存のものを活用することをキャッチフレーズにうたっている。
このPRフレーズを提案したN住宅宣伝部のご仁に敬意を哀し、A氏もこのぐらい神経を太くして立ち直り、再出発することを願うこと切なるものがある。

住宅ストレスでお悩み中の方への処方箋

古来から伝わる家相学の秘伝に、「狭き家に家族多きは福来たり繁栄疑いなし」 とある。それを裏返せば当然ながら、「広き家に家族少なきは福去り繁栄せず」となる。広い部屋でのびのびと過ごし幸せ感を味わうことができるのは、孤独でないときだけ。もっとも広い狭いは個人の主観の相違だが、兎小屋よりはマシと考えればアパート、マンション、一戸建て、屋根があるだけ幸せなもの。家庭の不和や隣人とのトラブルを住居の所為にするのはナンセンス。但し「孟母三遷の教え」ということもある。もっとも気軽に住宅を買い替える算段や、引っ越し魔といわれながら新しい環境を楽しむもよし、もしあなたが一人者なら、異性のお友達のできそうな所を求めて転居し続けるのも一案である。


住宅ストレス-4

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!
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花見正樹のストレス・エッセイ

住宅ストレス-4
狭き家に家族多きは福来たり繁栄疑いなし

住む人間が肝心-1

 家ほど差のある物はない。住宅情報誌には人生の縮図がうかがえる。
厚さ三センチ、頁数千三百頁、価格二百円の誌面からピンからキリはと調べれば、キリは東武伊勢崎線谷塚駅徒歩8分の1K賃貸しアパート、家賃月1万5千円、トイレ付とあるのがいじらしい。交渉によっては千円ぐらいはまけてくれそうな物件のようです。
今日広告で目にしたピンは、東急田園都市線あざみ野駅十分の1億3千万円の建売住宅、金額ではもっと高額物件もあるがどうもこのあたりがピンらしい。
私自身はシェラフさえあればどこでも熟睡できる風来坊体質、家などにはとんとこだわらぬ自由人、我が家では古書と雑誌に埋れて身動きやっとの優雅な生活、「高級住宅」 に住みついて防災防犯に神経をすりへらすなどまっぴらご免、階段の勾配急な「勾急(こうきゅう)住宅」、倒壊寸前「荒朽(こうきゅう)住宅」でも住めば都、テレビなどで「豪邸拝見」などとあっても「掃除が大変だな」と思う程度で気にもならない。
だだっ広いだけで家族少なく、鼠も住みつかないような家では例え数億の価値はあろうが住
む人も淋しかろう。例え家賃1万5千円一間のアパートでも人間性豊かな学生が住み、友人達が楽しく集い酒酌み交し明日を語り社会を語り恋を語る。そして、いつか世のため人のため己れのために活躍する日を夢見て談論風発爪を磨く。家屋ストレスなど愚の骨頂。所詮は衣食住に足りればいい。
家の購入に迷ったときは待てばいい。建売住宅でも充分と思ったら、思い切って買ってみる。住宅などは将来買い替えもきく。
さてA氏に話を戻すと、ようやく千葉県に適当な家を見つけたところ、都庁移転の噂、また通勤時間の計算に誤差が生じ、いまだに定まらずとか。


住宅ストレス-3

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!
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花見正樹のストレス・エッセイ

住宅ストレス-3
狭き家に家族多きは福来たり繁栄疑いなし

たったひとりの家探し!-2

 国家公務員上級クラスとなると出世戦争は激烈、仕事を家に持ち帰るなどは日常茶飯事、休日をとってまで郊外めぐりのAさんの立場での評価ダウンは当然ながら地滑り状態であるのも無理はない。
知識の詰めこみ点取り虫式成功術で今日の地位を得ているAさんにとっては不動産業界のクリエイティブで煽情的で誇大認知型フレーズを理解するには性格改善から必要となる。
『収入付住宅』などとキャッチフレーズにあれば、真剣に、「購入額とそちらからの支払い額の差は?」 などと聞く。
「技芸や学習熱など各種教室向きのフロアーが用意されていまして、自由にタイプが選べるようになっています」
「収入はどこに付いているんですか?」
「それはお客様の腕次第です」
「………」
それでも妙に納得しているときもある。
『風格ただよう街並に、一際映える気品のフォルム』などと建売住宅のチラシを見れば、どこでもよく見える。
「なるほど、たしかに鈴ケ森でさえ歴史の濠む風情も風格もあるし、大井町も時代屋やなどで風情もある。かつてはお化け煙突で知られた北千住も、キューポラの街川口もみな風格ただよう街となる」
と、腕組みしてぷつぷつ呟いているそうだ。
Aさんが迷うのも無理はない。
つぎなるは住宅の売り出し広告の一部。
「いろんな街にいろんなコスモ・…‥」
「青空の下、デリシャスに……」
「若い二人にも手が届く……」
「お熱いうちに召し上がれ……」
「大きいことははんとに良いことです」
「はやる心をおさえてやってきた」
「あこがれてこの街に」
「この街にお迎えできるのはあと×家族になりました」
この広告で、(あと数家族で住民登録が打ち切られるんじゃ急がないと)と、真剣に考える人が出るのも無理はない。


住宅ストレス-2

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!
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花見正樹のストレス・エッセイ

住宅ストレス-2

狭き家に家族多きは福来たり繁栄疑いなし

たったひとりの家探し!

 水筒と弁当持参での郊外通いが休日毎にスタートした。始めの頃は家族同伴ピクニック気分で希望に満ちていたが、妻のBさんも、息子も娘もやがて脱落、Aさんは休日毎に約一年、いまも新築現場めぐり、土地めぐりをしているが、一向に購入決断の気配がないという。そしてAさんは疲れ切っている。都心から三十キロ圏内はすでにパス、予算面で四十キロ圏内に足をのばしていたが、それもかなり弱気。Aさんの頭の中の首都圏マップは五十キロ地点まで広がりつつあった。
すぐにでも新居移転と考えて百論を出しつくし。引っ越しの心構えと荷作り準備を始めていた家族の思惑や苦情にも馬耳東風、便利がよくて、環境がよくて、住みやすくて、購入時安価で将来値上がり抜群、そんな住居を求めてAさんは今日もひとり行く。
しかも、家族のストレスは一日毎に高まっていて、近所からは、嫌味なのか引っ越し祝いすら届いている。親類中にも新居移転近しの報が行き渡っていて、毎週のように家探しに出かけるAさんの挙動すら疑われ始めているとか。
まず予算があって、希望敷地面積があって、都心からの通勤時間、子供達の将来の通学時間があって、眺望、隣人予測、土地相、家相と問題点は限りなく存在し、Aさんは妥協しようともしない。
「早く決断して下さいよ」
と、妻のBさんが催促したのが悪かったのか、Aさんは休暇をとって出歩き始めた。Aさんの手作りマップはメモ書きでいっぱい、こうなるとピクニック気分どころか、職場への出勤風景と何ら変りはない。
やがてAさんは胃痛を訴えるようになり、顔色も冴えなくなった。
労働省のある関係団体がサラリーマン六万人を対象に調査した「ストレス報告書」によると、胃かいよう、腰痛、高血圧症、円形脱毛症、性的不能などストレス関連の病気にかかった人は約二十人に一人におよぶとか。
ストレスの原因を過労としているのは、働き蜂人種の特長として無理もないが、精神的に弱くなっているのか、基礎体力が欠けているのか、会社の圧力、家族の圧力に耐え切れないのか、とくに管理職の病欠の原因のほとんどがストレスを引き金としているのが気になる。


住宅ストレス-1

対人、孤独、休日、読書、兼職、家庭、住宅

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花見正樹のストレス・エッセイ

狭き家に家族多きは福来たり繁栄疑いなし

家族会議の決定!

「夫の様子がおかしいんですが……」
電話相談のベルが鳴る。
三十八歳の主婦Bさん、夫は四十六歳、仮にA氏とする。子供は二人で高一男子、中三女子各一名、A氏の職業は東京都庁勤務で中間管理職とのこと。
三DKの公務員住宅(官舎ともいう)が手狭になったこともあり、母と子の発案で転居希望、新築希望から渋るご主人を説き伏せて建売住宅購入が家族会議の決定事項となる。始め総員、つぎに夫婦、A氏の独断で購入物件決定者はA氏となるに及んで、A氏の日常生活の挙動に不安定なストレス過多現象が起りつつあるという。       -
A氏はコチコチ堅物で生まじめ人間、汚職や柚の下など役得は全くなし、何のために役人をしているかと思うはどの働き蜂とのことである。
妻君としては、夕飯の話題にためらいはあったが、夫の同僚がつぎつぎと家を建て、越してゆくのを横目で眺めるのが口惜しくてつい「家を建てましょ」と口に出したのがそもそもの発端とか。
A氏の生活信条は 「堅実」 あるのみ。見合いから交際に移行したときも次のようなことを心に決めた。
① デートの日時は一カ月前にきめ、必ず守る。
② デートの予算は上限をきめ必ず幾らか残す。
③ ムグロ、ムダ金、ムダな精力は使わない。
官舎居住者でも古株組に入るA氏にとって持ち家購入は当然、人生設計図に折り込み済みである。
高校、大学と予定のコースを経ての公務員、住宅予算も収入に見合せて計算しっくしていた。
新築が数年早まっただけで彼にとっての人生設計は大幅に狂い出す。
学校教育で得た知識で生活を築いたA氏にとって、生活の知恵を用いて日常生活の応用問題を解くなど至址難の技となる。
同期入庁組では出世がもっとも遅れているがそれも計仙昇済み、盆暮れの義理や社内交際よりは貯蓄を選び、将来の安全を選ぶのがAさんの健全な生き方なのだ。
貯金も当然のこと、家を買う頭金には不自由しない。ぜいたくもせず節約し貯金第一主義でマイホームに備えてきた。
妻のBさんにとっても、そろそろ家を建てるチャンスに思えていた。
ビル新築ラッシュで都市部は地価が高騰しているが郊外はここ数年開発が進んでいる割には 価格が安定している。
今まで家具備品の占拠率の高まるままに任せていた官舎の狭苦しい居住空間から開放される、と考えただけで心が晴れやかになる。近隣との遠慮しがちな交際ともおさらば、新天地でのび のびと新たなスタート、夫のAさんが、しばし熟考の末「まだ早すぎるが」 といいながらも「そうしようか」と答えた瞬間から一家の「転居作戦」が始まった。日曜日はジョギングと自宅持ち込み仕事とテレビでゴロ寝というAさんの生活が一変した。
毎週、住宅情報誌を買い漁り、深夜まで地図と首っぴき、休日の予定はすべて各地で売出し中の土地と建売住宅見学に埋めつくされる。
Aさんの予定では、金利を考慮し、購入金額の半分以上を用意してからが本筋だったが家族
全日貝が新居移転を望んでいるとあればやむを得ない。よりよい条件の新居を探し求めるだけだ。


家庭を平和にする方法-2

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!
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花見正樹のストレス・エッセイ

家庭ストレス-5

家庭を平和にする方法-2

 それにしても家庭内の平和などガラスのコップのように脆いもの、父と子の対話不足、母と子の密着しすぎ、夫婦間の溝、嫁と姑、嫁と義父(仲が悪いのではない)、子連れ再婚同士の場合などは家族関係がぐちゃぐちゃになって整理が付きにくくなることもある。ともあれ、家庭内はストレスの温床には間違いない。
その中で
一番大切なのは夫と妻の対話不足のはずだが、どの主婦も、これについてはあまり触れない。それが問題にされないのは、やはり夫族はすでに妻族から愛想をつかされて切り捨てられているのかも知れない。
最近は、DV夫が原因での離婚も増え、子供への虐待も増えている。結婚前には予測もつかない家庭内暴力などは予測がつかない。予測がつけばもっと早く逃げ出しているはずだ。
家庭内暴力は狭い家の中だけに地獄図になる。加害者も被害者も心の傷は生涯癒えないだろう。暴力がなくても平和とは限らない。家庭内冷戦もまた心理的葛藤の地獄図になる。しーんと緊迫した冷たく暗い空気が部屋に充満し、その空気に触れたものは直ちに笑顔忘却症、むっつり右門症などになる。
さて、これらを柔らげるには会話と音楽、さわやかな自然音がすこぶる効果的なのだ。チチチと小鳥が梢を渡り、山間を流れるせせらぎの音、あるいはショパンの幻想即興曲に合わせて灰皿を投げ、茶碗を投げつける。騒ぎが一段落して当人同士が疲れ切ったときも、さわやかな小鳥のコーラス、虫のセレナーデ、チャイコフスキーの感傷的なワルツなどが流れ、皿などを割ったことを後悔したのか、何となく歩み寄って手を差し伸べてみる・・・家庭ストレス撲滅は、かくありたい。


家庭を平和にする方法-1

花見正樹のストレス・エッセイ

家庭ストレス-4

家庭を平和にする方法-1

今回は、教育熱心が過熱気味な主婦の話題に触れてみたい。いわゆる育児ママである。
子供のこととなると目の色変えて、知識偏重、学力優先、子供の時からの成績さえよければ、いい大學に入れて、いい会社に入れて、いい生活ができて、一生幸せに暮らせると信じているとしたら、これは一つのストレス症状と見るしかない。
子供はもっと遊びたい、騒ぎたい、走りまわり、とっ組み合って大声で泣いたりわめいたり、大声で笑いたいに違いない。
受験生になると、遊び仲間、親友でさえライバルになる。これは辛い。
子供心が歪められ家庭内で異常な言動が発生する要因をいくつか列挙すると、 1・親の不和、2・親のあせり、3・教師や友人など子供が信頼すべき人物への親の不当な批判、4・教師のいらだち、5・孤独感、6・友人との不和、7・恋愛感情のもつれ、8・入試への不安、9・将来への不安、10・自信喪失、等である。
子供の不安を駆り立てる原因の幾つかに関連する主婦の特徴を羅列すると、これがまたストレス症候群の要因だらけ。
1・育児ノイローゼ、2・姑との反目、3・家事嫌い、4・台所症候群(どうして自分は皿洗いなどしなければならないか、などと考え台所に立つと気持ちが落ちつかない)、5・夫への不満&不信、6・経済不安、7・生活環境変化願望、8・欲求不満 、9・生き甲斐不足、 1〇.孤独感、11・隣人との不和、12・子供の教育問題、13・夫の将来、14・夫の浮気(の心配)、15・自分の浮気問題(願望も)、16・メタボ嫌悪、17・老化への恐怖、18・更年期障害不安、19・役員不安(PTA,町内会など)、20・夫の親族との会合・・・数えれば切りがなく、深く考えればノイローゼになっしまう。
その上、さらに浮気露見恐怖(露見して争いになっている場合も)などもあって落ち着く暇もない。主婦はかくも忙しいのだ。
しかも、これは妻だけの問題ではない。亭主の場合は、さらに仕事や人間関係、経済問題などが肩や腰に重く伸し掛かっていて、それに家庭問題まで絡むとすぐ精神的不調に陥り、そこに追い打ちをかけるように離婚問題(願望と実行とでは天と地はどの差ある)などが発生したら走行中の電車に飛び込みたくなるのも無理はない。


ストレス症になりやすい人

花見正樹のストレス・エッセイ

家庭ストレス-4

ストレス症になりやすい人

 前回までは、生真面目なエリートサラリーマンA君の実例でストレスの怖さを述べたが、これに似た話はいくらでもある。
人間研究の第一人者であるミルトン・フリードマン博士の研究に、前述のA君に似たタイプがある。
眼がよくなる本(二見書房)でお馴染みの米国のフリードマン博士が発表した「Aタイプ人間」とは、責任感が強く、活動的、積極的に率先して自分から行動する有能なタイプであるとする。これだと非の打ちどころのない優秀な人間像が浮かび上がる。
ところが、このAタイプが誰よりも一番にストレス症に蝕まれやすく、心臓発作にまる率も人一倍高いという。
これは肉体的緊張と精神的緊張のアンバランスから起こる現象で、その因果関係についても発表されている。
このようなAタイプ人間は、まず自分の行動が自分の思い通りにならないとたちまち自己反省、自己嫌悪、自信のぐらつき、不安から、眠りにつくときでも一日のできごとを思い出したりして、心と体の疲れで休息が必要なのに、頭が冴えきって寝つかれず、しかも、朝早く目覚めてしまい慢性的な寝不足に悩まされ、こうじて不眠症に突入することもある。
これでは心臓にいいはずがない。
家庭内暴力の家庭を調べると、夜ふかしの多い家庭に多いという説がある。受験生、午前帰館亭主、夜遊び息子、深夜番組視聴女房(当然、朝は遅く家事はおろそか)、家族の対話などおよそ皆無だから、意思の疎通など絶対に縁がない。
亭主がA型人間だと働き蜂だが、蜂と違うのは蜜は運んで来ない。帰宅は当然遅い。
女房は教育ママ、一人のモヤシッ子を大切に壊れ物を扱うように、亭主とおなじようなA型人間に育てようとする。
「勉強してエラクならないと、お父さんみたいになれないのよ」
あるいは、「ここでがんばれば、あなたもお父さんみたいになれるわよ」
どっちにしても、お乳さん、お父さんでは、子供こそいい迷惑だ。
では、その優秀なお父さんの一日を追ってみよう。
満員電車で出勤して、お茶飲んで、会議に出て、早足で部屋の中を歩いて、電話をかけまくって、急がしそうに昼食を食べ、喫茶店で伽排、タクシーで取引先へ、頭ペコペコ腹の中は不満だらけ、値引きを断り、嫌味を言われ、小額の受注でも不満を言えず、過去のクレームなどを引き受けて会社に帰る頃は他社の社員の退社どき、それから伝票整理、上司からの叱責、部下はと見回すとすでに退社してもぬけの殻、数少ない孤独な同僚を見つけて大衆酒場に誘って愚痴を吐き出しての千鳥足のはしご酒、で、いつも通りに戻り深夜のご帰館となる。
「お帰りなさい。今日も遅くまでお疲れさま」
こうして蛙の子はおたまじゃくしから蛙になってゆく。間違ってもナマズにはなれないのだ。


家庭ストレス-3

花見正樹のストレス・エッセイ

家庭ストレス-3

古い男が描く家庭の理想像は、時代劇などでみるように、夫が玄関に入ると、妻が三ツ指をついて頭を床に伏して、「お帰りなさいませ」と出迎えるというスタイルです。だが実際は、「ただいま!」と声をかけても、せんべいなどかじりながら「お帰り」と素っ気なく応じて視線はそのままテレビに釘付け、亭主の存在など眼中にない。これが一般的な主婦・・・などとは絶対に口には出せない。だから、こそこそと万年筆で小さく書いてみて、あわてて周囲を見渡したりする。この世の中、女性を敵にまわしたら命が幾つあっても足りないし生きる甲斐もない。
それにしても、「お帰り」でも返事があればいいほうで、「おかえりなさい」は年末の賞与が出た日ぐらいなもの、「おかえりなさいませ」などはった映画のシーンでしかお目にかかれない。
しかし、この件については妻の不実を責める前に、亭主たる己の行状を省みる必要もある。
酔ったうえでのご帰還でタクシー料金を払わせるのは序の口で、コートをどこかに忘れた、靴が片方ガブガプカだったり、上着が他人のだったり、寿司の折詰が潰れていたり、Yシャツに口紅がついていたり、パンツが裏返しだったなど、酔ったうえでの出来心で何も覚えていないと訴えて執行猶予になったとしても夫の威厳は損なわれて、その結果が「お帰り!」なのだ。しかも、テーブル上の冷えたコンビニ弁当に顔を向け、顎をしゃくって「めし!」、食事が終わって一息ついていると、「ふろ!」と追い打ちを掛けてくる。
古き良き時代に男の専売特許だった「めし」「ふろ」の常用語はいまや女房族に奪われている。その上、「する」と言われても、すでに戦意を喪失した夫族はただただ白旗を掲げて許しを乞うだけだから、ますます冷遇されるが、あれもこれも「因果応報」なのだからここは耐えるしかない。
だからといって、そのまま泣寝入りをして妻の横暴を許すのも癪だから風呂場で一人呟いてみる。
「いちいちうるさい! だから、どうしたって言うんだ。嫌ならとっとと出てけ」
ところが、ふろ場近くにある洗濯機に汚れ物を入れに来た妻の地獄耳がそれをキャッチする。
さっとふろ場のドアーを開けて、「あーた。出てけって、誰に言ってんの!?」
思わず、「自分に言い聞かせてたんだ」などと言い、着替えもそこそこに外へ飛び出したりする。
こうならないためにも、男は毅然として昼も夜もノルマを果たせる威厳と体力を維持しなければならない。そのためには、スクワット、腕立て伏せ、階段昇降、速足散歩など涙ぐましい努力も必要なのだ。だが、その努力が報いられる保証はない。
だとしやら、やはり会社の帰路は、仲間となじみの店で酒を酌み交わしグチを肴にハシゴ酒、財布も空になりコートは忘れ、上着は他人のを着てタクシーで帰宅、「オーイ、タクシー代!」、これで元の木阿弥、取り戻しかけた亭主の威厳は再び地に堕ちて、もはや挽回の余地はない。


家庭ストレス-2

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!
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花見正樹のストレス・エッセイ

家庭ストレス-2

 前回は専業主婦の謎に満ちた特権について述べたが、家事とお勤めで休む間もない兼業主婦にはこの自由がない。まことにお気の毒としか言いようはないのだが、兼業主婦からみれば、家庭と勤務先でのストレスの度合いは計り知れないほど大きな差があると言うが、兼業主婦のほうが個人的財政(へそくり)に余裕があるという説もあり、専業主婦と兼業主婦の幸福度となると、どちらに軍配があがるかは男どもにははかり知ることが出来ないベールに包まれた別世界のなのだ。
ここで本題に戻る。
「家庭では、男女平等、男女同権は守られていますか?」
この質問に、あなたはどう答えますか?
家庭における男女平等は、一体全体、どうなっているのだろうか?
働きバチの夫が、休日におゴルフだ競馬だとがいしゅつするのに、たまの休日にはテレビの前にでんと座って、ウイスキーの水割りをチビチビ飲みながら赤い顔、妻が掃除洗濯、食事の仕度とてんてこ舞いなのに、なに一つ手伝おうともしない。
これで男女平等が聞いてあきれるのは当然、とは女性側の声、殆どの女性が同感で頷くに違いない。
しかし、既婚男性はこうは思わない
「なにが当然だ!」
大きな声で反撃するのは一家の主たる夫族、ただし大声は腹の中だけで現実には、声にもならないか、蚊の泣くような声でブツブツ呟くのが関の山、なんといっても小遣いを支給されている立場だから仕方がない。
なにしろ、子供の教育費やNET機器、塾の月謝、自転車などの出費に加えて、ママ友との観劇やランチ代の捻出には、亭主の小遣いを減らすのが一番手っ取り早いと、主婦なら誰でも考えるから秘策でも何でもない。
「タバコは健康に悪い」「タバコの煙で子供の寿命を縮めてる」「ヤニ臭いの嫌いだから拒絶してるんです」、ここまで言われれば仕方ない。好きなタバコを何んとか断とうとするが禁煙ストレスに襲われ、人の吸うタバコの煙に鼻孔がピクピクしたりする。 それでも断腸の思いでやっとタバコと縁を切れたら、どうなるか?
それを待っていた愛妻が優しい笑顔で冷厳に言い放つのだ。
「これで健康も万全ね。お小遣いの5万円は、タバコ代がいらなくなりましたから半分の2万5千円でよろしいですねっ!」
語尾の「ねっ!」がダメ押しだから反論もできず禁煙を後悔するが、職場の上司にも「意志が強い」と認められての禁煙だから今更趣旨を戻すこともならず、小遣いを増やすべく競馬やパチンコ、宝くじなどにのめり込む。
だが、これで勝てるほど世の中は甘くない、ついにサラ金の餌食になり、営業費などの仮払いで急場を凌ぎ、ボーナスの前借りなどから徐々に借金地獄の泥沼にはまってゆき、出世街道からは遠く離れた裏道を彷徨うことになる。
この一例をみても、タバコは無理に止めさせるのは良くない。まず、税収が減る、街角のタバコ屋が減ると道を聞くのに困る、といっても今は自動販売機だから、看板娘を口説く楽しみも失せている。自動販売機を口説いてタバコが一箱余分に出てきたら面白いのだが、そんな奇跡は・・・いや、起るかも知れない。どなたか、この一文を見たら試してみませんか? それならお前がやれ? いえ、私は17歳でタバコは止めています。


家庭ストレス-1

花見正樹のストレス・エッセイ

家庭ストレス-1

男女平等どころか・・・

総理府が行なった調査に「男女平等に関する世論調査」なるものがある。
ここで、既婚女性に対して「あなたの家庭では男女平等か?」という質問があり、「平等ではない。女性が不利」と答えた女性がなんと約30パーセント近くもいました。
と、いうことは、妻からみた夫への不満がいかに多いかという証明にもなる、男からみて悪しき統計とも言えます。
人生相談の現場から言わせて頂ければ、夫婦の相性は、占いだけではなく、考え方や育ってきた生活環境、趣味、嗜好、親の教育の差などに影響されての共同生活ですから、そう簡単に馴染むものでもありません。
よく働きよく稼ぐ働き蜂のような無趣味で生真面目な夫を持つ妻が、つまらぬ遊び人の男に溺れて、平和な家庭から転落して自が楽な人生に堕ちた例も知っているだけに、男と女の機微については、そう簡単に語ることは出来ませんが、総理府の統計となると信じないわけにもいきません。
女性からみると男は勝手、たいした稼ぎもないくせに帰宅すれば「メシ、フロ、ネル」の単細胞パターンで妻の話も聞こうとしない。子供の教育、地域社会の交際、家計のやりくり、すべて女房任せで知らんぷり、しかも夜のお勤めまでサボるか手抜き、これでは男の仮面を被ったナマケモノ。しかも、妻の目から見た夫という生物の存在は年を経るほど評価が低下します。とくに、定年後に定職もなく家でぶらぶらしている甲斐性なしの粗大ゴミ亭主になると、その存在すら何の価値もないのです。その夫が、妻の日頃の労を労って、時には観劇や海外旅行に誘ったとしても妻は決して喜びません、その費用で年金か目減りするのが嫌だからではなく、どうせ出かけるなら気の合った友人や趣味仲間のオジさん達と出かけるほうが嬉しいからです。
そうかといって、一度粗大ゴミ化した夫が、突然変異で別人のように家事を手伝い雑用をこなし、町内会のボランティアに熱中し始めて、その延長上だと言って近所の熟年未亡人宅の樹木や雑草の手入れ、垣根の修理などを始めたらもっと不気味な結末が待っている可能性もあります。
だとしたら、やはり働き蜂は働き蜂のまま、粗大ゴミは粗大ゴミのまま、妻の蔑視に耐えながら生きるのが正しい道なのです。
それにしても、家庭を守るべき主婦の約3割が、家庭に置おいて夫より不利だと思っているとは、男の目からみて以外です。
財布の紐をがっちり握り、亭主には最低限のお小遣いで飲食交際もままならず、亭主が汗水流して働いている時間の行動は、ランチ会やショッピング、異性交流を含めて一切謎に包まれています。もちろん、兼業主婦にはこの自由がありませんからお気の毒ではありますが、そこは女性の知恵、男には計り知れない遠望深慮や策謀で自分なりの買い物やヘソクリなど主婦の特権は守り抜いているのです。


嫌職ストレス-5

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
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花見正樹のストレス・エッセイ

嫌職ストレス-5

女ごころの恐ろしさ-2

 ともあれ、まだ精神的に不安定な上司A氏を癒すべくB子さんはかなり真剣にA氏に密着、そのお蔭で婚約者C君とB子さんとのデートはキャンセルや日延べの連続で相思相愛にヒビが入ったともみられていた。
こうなると、婚約者のC君にとっては他人事ではないから必死に彼女を諫めるのだが、B子さんとしては善意のボランティアだから誰が何を言っても気にしない。婚約者のC訓としては、自分の存在が彼女から遠ざかっているように思えるらしく、必死で彼女に忠告したり怒ったりするが、B子さんの奉仕の精神まで崩すことは出来なかった。
思い余ったC君は、病み上がりA君の直接の上司である私の知人で媒酌人の取締役にご注進、かなり深刻な表情だったらしい。 私の知人もB子さんを呼んで事情を聞いたところ、愛情とは無関係の奉仕との説明に納得して、そのまま放置することにしたと
いう。
それから暫くして挙式を3ケ月後に控えたある日、B子さんは上司のA君に、”お世話”の打ち切りを告げ、さっさとC君の元に戻って新婚生活の設計に専念、これでB子のボランティア活動も終止符を打った。
C君とB子さんの挙式は都内の教会で行われ、純白のドレス姿の花嫁B子さんの嬉々とした晴れ姿には一点の曇りもなかった、と媒酌人を務めた私の友人は言った。
こうして無事に結婚式を挙げたB子とC君の二人は、ヨーロッパ古城巡りの新婚旅行に旅立ったのである。
当然ながら、彼女のボランティアの対象でしかなかったA氏は式にも披露宴にも招かれず、ひょっとしたら完治か、との期待も消滅し、ウツ状態に陥って会社を欠勤し、実家に戻って在宅治療に専念することになり、会社には労災の手続きとかで代理人の弁護士が訪れた。
一体全体、B子さんのボランティアの真意は何であったのか? これは未だに社員だけでなく、A君にもC君にも、この話を持ち込んだ私の知人も分かっていない。ましてや、女心に疎い私などが理解出来るはずがない。
結局、私の知人が連れてきたA君は、私の主宰する「ストレス解消サロン」に通いながら職場にも復帰、心身共に癒えたところで、これも私の経営する「結婚相談所」で十数回のお見合の後、お相手もバツイチ子なしの女性と無事に再婚、上司の取締役とその知人であるý私も招かれた内輪の披露宴で私も一言、お祝いの言葉を述べたが、何を喋ったかは全く記憶にない。


女ごころの恐ろしさ-1

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!
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花見正樹のストレス・エッセイ

嫌職ストレス-4

女ごころの恐ろしさ-1

 出世コースから外れたとたん、親類の冠婚葬祭にすらお呼ばれないし、社内でチャホヤされたのも夢のまた夢、自律神経失調症扱いで周囲は腫れものに触れるような扱いになる。
同僚ももはや愛想つきたか、飲みにも誘わずゴルフにも誘わない。当然、麻雀も不参加になる。
仕事が嫌だからといって会社が嫌いな様子でもない。ノイローゼ係長は出社拒否症どころか、遅刻もしない。仕事は与えられれば、不愛想ながらゆっくりとスローペースでこなす。
人が忙しく立ち働いているとき、ずっーと新聞各紙、業界紙、雑誌類を眺めているだけの仕事は辛いものだ。
若い女子社員などがうす気味悪そうに、1目づかいに眺めると、ニヤリと笑顔を向ける。その目がなんともイイそうだという変質的な女子社員などがいたりする。
本質的に魔性である女性は、魔性に魅入られることもあるらしく、どうした風の吹きまわしか、社内きっての美人OLがA係長に急接近、お茶はおろか、お昼の弁当、はては洗濯ものまで引き受けて自宅でアイロン掛けまでして出社時に手渡している。そのうち、洗濯物だけでなくA係長自身も部下の美人OLの家に出入りし、週末にはA係長の住む家に部下の美人OLが家事手伝いのために通っているという噂がある。それを同僚が指摘するとB子は笑って、「男女関係は全くない」と語っている。と、このような病み上がりの上司思いの涙ぐましい人情物語なのだが、これをスキャンダル風に語りたがるのが世の常なのは仕方がない。
ところが、これが社内では大問題になっていた。この美人OLB子には、同期の男性社員でこの半年後に挙式を控えた婚約者C君がいて、すでに式に招待される同僚や上司も公表されているだけに、この成り行きが社内では注目の的になっていた。
見かねた二人の媒酌人である取締役D氏がB子を呼び出して真相究明を試みたが、人道主義に基づいた個人的なボランティアであって不純な行為もなく、「どうぞ、ご安心ください」と言われて、役員D氏は「誤解を招かないように」と言うのがせいいっぱいだった、らしい。私の知人は、A君の上司であるだけに、この成り行きをはらはらしながら見守っていた。


嫌職ストレス-3

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!
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花見正樹のストレス・エッセイ

嫌職ストレス-3

栄転で転勤、大出世?-3

「あなたに不満はいいません。どうせ親が勝手に持ちこんだ縁談です。一応義務も尽くしました。それに、ボーイフレンドとの交際はあなた以前からのものです」
「不純だ、どういう関係だ」と喚くと、「あなたとの結婚のほうが不純でした。結婚とはお互いに愛し愛されて信頼し信頼されて結ばれるべきですが、お互いに身上書と見合写真を交換しただけで選んだ親の見栄と本人の妥協、そのために親に結婚を反対されていた恋人と一時的にしろ別れたのは辛いことでした。その関係が戻ったのは、自分に正直になれたからです。これ以上は説明の要もありませんし、あなたを傷つけたくもありません」
「充分、傷ついてるよ」
「あなたは、仕事、仕事で観劇も旅行も満足にご一緒1したことがありませんでしょ、傷ついているのは私のほうです。それに赤ちゃんも欲しかったのに、あなたは思うような愛し方ができない人です。慰謝料は結構です。このまま、お別れしましょ」
震える思いで問うと、スポーツクラブ仲間のボーイフレンドも指折り数えるはどいるとか、趣味の会、同窓会、カルチャⅠ教室、さまざまなジャンルに捗ってかなり広範囲に発展している。悪びれる様子はさらさらない。
「今まで、あなた、私に質問したことあって?」
「まさか。もの静かで優しくて、手に触れただけで電気が走ったように小刻みに震えるようにして下うつむいた婚約時代、初々しい娘だとばっかり思っていたのに」
A君がぐちると、
「私は敏感で感じやすいんですから」
もはや、夢破れハートもボロボロ救いない。
恐怖と絶望の目で妻を見ると、そこには楚々として可憐で美しく恥じらう手弱女が伏し目がちに膝などを指で撫でたりしている。
「魔性の女だ」
A君はがっくりして呟く。彼は全ての女性が魔性であるのに気付いていないのだ。
結局もめた末、離婚、ひとり淋しく成田を旅立ってゆく。エリートコースの切符を手にしたとはいえ心は傷つき、仕事は手につかない。
生活環境の変化、精神的な虚脱感、感情の入る隙もない機械化された事務処理、公私のはっきりした人間関係、おきまりのノイローゼ、異常者のレッテルをはられて送り返され、ついにエリートコースからは脱落してしまった。


嫌職ストレス-2

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!
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花見正樹のストレス・エッセイ

嫌職ストレス-2

栄転で転勤、大出世?-2

 出向期間は三年、場所はサンフランシスコにある支店、同期入社メンバーではたった一人の大抜擢にA君が内心欣喜雀躍したであろうことは想像に難くない。
辞令を手にしたA君は、仲間のお祝い飲み会も早々に、一目散に喜び勇んで珍しくも早めの帰宅、笑顔で愛妻にご報告。共稼ぎではあるが、二人で生活するぐらいは昇給分と出張手当で何とかなる、と妻が喜びそうなセリフも口に出す。
ところが、その熱くなった心に妻からザブリと冷水を浴びせられたのだ。
最愛、と思っていた妻が、なんと冷酷な言葉でA君に告げたのだ。
「一緒に行けというなら、別れます」
英語もベラベラ、海外留学の体験もある妻が、である。結婚三年、子供はまだいない。かつては海外志向だった妻なのに。そこで理由を質すと、最初は会社を辞めたくない、と言う。仕事なら海外の日系企業でいくらでもあるなどと説得、小一時間論戦が続いた後、妻がついに開き直った。
「ボーイフレンドに逢えなくなるからです」
これでもうエリートA君は、頭をハンマーで殴られ、心は氷漬け、体はまっ暗闇の深い井戸に逆さ吊りにされてロープを切られたような状況に陥って、怒りの感情さえ萎えてしまった。これはまさしく職務上の自信すら喪失させるカウンターパンチ、これは効く。
まさか、妻が自分以外の男と交際していようなどとは思いもよらなかっただけにショックは大きい。夫婦生活も円満、彼女は夜も積極的で満ち足りているように思っていただけに何が不満だったのかもわからない。
一度、離婚を決意した女は強い。
「あなたは下手だから・・・」と呟き、妻は立ち上って黙々と仕事を始めた。
A君は、自分の出張の支度かと思って見ていると、なんと妻は自分の荷物をまとめ始めているではないか。


嫌職ストレス-1

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!
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花見正樹のストレス・エッセイ

嫌職ストレス-1

栄転で転勤、大出世!

世の中には仕事の好きな人もいる。
仕事が好きで好きで、仕事が食事より好きで飢え死にとか、寝るより仕事が好きで睡眠不足で永眠したとか、仕事のためなら死んでもいいと思ったとたん脳内出血で死亡。そんなバカな、という前に周囲を見渡すと、いるから不思議、古代爬虫類の生き残りのよう な点取り虫症候群の成虫が会社人間と名を変えて生存している。
例えば、一流商社勤務の知人の部下の話。
受験地獄を現役通過、一流某大学無事卒業、就職も第一志望突破で有名商社入り、なにしろ幼児時代からの超エリート。周囲によき指導者がいて、大事にされて、環境に恵まれて、その 上、あろうことか知識のつめ込みだけで聡明そうに見られたり、モテたりする。仮りにその男をA君とする。仮にといったが、知人の元部下、実在の人物である。
当然ながら縁談も四方八方から降って湧いてよりどり見どり、家柄と容姿と略歴で選んでお見合い、将来を配慮した招待客の前で派手な披露宴、結婚によって社会的信用をも得たつもりだった。これでまた、よく働くようになった。
ここまではどうやら家柄とガリ勉努力とツキに恵まれて順風満帆で挫折知らず。
さて、第二ラウンドはここからが本番です。
本番となると前戯のように知識の詰め合せだけでイイわけでもない。緩急自在、臨機応変の融通性あるテクニック、心身共に余裕が必要となる。              l
そもそも会社の組織はピラミッド型役職構成、同期入社全員同時期昇格などはあり得ない。上司の実力と力関係の影響もあるが係長補佐候補程度での昇格順位に微妙な差が同期組の問に現われ始め、自己評価と周囲の評価にズレが生じたとき、疑心暗鬼が生じる。
与えられた仕事でも参考書のあるものはパーフェクトに出来るが、知識の拠り所のないものはまったくダメ、応用力ゼロ。こんな男は多分、夫婦生活も教科書通りの余裕のない義務遂行自己満足短時間処理型と思われる。
仕事と家庭は車の両輪、どちらも順調なときは一直線に目標目がけて駆けぬけるが、どちらかが不調なときはガタガタと不協和音、仕事の不調は家庭がカバーできればいい。仕事にもよきパートナーが必要なのは当然、ひとりでは何も出来ないのだ。
エリートの欠点は、自分ひとりで何でも出来ると思いがちなことと、自分だけが人一倍優れていると信じている点、実に単純で可愛い。その知人の部下であるエリートA君に、知人の推薦もあって海外支店係長栄転の辞令が出た。いよいよ出世コースに乗れたのだ。


読書ストレス-4

 

花見正樹のストレス・エッセイ

読書ストレス-4

中年のヤケ読書

 我ら中年族は今更速読法でもないから相変らず本を読むペースは遅いし目も悪くなる。それでも本は買う。昔からの習慣で何となく印刷物に目を通していないと不安なのだ。書店からみるとカモになる。店員がもみ手をしながら接近し周囲を気にしながら囁く。
「だんな、いい本がありますよ。『努力しないで部長になる道』、『女房の束縛から完全に逃れる法』、『この本読んで億万長者』が入荷しました。早い者勝ちですがどうします?」
「今度は大丈夫かね、先週購入した 『地震に絶対生き残れる』は地震前の海外移住、『株で損せず株を楽しむ』は銘柄別チャートづくりを趣味にして絶対に株の売買に手を出さない、それに先々週は……」
「今回は本物ですよ。ほら目次を見て下さい。ちょっと目を通して下さい」
「なになに『堅ぶつ根くらは係長どまり』『周囲のOLにモテるコツ』……うん、これは一読の価値がありそうだ。つぎは? 『女房が不美人ならあなたは幸せ』、なんだか逆説的だが該当者として見逃せないな。つぎは何だって 『手持ちの輸入品の価値観見直し』、まあ円高差益を身のまわりからということか、でも輸入品は土産に貨ったタイピンぐらいだ。『寄付金集めで一財産』、『人のアイデアで仲介料稼ぎ』、せこいけど読むか」、結局買う破目になる。これで、読みたい小説があって本屋に立ち寄ったことを忘れて棚のゴミを増やすばかり。
読書は人それぞれTPOがあるのは当然だが、性格が出るから面白い。
ハウツーもの専門の万年係長補佐氏、教養書専門の哲学的学究型窓際氏、娯楽書(とくにマンガ)専門のコンピュータ技術者氏、数読み誇る役所勤めヒラ氏、グラビアヌードで購買欲を
そそられるという高校教師氏、どっぷりと推理小説の虚構の世界に入りこんで抜け出せない大学生、人さまざま、読書さまざま、「読書しないと時代に遅れる」 「面白くなきゃ本じゃない」
「読書は心の栄養」 「読書は擬似体験」 「読めば一発ストレス解消」「暇つぶしは読書に限る」「忙しい時こそ読書の余裕」「本を読まなきゃモテない」、これで、ついにヤケ酒ヤケ食いに対抗、ヤケ読書となる。


読書ストレス-3

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!
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花見正樹のストレス・エッセイ

読書ストレス-3

読書法のテクニック

 スタジオに入った数十人の番組参観客の大人が名札代りに番号札をつけ、それを少年がわずか数秒眺めて参観客に背を向ける。その間に参観客が名札を裏返す。司会者の合図で体の向きを元に戻した速読の天才少年はたちまちどの人が何番の名札をつけていたかを見事に100パーセントの正解率で全員を言い当てたのだ。
一方の天才少女はというと、スタジオに用意された部屋のオープンセットの装飾や備品を一瞥しただけで、すぐに背を向けて係員数人が部屋替えをしてから司会者の合図で振り向き、時計が何十分進み過ぎた、壁掛けの位置が違う、置物が三つ不足している、カーテンの色が変った、などと一気に続けて、スタッフ一同が変えたものを全て言い当て全部正解、悔しいが私には出来ない。
その少女が、自分の学んだ速読法をその場で公開した。
司会者が10冊ほど裏返しした少女小説などの書籍をシャッフルした中から無造作に選んだ1冊の本を、少女はベラベラと3分ぐらい眺めている。200ページ以上はありそうな厚さの本をニコニコしながら眺めただけ、何となくページをめくっていただけなのだ。
司会者が任意のページを開き、適当に2行ほど読み、話の展開を聞くと、少女はすらすらと淀みなく、その続きの文面を答えたのだ。まるで1ページからラストまで丸暗記しているかのように、どのページでもた正しく答えたのだ。本の中のその部分をカメラが追って画面にアップするのだが、一言一句内容に間違いがない。
つぎに、少女の顔に特殊カメラを装置してその焦点を追う。少女の眼は各ページの中央よりやや上を上下しながらハイスピードで横に動いていく。
バカチョンカメラでパチパチとリズミカルに撮りまくっている感じである。
多分、ページ数まで映像となってファイルされているのだろう。三3分一冊、インスタントラーメンの出来上りと同時間。結婚式の主賓のスピーチよりはるかに短い。
速読塾なるものも始まったとか。近い将来小学校の正式課目に採用されたらどうなるか。
まず書店が恐慌となる。子供たちは絶対に本を買わない。10分の立ち読みで3冊は読破し三十30分で10冊、3時間も書店にうろちょろすれば厚手の本60冊、マンガなどは100冊も読みまくってしまう。これでは商売にならない。
そこで、書店側も対抗策を考える。
子供が読みそうな本はすべてビニールをかぶせたり袋とじにしたりする。ビニールをかぶせた本を子供用という常識が定着するからアダルト用のビニ本を間違えて子供が買おうとする。いや、間違えたふりして強引に買っていく子供もいる。それで、アダルト用書物はビニールにかぶせてはいけない法律ができる。そうなると誰も買わなくなる。立ち読みで読み立ちになったりする。


読書ストレスー2

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
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花見正樹のストレス・エッセイ

読書ストレス-2

読書法のテクニック
はや
最近、世界的に速読法が流行っている。
理屈は単純、映像全盛時代を反映してのハイテクニック。眼はカメラのレンズ、網膜がフィルム、読書は一頁ごとにシャッターを一枚ずつ切り、網膜に映像を焼きつける。
親しい友人にK氏という某民間テレビ局のプロデューサー氏がいて、この速読法に興味を持った。テレビ関係というと、大概は軽薄速断風潮を感じとる人も多いと思うがK氏は一般でいうテレビ人間とは一味も二味も違っている。なにしろ、物事に対する関心の持ち方からすでに変っている。徹底した凝り性なのだ。
医師になりたいという少年時代の夢を満たすために医学コースのある大学の高等科に入学、産婦人科がないと知るやたちまち進路変更(これは私の想像につきお赦しあれ)、写真学校に入ってモデル撮影に凝る(これも私の想像)、卒業後、難関を突破して某テレビ局に見事に入社、社会教養部などという堅い名称の部に配置され、政治やドラマを経て、モーニング・ワイドショーなる社会派から芸能まで、あらゆるジャンルを扱う幅広い番組を担当、本人も自分が硬派か軟派か分らなくなったというが無理もない。なにしろ、選挙を担当させられ、苦労して視聴率ダントツだった直後に特番で二時間のお笑いもの、頭の中が「笑っていいとも」になっても当然だ。しかも、それらを平然とやり遂げて視聴率男の異名を保持するのだからテレビマンとして凄い手腕なのだ。
そのK氏、知的欲望にどん欲で未知の分野の開拓に余念がなく、世界中、どこにでもとび出していく。
その当時はすでに、共産圏では瞑想高速学習法があり世界各地で研究されていることをキャッチし取材および体験学習を始めていた。さらにK氏は韓国その他で速読法が研究されつつあることを知ったK氏は、それから幾度か海外取材に飛び歩いた。
K氏の番組でも韓国の少年が記憶術、日本の少女が魔法のような速読術を披露して、視聴者をおおいに驚かせたものである。


読書ストレス-1

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
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花見正樹のストレス・エッセイ

読書ストレス-1

”畜生! 読書の話さえなけりゃ”

読書というと、季節は秋、虫の音に誘われて書物をひもとき読書三味幽玄の世界に酔う。
というつもりで書店の外交員の口車に乗せられ某社刊日本古典文学大系全六十六巻を始め、世界教養全集三十八巻、世界名作全集五十巻他有名作家の各全集その他もろもろの分厚い書籍が室内を占拠、その実、まるで読んでいない。これが並の人と思われる。
持っているのと読んでいるのでは天と地、月とスッポン、西武とロッテである。
ふとした機会に拙文を目にしたという才媛と知り合った。たまたまある婦人誌に寄稿していた頃出会い、食事をし映画鑑賞というところまで進展し、今一歩というところまで辿りついた。
従来私めは女人に至極臆病で控え目愛妻家なので、今一歩といっても深い仲になろうという野心ではなく、あくまで散歩に出ようとの今一歩なのだが、大概は誤解される。誤解されるぐらいなら実践を……と思った矢先のデートで、「最近はどのようなご本をお読みですか?」と静かにしかも何気ない笑顔で質問された。
ここは胸を張って 「シチリアの恋人」などというべきだったが、よせばいいのに、「『古戦場・武田軍記』と『日本刀を語る』、それに山本周五郎ものに凝っています」
「読書としては?」
彼女は山本周五郎ものを読書と認めなかったのか、今でも疑問が残っている。
当方がいい淀んで口の中でもごもごいうと、
「わたし、いま、レイモンド・カーヴァーに注目していますが、魅力的な作風ですわね」
「ハア」
「原書を何冊か入手しましたが、お読みになります?」
それから約三十分、それまで通過していなかった書物に関する会話で当方の無知識無才能無学軽薄単純さ加減が洗いざらい表にさらされたが、そこは才女、さすがに追い打ちをかけて傷口を広げようとはしないで、さり気なく、「今夜は私が勝手なおしゃべりを申しあげてご免なさい。つぎの機会は是非、お話を聞かせて下さいます?」
で、つぎの機会はない。先方に会う気がなくなったからである。
すれ違いというものは恐ろしい。それまでの相互理解協調ムードは読書の話で一瞬にしてけし飛んでしまった。
当方は吉川英治作品集を熱っぽく語るが、先方はとんと反応を示さない。
成人後初めて読破した本が「宮本武蔵五巻プラス別巻の随筆一巻」だっただけにこれの青春を語るように吉川英治の語る武蔵像、お通、又八、お杉おばば、それはまさしく私自身への青春讃歌だったが、それも無視された。森鴎外すら彼女には評価されていない。
彼女はもっばらサガン、サルトル、ジッド、マルロー、ミラーを語り、当方は子母沢寛や長谷川伸、永井荷風等で無視される。
これほどのすれ違いも珍しい。
「畜生、読書の話さえなけりゃ」とは腹の中。

(注)半世紀以上昔の恥じ話です。お許しあれ(村長)


休日ストレス-4

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花見正樹のストレス・エッセイ

休日ストレス-4

 こうなるともはや絶望、必死で働き同僚に負けない工夫をするか、世界は広いとばかり転身するか、趣味、道楽に逃げ道を求めるか、どうにでもなれとばかり自暴自棄になる。
会社は一体感を裏切り、社員は会社にしがみつこうとする。これはもう振られた女にしがみつくモテない男の哀れな恋物語りにそっくり。休日だろうが平日だろうが惚れて通えば千里も一里、休日に家にいるということは失恋していることと同じ状態になる。
家でのんびり休養となれば、身体も休まりつぎの過から活力が増すというのに何たること。オーストラリアの医学者フランクルは仕事がない日曜日になると一日中へたりこんで、テレビの前でゴロ寝で無為にすごす徒を「日曜神経症」と名付け、一種のノイローゼとした。
さあ、大変、前述のデータを見る限りにおいては一位がテレビ・ラジオ、二位が休養・休息、となるとなんのことはない日本国民は「休日ストレス」どころか「休日神経症」そのものではないか。
ストレスが高まると、肩こり、耳鳴り、胃の痛み、不眠症などの不定愁訴以外にも沢山の病 気予備軍的症状がゾロゾロと現われてくる。それを見分けるのは実に簡単、週末に疲れるのは当然だが、なんと休日にゴロ寝して十分休養をとったはずなのに、月曜日にそのゾロゾロが出て倦怠感、心理的疲労感でゆう鬱になるというタイプ。
なんと、一週間でもっとも疲労の多いのが月曜日と答えるサラリーマンが30%、例え、それが土曜・日曜と二晩続いたスキンシップサービスの疲れだったとしても情けない話ではないか。もっとも、どんな好きな道でも義理でするということはしんどいし、ストレスの原因となのはゴルフ、麻雀の話をもち出すまでもない。
そうかといって、家庭がなければ「休日ストレス」はない、とばかりに会社に泊りこみ、毛布にくるまって机の下、インスタントラーメンで朝・昼・晩・・・これではまるでゴキブリだ。
某銀行の係長氏、三十半ばで独身、理屈っぽい結婚問題で相談に来てストレスに話がおよび、「会社勤務が辛い、このままでは寿命が縮まる」
ここで小生はふと気付いたことがある。長寿村についてである。
南米はビルカバンバ、ソ連のコーカサス、日本の隠岐島や八丈島、なるほど長寿村には会社がない。それに「休日ストレス」もない。そうだ、会社がなくて収入だけある方法を考えればいいだけだ…・‥ん?
この項終わり
(注)この時代はバブル華やかな企業戦士全盛期でNETはまだ芽を出したばかりでした。


休日ストレス-3

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
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 花見正樹のストレス・エッセイ

休日ストレス-3

俺はだんぜんこんなこと許せん、仕事だ、仕事こそ人生なのだ、と休日出勤。大、ぽつんと出社して片っばしから書類整理と勇み、あるいは悲壮な面持ちで守衛に挨拶、「今日はごゆっくりですね」などと不思議な言葉を投げかけられてオフィスに入ると「お早う」と見慣れた全男性社員の視線がいっせいに入口を向いている。
思わず上司の席に向かって、「遅くなりました」と腰を折り小声で「電車が遅れまして」などとぷつぷついい、小さくなって己れのデスクへ……もはや狂気のさた。
ついでに余暇におけるスポーツは、男女ともだんぜん一位は散歩、二位はラジオ体操、三位はガクンと落ちて男が野球、女はバレーボール、あとは男が釣り、ゴルフ、女はドライブ……ドライブはスポーツか? しかも助手席で居眠りしていて。
寿命を延ばすには……
さて、世界に冠たる日本産業株式会社今までの中小企業繁栄ノウハウは、

1、同じ釜の飯を食うものは一心同休
2、同じ会社内は家族同然。
3、その家族もまた家族同然
4、会社は二流の規模でも内容は一流に充分なれる
5、エネルギーは社内の一体感から
6、社内の人間の信頼関係が活気を生む
7、社内全員の目的意識を明確にすることにより、外部との競合に勝つ
8、高度成長より安定成長でも生き残れる
9、終身雇用制
10、たて型昇進制

などなど人情主体の生き方が建て前。
まあ、このまま進めばどうということもないが、高度成長、安定成長、ゼロ成長とグラフが下降するとなるともはや余裕はない。終身雇用どころかたちまち日本的家族主義温情馴れ合い体制をかなぐり捨てて、さっさと近代的ドライ合理的合法主義契約に変身変心、会社は社員を裏切るのである。


休日ストレスー1

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花見正樹のストレス・エッセイ

休日ストレス-1

 学校が休みの学生でガールフレンド、ボーイフレンドがいない場合は終日よく眠る。休日を眠り続けてしまえば休日ストレスはない。
予算を使い果たして買いものもままならぬ主婦は毎日が休日、よろめきドラマを見てお茶とお菓子では太るばかりでストレスはなおたまる。働きバチ民族の中年男どもは休日の利用法が下手どころか、平日は上司と同僚、休日は賢妻と子供の板ばさみ、家庭サービスで心身くたくたか粗大ゴミ扱いのいずれかで精神的に安まるひまもない。
これが停年後などとなるとなお哀れである。
定年退職しての「出社に及ばず」となった初日、どのように過ごすだろうか。
まず、一度目覚めて、出社無用と知り二度寝、昼までゆっくり寝具にぬくぬくとくるまって天井を眺めたり、枕元のタバコに手をのばしたりひっこめたり、そのうちうとうとしながら「おい、お茶と新聞!」とどなったりする。
「ハーイ」と甲斐甲斐しくエプロン姿の若妻が、香りも豊かな掩れたての伽排をトレーに、新聞を小脇に抱えて満面に笑みを
たたえて小走りに躯け寄って来る。 年齢差三十五歳ぐらいの再婚で得た妻のてを、ぐっとひき寄せると、恥じらいを秘めた初々しい頼が接近する。
と思ったとんに、
「あんた、なにすんのさ」
だみ声に驚いて目を覚ますと、あろうことか、枕元に立つ老妻の衣類の裾などをつかんでいて、見上げると、鬼のようなっ顔の恐ろしい目に睨まれている。いくら会社勤めが辛かったといっても、こんな恐ろしい表情で睨みつける上司には出会っていない。
思わず知らず手を離し、
「済いません」
などといい、二度寝でつい「出社無用」を放念し、布団からとび起きて身仕度もそこそこに、安全カミソリなのに頬に切り傷をつけるところもいつもと同じ、無言で卓上に用意された一膳飯を味噌汁と梅干し干物などでかきこむところも一緒、「遅刻だ」と呟きながら駅に急いでガランとした電車にとび乗って座席に座ってから「出社無用」に気がついて愕然とする。
「そうか、昨日で停年退職だったんだ」
こんな経験ありませんか?
ない? でしたら正常です。