孤独ストレス-1

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!
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花見正樹のストレス・エッセイ

孤独ストレス-1
“孤独ということは、自由と同意語である。

あとをたたぬ自殺の不思議”
 かなり古い話だが岡田有希子というアイドルタレントが自殺した。
もったいない話だ。
人気タレントで十八歳、番茶も出花、鬼も十八どころかアイドル十八、これからが人生というところで命を絶つ。しかも、彼女の後を追って全国各地で同じ年頃の少女たちが死に急いだ。
死んで花実が咲くものか、というのは彼女たちの心を理解できない立場の人、精神的に未熟な少女が「さり気なく優しくて、年輩のキザな人」に恋をし捨てられて傷つかぬはずはない。
ましてや、一人でいると落ちこんで暗い気分になり、ウツ状態になるのを自分でも知っていればこそ、年上の頼り甲斐のある男性に心のよりどころを求めたとしても不思議はない。
ところが、ファンの乙女たちまでそんな精神的に未熟な少女タレントに夢を託してタレント同化現象を起し、自殺まで真似て決行するとなるとおだやかではない。
彼女たちは同世代のアイドルのサクセスストーリーに一体化し、あたかも自分の分身が活躍しているかのように一喜一憂し、受験戦争などの憂さを吹きとばそうとする。
ブラウン管やスクリーンに登場するごひいきアイドルと自分が一体となって活躍している雰囲気を味わっていたとしたら、アイドルの死はすなわち自分の死にも価する。
アイドル有希子の死は、ファンの大学生や高校生の男性諸君にも大きな影響を残した。
チョコレート、石けん、化粧品、火災予防ポスターなどCMの他、雑誌にも続々登場、日本
歌謡大賞他覚沢山、レコード百五十万枚。
それが突然不慮の死。
さあ、若者諸君、どうする。
しかも同世代の若い純真な娘たちが道連れになって消滅している。