休日ストレス-3

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!
-------

 花見正樹のストレス・エッセイ

休日ストレス-3

俺はだんぜんこんなこと許せん、仕事だ、仕事こそ人生なのだ、と休日出勤。大、ぽつんと出社して片っばしから書類整理と勇み、あるいは悲壮な面持ちで守衛に挨拶、「今日はごゆっくりですね」などと不思議な言葉を投げかけられてオフィスに入ると「お早う」と見慣れた全男性社員の視線がいっせいに入口を向いている。
思わず上司の席に向かって、「遅くなりました」と腰を折り小声で「電車が遅れまして」などとぷつぷついい、小さくなって己れのデスクへ……もはや狂気のさた。
ついでに余暇におけるスポーツは、男女ともだんぜん一位は散歩、二位はラジオ体操、三位はガクンと落ちて男が野球、女はバレーボール、あとは男が釣り、ゴルフ、女はドライブ……ドライブはスポーツか? しかも助手席で居眠りしていて。
寿命を延ばすには……
さて、世界に冠たる日本産業株式会社今までの中小企業繁栄ノウハウは、

1、同じ釜の飯を食うものは一心同休
2、同じ会社内は家族同然。
3、その家族もまた家族同然
4、会社は二流の規模でも内容は一流に充分なれる
5、エネルギーは社内の一体感から
6、社内の人間の信頼関係が活気を生む
7、社内全員の目的意識を明確にすることにより、外部との競合に勝つ
8、高度成長より安定成長でも生き残れる
9、終身雇用制
10、たて型昇進制

などなど人情主体の生き方が建て前。
まあ、このまま進めばどうということもないが、高度成長、安定成長、ゼロ成長とグラフが下降するとなるともはや余裕はない。終身雇用どころかたちまち日本的家族主義温情馴れ合い体制をかなぐり捨てて、さっさと近代的ドライ合理的合法主義契約に変身変心、会社は社員を裏切るのである。