1、長寿の秘訣ー4

300708分

キャッチフレーズ、村長の一言は、上部にありますのでクリックしてください。
下の絵は仙台市在住の村上画伯の作品です。

「楽しく長寿・ストレス発散」

花見 正樹

1、長寿の秘訣ー4

長寿の秘訣はストレスを溜めないこと、これに尽きます。
したがって、今回もストレス解消法に触れます。
前回は、ストレス解消の第一歩は「腹式呼吸」にあり、と。体の使い方から申し上げました。この呼吸法で心を落ち着かせて自律神経の正常化を図ろうという策ですから、受験生、武術家、アスリート、俳優、政治家、冷戦中の夫婦などありとあらゆる人々の役に立つのが、この腹式呼吸です。
ところが、この腹式呼吸は臨時の現場対応策ですから、ストレス解消の本丸退治にはなりません。
そこで、自分を見直してストレスの原因を根元からバッサリと伐採して廃棄か消却処分しなければなりません。
時には荒療治も必要な場合もあります。
私の場合、「村長の一言」でも触れたことがありますが、挫折の人生そのものですから、ストレスが生きてきたようなものです。本来なら、とっくに胃潰瘍や心臓発作などで死んでいてもおかしくないはずなのに、こうして毎日を楽しく生きているのですから、世の中は全く妙なものです。これも、ストレス学の大権威・藤井尚治師のお蔭であるのは間違いありません。
前回の「腹式呼吸」は身体の遣い方でしたが、これに続くストレス解消法の第二弾は心の問題です。
心の問題で解決できたら、もうストレスで苦労することが消えますから、このコーナーは不要になります。
でもストレスは多種多様、手を替え品を替え姿を変えて私達に襲いかかってきますから油断はなりません。
ましてや前述の如く「挫折の人生」をよろよろ歩き続けている私ですから、ストレスの克服法は生きるためにも絶対に欠かせません。そんな私の転機となった出来事がありました。
昭和53年、私が人生で最も多忙だった42歳の後厄の年、寝不足で心身共にガタが来たのを機にM記念病院の一泊人間ドッグにお世話になりました。そこで見つかったのが心臓の右脚ブロック(血行停止)です。
診断解説の若い医師はこともなげに言い放ちます。心の準備もありましょうから、と前置きした後、言い放ちました。
「余命5年、心がけと運が良ければもう少々は長生き出来ると思います」
その瞬間、頭にガーンとハンマーで殴られたような衝撃が走ったのを今でも鮮明に覚えています。
なにしろ本業(花見化学)も多忙、副業の音楽制作、占術家、結婚相談所、テレビやラジオのレギュラー出演などに加えて、弓道や渓流釣りの趣味も入り混じっての殺人的スケジュールでしたから、医師の一言は死刑宣告にも等しいものでした。
それからの日々は身辺整理に明け暮れ、残りの人生をどう生きるかを考えましたが、思いは千々に乱れて結論は出ません。
禅の師匠・北鎌倉円覚寺の朝比奈宗源師は「自我を棄てること」と禅問答めいた助言で応じますし、友人の富家孝医師は、「左脚なら数年で死亡、右脚ブロックは左脚を太くすれば大丈夫」と全く気にもしません。
富家医師は、このコーナーと同じ「お休み処」内で「死に方格差社会」の連載をしていて、格闘技の世界では知らぬ者のない有名人です。かつては新日本プロレス所属のコミッションドクターでした。かつての試合でアントニオ猪木の背後から、新人のハルク・ホーガンが必殺技のアックスボンバーを炸裂させ、アントニオ猪木はマットに倒れ、舌を出したまま失神するという醜態をさらけ出し、この瞬間からアントニオ猪木最強神話は音を立てて崩れ堕ちました。その時、マッドに上がって応急処置をしたのが富家医師です。富家医師は70歳の今でも慈恵医大の相撲部の総監督を務めています。
このアントニオ猪木失神事件は、新人のハルク・ホーガンが功を焦って台本にない行動に出た結果とも言われています。
なお、富家医師の著書「医者いらずの健康法」でも、予防医学としてのストレス解消の重要性を熱く語っています。
なお、藤井尚治医師によれば、ストレス解消のコツは、ストレスに強くなること・・・これも一理あります。
さて、ここで先に結論を申しあげます。
私が実践した方法は、昔の武士の鍛錬にもある「死んでみる」ことです。
これは眠りに入る前に、毎晩「この世とお別れ」するのです。入眠と死、目覚めと蘇生、これを繰り返すのです。
この繰り返しの中で、いつかは蘇生がなくなりますが、それは明日かもしれないのですが、一応、目標は百歳超えですから、あくまでもくんれんとしての臨終体験ですが、それでも朝の目ざめは「今日も生きていた!」という喜びにつながります。
私は、この「臨死入眠」によって開き直って心臓欠陥を忘れ、毎朝、生きている喜びを堪能してストレスも克服しました。
人間は死んだ気になれば・・・の論からすれば、少々のストレス如きは気にもなりません。
「腹式呼吸」の次が「臨死入眠」のお勧めでは異質過ぎるとお思いかもしれmなせんが、まず今夜から死んでみてください。
眠る前に、このまま死んだら、と真剣に考えてみることが大切です。
この際、「このまま一緒に死んでもいいと・・・」の歌の文句はきっぱりと忘れてください。
本気で一緒に死んでくれるひとなど、そうやたらにはいないものです。あなたは例外? ご馳走様です。

ともあれ、今日からは「腹式呼吸」と「臨死体験」でストレスは激減します。
次回は、対人関係のストレスについて考えてみます。