田舎街道24時

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徒然なるままに日暮らし、文章を書いている日々だ。

最近私は、朝早くのバイトを始めたのだがまだまだ慣れない。

眠気よりも寝坊の心配が先に立ち、信じ難いことにアラームが鳴る前に起きてしまう。

眠る時も寝坊しないか考えながら寝るもんだから眠りは浅い。早く体が慣れてくれと思うものの、慣れてしまったら二度寝なんかしちゃいそうだから更に怖い。

早寝早起きの習慣作りは最初が肝心。人間の体内時計なんて当てにならないものである。

まだ薄暗い朝、外に出ると心なしか街もまだ目を覚ましてないような空気感がある。

辺りを見回すと畑の作物も眠そうに下を向いてるようだ。東京といえど、都心でもない限り畑はちょっと歩けばあちらこちらにある。

コインロッカーに野菜を入れて直売所があったりして、ここが東京であることを忘れてしまいそうだ。

この前まで蝉がうるさくしていたと思ったら、鈴虫が鳴き、今では丸々と太ったカマキリが闊歩していたりして、虫たちの体内時計ほど正確なものは無いのではないか。

アラーム無しなのにどうしてこうもちゃんと季節のリレーができるのか、見習いたいものだ。

そういえば、鈴虫と名前を出したことで、苦い思い出が蘇ってきた。

小さい頃に鈴虫を育てていたが、餌のきゅうりを真上から落っことしてしまった事がある。

鈴虫はそれでお亡くなりになってしまったことで幼い頃の私は大変にショックを受けてしまったものだ。

あれ 鈴虫も 鳴きだした

りんりんりんりん りいんりん

遠い昔の鈴虫さん、ごめんね。

鈴虫に思いを馳せながら、私は今日もアラームをセットして眠りにつくのであった。