追憶と健康

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   新海 富美代

(1)
初めまして、新海富美代と申します。私は母の話に寄りますと、乳児の頃より腸を患い高熱が出「もう駄目かもと!」と医師に言われる位でしたが最後の望みの注射が効いて命を取り留めました。
その後も腸は思わしくなく満足な食事は与えて貰えず、あの当時お粥と鯛みそのみの食事でした。
私はお腹が空いて空いてもっともっととせがんだ様ですが、沢山あげたり、他の物を与えると直ぐに下痢をし医師から叱られた様です。
「母が何もあげていません。」と話すと医師は「口から入らない物がどうして下から出る。」とまたまた叱られた様です。
実は、私には2つ上の姉がおり、その姉が食べて床にこぼれた物などを母が知らぬ間に食べていたらしいのです。
住んでいたのは群馬の寒冷地で家も余り日が当たらず健康上にも良くなく、母の実家である山梨に寒い間だけ転地療養の為行ってました。
母の実家は広々としており日当たりも良く祖父母が孫を元気にして帰したいと、家の中を開放してハイハイを沢山させてくれその甲斐あり少しずつ回復してきました。そう言った幼少の頃病弱だった為医師から注射を沢山受け腕だけでは間に合わず両太腿にされました。
これは群馬に住んでいた幼少期の事ですが、その後中高生になって山梨に移り住み聞いた話に、そう言った注射のケースで山梨では筋短縮症と言って脚の筋肉注射の為縮まり歩くことに支障が
出て問題として取り上げられました。
私はそこまでは行きませんでしたが、その時の影響で筋肉に異常あり身体のバランス等悪く歪みが幾つもの箇所にあったのだと今になって良くわかります。
そう言った事が原因で身体の不調だったのだと思います。その当時は全くそう言う事は知らず暮らしていました。
だ子供ながら小学校の頃より肩こりや頭痛もあり祖母に肩を揉んで貰っていました。何が原因か分からず成長し、それが身体の不調と言う事も分からずだだ湿布張ったり頭痛薬を飲んだりの対処療法のみで過ごして来ました。就職し働ける様になると、マッサージに通ったり、あそこが良いと言われると行きあらゆる所を転々としていました。35歳の時母の紹介で今の整体と出会えました。その整体の先生より(後の師匠)今まで治療した患者さんの中で5本の指に入る位の重症者と言われました。良くこの身体でやってきたね。と言われ治療して頂くことに。それとその当時小学校1年生の息子に「家の母さんは平日働いて休日になると家で寝ている。友達の母さんは遊んでくれるのに。」と言われその一言が心に響ききちんと身体を直そう子供の為にも思い更に治療に専念した理由です。整体治療を始め1年2年と経つ内に頭痛が無くなり鎮痛剤を飲んでいない自分に気づき(いつも頭痛が来るのでお財布の中に薬を入れてありました。)
そして月日が経つと肩こりが少なくなっているのに気付く自分になっていました。
その頃整体の先生より”これから益々整体の必要性は高まるけど私一人で見られる人数は限りがある”と言われ、あなたは自分の身体で実体験しているわけだから勉強してこの道に進まないか?”と勧められました。
 また人様の身体を見させて頂く事で自分の身体の事もわかり勉強になる。と言われ この道に進む事になりました。
お陰様で治療を受け出し25年を過ぎ以前の身体とは思えない位 元気になって来ています。有難い事です。開院して今年で20年となります。開院当初から私と同じ様な辛い経験 身体の不調を訴えている方に少しでも辛さを柔らげて差し上げたく治療に当たらせて頂いております。
 痛みを体験し分かるからとも思います。お客様に私の過去の体験などお話すると、今の様子からはそんな事とても思えない。と言われます。自分の経験を通して身体のバランスや歪み凝り等々や過去に怪我をして身体を傷つけたりがあり不調として現れたり痛みに出て辛い思いをしている方々にその方の身になって寄り添い治療をさせて頂きたいと思っております。

(2)
私が整体を受けていた時に感じていた事は 施術中は その時間が私にとって「至福の時」と思っていました。
私にとって仕事に 母親 主婦と幾つもの役割があり 自分の時間等持てなかったので この時が唯一自分だけの時間。自分を見つめたり施術を受けながら気持ち良く夢心地の気分でした。
幸せの時でした。その様な思いから 私が施術している間はその様に過ごして頂きたいと思っております。
9月の下旬の雨の一日。定期的にお見えになる50歳の女性 いつも 施術中は色々とお話をして施術後は身体も心もリフレッシュして帰られます。がこの日は 来院され待合室でお待ちの時からちょっとお顔が?いつも来て頂く方はお顔や身体の全体の様子から感じ取る事が出来ます。
施術を始めるとその方から感じる物が いつもと違う様に思いました。
様子を聞くと気温の寒暖差で体調を崩し鼻喉をやられ 声がかすれ 辛そうでした。
心身共に疲れている様子。いつもなら 話をしますが 今日はともかく疲れを取り癒して差し上げようと思い部屋の照明をオレンジ色の食卓系で癒しお香も季節の香り「金木犀」をたて 心休まる音楽を流しながら施術を始めました。身体もいつもより硬くこわばっている様に感じました。静かにともかく身体を休めて頂きたいと願いつつ 進めていくと 青白く何ともはっきりしない顔色少しずつ赤みが差し始めて来ました。その頃よりポツリポツリと話はじめ 「流れている曲を
聞いていると森の中に泉があり水の音の情景がイメージされます。」と言われました。音楽の曲名などはお伝えしてありませんでしたがその通りの曲でした。私が感じて貰いたいと思っていたままを受け取って頂きとても嬉しかったです。70分の施術を受けて頂き50歳の女性は 身体も軽くなり楽になった。と「整体を受けて良かった。」と言って下さり 私も嬉しいですし 自分も経験していますが身体が辛くて仕方が無い思いが取れ楽になった喜びを痛いほど分かるので施術した方
の事が自分の喜びの様に思えるのです。整体を受けて頂き身体や心にエネルギーを充電し 活力にして頂き充実した日々を過ごし幸せになって頂きたいと願いつつ 「休日の今日はたっぷりお昼寝して下さいね(笑)」と言いお見送りしました。「整体に来て良かったです。」と喜んで帰られました。