世に出てきた新選組の冊子、史料集-1

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新選組友の会ニュースでは、新選組に関する記事や会員の投稿文などを掲載しています。
その中には、一過性で忘れ去られるには惜しい記事や随筆もあります。
それらの力作を多くの人に読んで頂きたく、随時掲載して参ります。
新選組友の会主宰・大出俊幸
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今回は、平成十七年九月発行115号から抜粋しての掲載です。

世に出てきた新選組の冊子、史料集-1

伊藤 哲也

維新時に書き残された史料、維新から数十年後の伝承や聞きがきなどにより伝わる資料、ともに活字化されていないのが多い。
新選組の史料が含まれている文献であるが、日本史籍協会の『維新日乗纂輯』を始め数多くの史料が掲載されている史料集が
ある。商業誌としての出版だと、大出さんの永倉新八『新撰組顛末記』に始まった言っても過言ではない。永倉新八のみでも「浪士文久報告記事』が発見された時は、マスコミや書き手たちでも大騒ぎになったことがある。今までの新選組史を変えていくわけだから。
その後、多くの方々が単行本などに新選組の史・資料を執筆紹介されていった。後年に記された資料も含めてである。『新選
組覚え書』『新選組再掘記』などが出版され、色々な史料が世に紹介されていった。
そして、『土方歳三、沖田総司全書簡集』や『新選親日誌』が出されて、新選組資料紹介全盛期ともいうべき時がくる。近年で
注目すべき史料が掲載されている『土方歳三遺開』『新選組全史』が世に出て間もない。そして、大河ドラマ「新選組!」ブー
ムに便乗した多くの出版社が数多くの流行本を世に出した。残念なことに全ての読者が史料本と小説本の区別がつくわけでもな
い。大河期で良い史料本となると『新選組!展』であろうか。箱館戦争以来、原本初公開となった『戊辰戦争見聞略記』も史料としては貴重だ。
大河ドラマというと「徳川慶喜」も脳裏に浮かぶ。この時、日野の古文書を読む会によって、日野の千人同心井上松五郎が将軍家茂の御上洛御供の時に書き残した旅記録を「文久三年御上洛御供旅記録」として一冊の冊子にまとめられた。現在は、井上源三郎資料館で販売をしている。「日野新選組展」が行なわれた時も数多くの史料が冊子に写真紹介された。地方誌だと、会津藩出身の新選組隊士が書き残した「戊辰己巳心中書置書」が発表されている。他の地方誌にも未発掘の資料が掲載されているこ
ともあろう。
土方の日記の「土方歳三の手記」が、『土方歳三の日記』に紹介されたのもこの頃のこととなる。土方の日記原本となる史料が失われたのは残念であるが、写本として現世に残ったのは良かった。富沢忠右衛門の在京中の日記である『旅硯九重日記』も大河ブームに入る前に出た冊子であり、内容的にも貴重なものである。