外科医は手術の技術によって評価される-1

 富家孝講師の略歴は上部の「プロフィール」をクリックしてください。
「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第7章 信頼できる医者の探し方、選び方

外科医は手術の技術によって評価される-1

それでは、こんな状況のなか、患者さんはどうやって腕のいい外科医を探せばいいのだろうか? 最近はネットで「名医探し」を助けるサイトが花盛りである。しかし、これは…ほとんどあてにならない。
まず述べておきたいのが、一般の方がイメージする名医と私たち医者が考える名医のイメージには大きなギャップがあることだ。
というのは、一般の方は、一流大学の医学部を出て、それなりのキャリアがあり、そのうえ患者の言うことをよく聞いてくれる人柄のいい医者を「名医」だと思っているからである。その医者が、たとえば立派な研究をしていて、どこかの大学の教授ならば、なおさら名医だと思うようだ。だから、かかりつけ医から、出身母校の有名大学病院などを紹介されると、それだけで信頼してしまうことが多い。ガンの場合は、がんセンターという国立や公立の病院を紹介されると、安心してしまう傾向にある。
しかし、これは大きな間違いだ。なぜなら、日本で最高の医学部を持つ大学病院だろうと、がんセンターだろうと手術が下手な医者はいるからだ。手術の腕と出身大学、肩書きなどとはほとんど関係ないのである。
内科医の場合もよしあしはあるが、外科医ほど技術は問われない。ただ、現代の内科医は、CTやMRTなどの画像診断が発達したので、画像の分析力および判断力などが主に問われる。昔のように聴診器と問診、触診だけで患者の病名をたちどころに当てるというような「名人芸」はあまり必要とされていない。また、研究分野もより専門的になり、その分、現場医療とはかけ離れていくということも起こつている。