専門医、外科医選びのポイント-2

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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第7章 信頼できる医者の探し方、選び方

専門医、外科医選びのポイント-2

(4)認定医や専門医は玉石混清で、意味がないと思うこと紹介された医者がいくら専門医だとはいえ、学会認定医、学会専門医などの肩書きは、じっは有名無実のシロモノである。というのは、ほとんどの場合、自己申告制で認められるからだ。ある学会のように、会員が1万1000人いて、そのうちの1万人が専門医に認定されている笑い話のような話もある。心臓外科医を例にすると、日本に専門医と呼ばれる医者は約3000人いるが、きちんと手術数をこなしているのはわずか100人程度に過ぎない。

(5)もし、治療や医者の説明に疑問を感じたら、医者の説明を受けるたびにメモを取るように心がける医者は自分がミスを犯したとき、まず十中八九がウソをつくと思ったほうがいい。しかし、とっさのウソなので、きちんと検証すると矛盾が生じやすい。だからご自身の担当医が信頼できるかできないかにかかわらず、診断時にはメモを取るように心がけたい。これはミスの隠蔽を防ぐためでもある。また、メモを取れば、それによって医者はおざなりの説明ができなくなる。

(6) あなたの手術は誰がするのか?
手術となったときに重要なのは、いったい誰があなたの手術をするかである。大病院、大学病院などでは、チームで手術をするが、そのチームの中心となるのははたして誰なのか? 執刀する医者が誰かを知らないで手術を受けるのは、無謀と言っていい。執刀医を教えてもらい、評判と実績を確かめたうえで手術に臨むべきだ。

(7)「神の手」を持つ医師もいれば、「紙の手」の医師もいることを認識しておく。外科医の場合、実際に「神の手」と称されてもおかしくないような凄腕の医者がいる。
そういう外科医は年間に数百例の手術を行い、高い成功率を記録する。しかし、その一方で、年に数回しか手術していないのに、大学教授として世の中から高く評価されている医者もいる。こういう医者のことを、研究論文ばかり書いて手術室とは縁遠いという意味で、私は「紙の手」と呼んでいる。あなたを手術する医者は、はたしてどちらだろうか?