生活習慣病はこんなにおカネがかかる-1

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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第8章 「死に方格差」を乗り切るには?

生活習慣病はこんなにおカネがかかる-1

 ここまで述べてきたように、いくら健診・検査を受け、病院に行って医者にかかろうと、あなたはいつまでも健康であり続けることはできない。しかもこの先は、「2025年間題」「2035年間題」があなたを直撃する。そうなれば、あなたが望むような「いい死に方」ができなくなる可能性のほうが高い。
現在、わが国の国民医療費は40兆円を超える勢いで伸びている。そのため、保険料収入だけではまかないきれず、すでに医療費の4割が税金で補填されている。消費税が値上げされたのもこのためである。しかし、消費税の多少の値上げ程度では医療費の伸びに追いつかないから、今後は当然のように保険料も値上げされて、自己負担顧が増えていく一方になるだろう。
そうなると、受けられる医療にいままで以上の格差がつくようになる。そのうえ、混合診療までが解禁されれば、格差はさらに広がり、「死に方」にまで大きな格差がつくようになるだろう。社会全体がこんな状況にあるのだから、個人も徹底してムダを省いていくほかない。そのうえで、「死に方」をいまから考えおくべきである。

次は、厚労省のデータに基づく、生活習慣病の受診者1人当たりの医療費(年間)である。代表的生活習慣病である糖尿病は、入院で約513,684円、入院外で87,673円もかかっている。そのほかの生活習慣病もみな高額な医療費がかかっている。
これは、はっきり言ってムダであり、ここまで医療費をかけたからといって健康で長生きできるものではない。繰り返し述べるが、生活習慣病はクスリや医療よりも、日々の暮らしのなかで、食事や運動きによりご自身でコントロールしていくほうがいいのだ。