歯の寿命を伸ばすことが長寿につながる-2

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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第8章 「死に方格差」を乗り切るには?

歯の寿命を伸ばすことが長寿につながる-2

 そうなると、ほとんどの人が入れ歯をするかインプラントをするしか選択がなくなる。歯が抜けた際に、両隣の歯を削って繋げたかぶせ物をするブリッジという方法があるが、歳をとって歯が抜けると、このブリッジもできなく富可能性が大きくなる。
というわけで、歯こそ予防治療が必要だということだ。歯の寿命をどう伸ばすか。それが、いま歯医者がいちばん取り組んでいることである。
歯の寿命の最大の敵は、歯周病である。歯周病は、歯と歯茎の隙間から侵入した細菌が歯肉に炎症を引き起こし、歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしてしまうというやっかいな病気だ。歯周病が進むと、歯が抜けやすくなり、最終的に歯を失う。
歯周病は、40歳を超えるとかかりやすくなる。そこで、まずは歯をよく磨くこと。また、歯医者に定期的に行き、ブラッシング指導を受けたり、歯のクリーニングをしてもらっりすることが重要だ。そのためには、近所でできるだけいい歯医者を選んでおくべきだろう。
現在、歯科医院は全国に約6・8万軒あるといい、過当競争状態になっている。これはコンビニの約4万軒を大きく上回っている。そのため、最近はどこの歯医者も患者獲得のために、サービスや愛想を重視して、高額なインプラント治療を勧めてくる。しかし、歯医者選びの決め手は、一にも二にも技術である。
現在、歯科技術はとてつもない速さで進化している。たとえば、抗生物質・抗菌剤を混ぜた薬で、虫歯菌を殺す治療法などが開発され、虫歯治療は旧来のやり方とは大きく変わつている。また、口腔内を専用カメラで撮影し、わずか60分でかぶせ物をつくることも可能になっている。そのため、1回の通院だけで虫歯治療は完了する。
そこで、こうしたことに対応できて、歯の治療をとおして歯の寿命を伸ばすことをトータルに考えてくれる歯医者を、ぜひ探しておくことをお勧めする。