65歳を過ぎたら生活習慣を変えない-1

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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第8章 「死に方格差」を乗り切るには?

「早期ガンには払えません」と保険会社-3

 国立がん研究センターが出している「がん罹患リスク」を年代別に見ると、50歳の男性が10年後までにガンにかかる確率は5%、60歳の男性が10年後までにガンになる確率は15%となつている。
2人に1人がガンで死ぬ時代といっても、それは最終的な死亡原因で見ただけの話である。もちろん、加齢とともにガンの発生率は上昇していく。しかし、ガン罹患率がとくに高まるのは、75歳の後期高齢者になってからの話である。

65歳を過ぎたら生活習慣を変えない-1

私は、いい死に方ができる最終ターニングポイントを65歳だと考えている。すでに私自身、この年齢を超えたが、超えてから心がけていることがある。
それは、新しいことをなるべくやらないということだ。この世にはガンになる人とガンにならない人がいる。ほかの疾患でも、それにかからない人とかかる人がいる。こうしたことのいちばん大きな原因は、遺伝などを除けばやはり生活習慣だと思う。長年の生活習慣が生活習慣病などを引き起こし、ガンもまたその一つと考えたほうがいい。
とすれば、65歳まである程度健康で、高血圧症や糖尿病にならず、ガンも発見されなかったのなら、それまでの生活習慣に問題がなかったということだから、これを変えてはいけない。
それなのに、健康への過度の期待から新しい運動を始めたり、若いとき並みの運動を急にやり出したりする人がいる。しかし、体は確実に衰えているのだから過度の運動は負担になるだけである。生活習慣を変えずに、運動量は少しずつ落としていくのが正解で、その逆をやってはいけない。食事も若いときと同じような量をとるのではなく、少しずつ減らしていくべきだ。