「早期ガンには払えません」と保険会社」-2

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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第8章 「死に方格差」を乗り切るには?

「早期ガンには払えません」と保険会社-2

(1)保険金が支払われない種類のガンがあること。
最近のガン保険は、どんなガンもカバーしている。しかし、古いタイプのものは、「上皮内新生物」という皮膚ガンは適用外だ。

(2)入院などの条件つきのものがある。
前記した前立腺ガンの例など、入院しないと保険金が出ないことがある。

(3)加入後、すぐにガンになると保険金が出ない。
保険には「責任開始日」がある。多くの場合、加入後90日以内にガンが発覚したときは、 ㍑保険金が出ない。

(4)病歴告知をミスすると保険金が出ない。
ガン保険に入る前には、過去の病歴や現在の健康状態を申告しなければならない。これは正確にやらないと、あとで調べられて申告漏れが発覚した場合「告知義務違反」とされて保険金は出ない。

(5)再発の条件によっては保険金が出ない。
初回の診断から5年以上経過した場合という条件がついているものが多い。診断給付金については、2年に1度を上限とするものもある。加入時にたしかめておく。

、こうしたことを踏まえると、私は60歳を超えてからガン保険に新規加入するのはあまり意味がないのではと思っている。65歳を超えたら、入っても仕方ないと思っている。
なぜなら、高齢者になればなるほど、手術は体に負担がかかるし、治療の選択幅も狭くなるからだ。

 


「早期ガンには払えませんと保険会社」-1

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第8章 「死に方格差」を乗り切るには?

「早期ガンには払えません」と保険会社

 先進医療にかぎらず、ガン保険に入るときは注意が必要だ。というのも、最近、ガン保険をめぐるトラブルが増えていると聞くからだ。
たとえば、定年後10年して大腸ガンが見つかった70歳のAさんは、「早期ガンなので心配いりません。内視鏡手術ですぐ取れます」と医者に言われ、手術を受けた。そして、保険会社に保険金請求をしたところ、断わられてしまった。
Aさんは、現役時代に「ガンと診断されたら一時金として200万円、入院1日につき1万円がもらえる」という保険に加入して、以後、月に約8000円を長年払い続けてきた。                                    しかし、保険会社はこう言ったのだという。
「お客さまのガンは、診断書を見たところごく早期のガンで、ご加入のガン保険では対象外となっています」
Aさんがこの保険に加入したのは25年以上も前で、契約書を見ると細かい字でたしかにそのような規定になつていたという。
また、こういう例もある。人間ドックを受けて前立腺ガンが見つかった70歳男性は、主治医に相談して、放射線治療を受けることにした。それで、保険会社に保険金を請求すると、「入院・手術しないと出ません。診断給付金も出ない保険です」と言われたという。
このように、ガン保険といえども、ちゃんと理解したうえで入らないと、後の祭りとなる。保険金の支払い条件きは約款に細かく記載されているが、これを全部読んで入る人はほとんどいないだろう。2014年、国民生活センターに寄せられた医療保険に関するトラブルは、1035件にも上っている。


先進医療ははたして有効なのか?

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第8章 「死に方格差」を乗り切るには?

先進医療ははたして有効なのか?

 先進医療、最先端治療などと聞いただけで、いままでの治療法より優れている、いままで助からなかったガンも助かると信じている方は意外に多い。そこで、最近は、生命保険やガン保険でオプションとして先進医療を加える人が増えている。

ガンで言うと、「陽子線治療」と「重粒子線治療」の二つが先進医療の主流である。
この二つとも放射線療法で、入院の必要がないほど体への負担が少ないという特長がある。陽子線はⅩ線やガンマ線と比べて、人体に入っても弱くならず、一定の深さで一気にエネルギーを放出する。そのためピンポイントでガン細胞を叩けるので、副作用はほとんどない。
ただし、いずれも健康保険対象外のため、治療を受けるには300万円前後の治療費が必要となる。これは、一般の方には簡単に用意できる金額ではないから、保険に入ってしまうのだろう。保険会社も、「少ない負担で大きな安心」と盛んにセールスしている。
しかし、先進医療は必ずしも有効とはかぎらない。また、先進と名前がついているから「先進」とも即座には言えないのだ。
先進医療については、厚労省のHPに下記のように記されている。
《「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であつて、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」として、厚生労働大臣が定める「評価療養」の1つとされています。》
どこにも〝先進″とは書いていない。厚労省としては、とりあえず保険診療との併用を認めてはいるが、まだ保険適用にするかどうかわからないものを、一般に先進医療と呼んでいるにすぎないのだ。
実際、陽子線治療自体は、アメリカでは1961年から臨床応用が始まっている。日本では、2001年7月に先進医療に指定されたが、現在も保険適用するかどうか検討中となっている。
また、陽子線治療も重粒子線治療もすべてのガンを叩けるわけではない。肺ガン、前立腺ガン、喉頭ガンなどには有効とされるが、胃ガン、大腸ガンといった動く臓器では粘膜に照射すると潰船場ができやすいとされている。また、白血病や悪性リンパ腫のような体全体に広がるガンについては、このような局所的治療は効かない。
こうしたことから、この二つの治療を受けた患者はガン患者全体の1%に満たない。つまり、先進医療は本当の意味での先進医療ではなく、その保険は 「入っているから」というだけでは安心とは言い切れないのだ。


「免疫療法」を代表する二つのワクチン-3

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第8章 「死に方格差」を乗り切るには?

「免疫療法」を代表する二つのワクチン-3

 ただし、前記したように、こうした療法は高額だ。ハスミワクチン療法を行っているクリニックに私が訊いたところ、樹状細胞療法は1回につき40~50万円という。1カ月で4回やれば、なんと200万円はかかる。
これほど高額になる理由は、ワクチンの研究・開発、設備投資、人件費に多大なおカネがかかるからである。つまり、免疫療法にかぎらずガンの先進医療とされるものは、富裕層しかその恩恵を受けられないようになっている。
東京にあるいくつかの免疫療法クリニックには、そうした患者が押しかけている。また最近では日本の患者ばかりか、中国人富裕層の患者も多く訪れている。
もし、これらの免疫療法が本当にガンに効くことが証明されたら、どうなるだろうか?
富裕層だけの治療法が、保険適用されて、誰でも受けられるようになるのだろうか?
日本の国民皆保険制度の下では、誰もが、平等に医療を受けられるということになっている。しかし、それはあくまでタテマエで、本当のところは 〝ある程度″までということだ。つまり、この先、先進医療がどんどん認可されていくなどということは起こらない。
とくに、混合診療が解禁されれば、この傾向が強くなるだろう。
ただ私は、富裕層の方にも、率先して先進医療を勧めることはしていない。おカネがあり余っているなら別だが、ガンが末期なら、最期までご自身の生活を十分に楽しむことにおカネを使ったほうがいいと思うからだ。
おしいものを食べ、温泉に行く、海外旅行に出かけるなどしたほうが、よほどいいと思う。


「免疫療法」を代表する二つのワクチン-2

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第8章 「死に方格差」を乗り切るには?

「免疫療法」を代表する二つのワクチン-2

 丸山ワクチンと同じようなものに、蓮見喜一郎博士が開発した〝ハスミワクチン″がある。こちらも認可されていないが、丸山ワクチンもハスミワクチンも進化を遂げていて、現在のワクチンは昔のものとは違っている。
しかし、厚労省は認可する姿勢を見せたことはない。最近では、免疫療法の一つ「活性化自己リンパ球移入療法」というものが、高度先進医療に認定され、保険適用を目指したことがあった。これは、血液中から採取したリンパ球を増殖させて、点滴によって体内に戻す。そうして、ガン細胞を叩くというものだつたが、有効性が確認されず、2006年に高度先進医療を取り消されている。
先進医療はいつまでも庶民のものにならない
とはいえ、免疫療法はいまも研究・開発が続けられている。ガン細胞を叩くには免疫細胞を活性化させるという考え方は間違っていないため、いくつかの大学痛院やガンの専門病院、研究所で、臨床研究としての治療が行われている。
もちろん、民間でも同じようきとが行われている。ただし、こちらは、医療行為として行われている。
たとえば、ハスミワクチンのクリニックでは、「HI↑Ⅴ療法」というガン治療を行っている。これは、数年前に、免疫を担当する白血球の一つで樹状細胞(DC)という細胞がガン細胞を発見するために重要な役割を果たしていることがわかり、これを活性化するワクチンを開発したためだ。
免疫には、二つの要素がある。一つは、免疫が正常細胞とは違う異型細胞(つまりガン細胞)を認知する働き、もう一つはそれを排除する働きである。
樹状細胞はいずれの働きもあるという。HI↑Ⅴ療法では、最先端の免疫療法を施したうえで、患者の樹状細胞をガン細胞に直接打ち込む。これは、自動車にたとえて言うならハイプリット車、「ハイプリット免疫療法」である。


「免疫療法」を代表する二つのワクチン-1

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第8章 「死に方格差」を乗り切るには?

「免疫療法」を代表する二つのワクチン-1

 私は医療コンサルタントをしているので、ガン患者の方やその方の家族から、先進医療の相談を受けることがある。「少しでも長く生きたい。そのためには、現在、可能なあらゆる治療を受けたい」というのだ。
現在の日本で、ガンの先進医療というと、真っ先に 「免疫療法」が挙げられる。ガンの3大治療法は、外科治療、放射線治療、化学療法だが、これに続く第4のガン治療法として、ずっと注目され続けているのが免疫療法である。
これは、患者が元来持っている免疫力でガンの治療を行うというものだから、抗ガン剤などの化学療法や放射線治療などと違い、副作用はほとんど観察されていない。しかも、ワクチンを投与することで「ガンが消える」とされているので、ガン患者さんならたいていの人が知っている。
そのため、これを希望する患者さんはけっこう多いのだ。しかし、免疫療法を受けるには、多くの場合、専門のクリニックにおいて自由診療で受けなければならない。つまり、健康保険で認められたガン治療ではないため全額自己負担になり、その費用は高額だ。
免疫療法の歴史は意外に古く、かつてよく耳にした”丸山ワクチン″は、その代表例である。丸山ワクチンは、これを処方することによって体内のキーラーT細胞やNK細胞が活性化され、その働きでガン細胞の活動を抑制できるとして、いまも熱心な支持者が多い。故・丸山千里日本医科大学名誉教授は、戦時中、皮膚結核の治療用ワクチンを開発していたが、結核患者にはガンが少ないことに気づき、丸山ワクチンの研究開発に乗り出したというエピソードは有名である。
丸山ワクチンの投与は1964年に始まったが、いまだに厚労省は「薬効が証明されていない」と、医薬品として承認していない。


生活習慣病はこんなにおカネがかかる

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第8章 「死に方格差」を乗り切るには?

生活習慣病はこんなにおカネがかかる

 運命論にしたがえば、人間の寿命は初めから決まっている。お金持ちだろうと貧乏人でぁろうと、死ぬときがくれば死ぬわけで、今後、おカネの多寡による医療格差が開いていくとしても、それによって死を免れるわけではない。要は、いずれ死ぬなら、そのときまでの問になにができるかということが、いま警ちに問われている。っまり、誰もが逆らえない死を、どうマネージメントしていくかである。どう健康を保ち、できれば医者の芸にならずに死んでいくためになにができるかを考え、それを実行していくことである。

【表6】生活習慣病受診者1人当たりの医療費
〈入院〉
糖尿病・513,684円、高血圧症・447,468円、高脂血症・401,772円、高尿膏血症・363,018円、肝横能障害・272,627円、高血圧性腎鹿障害・413,824円、脳血管疾患・1,793,370円、虚血性疾患・957,383円。

〈入院外〉
糖尿病・87,673円、高血圧症・69,077円、高脂血症・46,178円、高尿酸血症・31,614円、肝横能障害・29,206円、高血圧性腎巌障害・56,917円、脳血管疾患・44,896円、虚血性疾患・48,802円。
出典「平成23年度 生活習慣病関連医療費の動向に関する調査分析報告」(厚生労働省・健康保険組合連合会)

そこで、多くの人が誤解しているのが「高額な先進医療を受ければ助かる」「命はおカネで買える」と思っていることだ。富裕層も、かつまた一般の人も、このように思っている人は意外に多い。
しかし、これは一面の真実かもしれないが、じつは、それほどでもないのである。先進医療といっても、本当にそれでガンを克服し、長生きをしたという例はそれほど多くない。


生活習慣病はこんなにおカネがかかる-1

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第8章 「死に方格差」を乗り切るには?

生活習慣病はこんなにおカネがかかる-1

 ここまで述べてきたように、いくら健診・検査を受け、病院に行って医者にかかろうと、あなたはいつまでも健康であり続けることはできない。しかもこの先は、「2025年間題」「2035年間題」があなたを直撃する。そうなれば、あなたが望むような「いい死に方」ができなくなる可能性のほうが高い。
現在、わが国の国民医療費は40兆円を超える勢いで伸びている。そのため、保険料収入だけではまかないきれず、すでに医療費の4割が税金で補填されている。消費税が値上げされたのもこのためである。しかし、消費税の多少の値上げ程度では医療費の伸びに追いつかないから、今後は当然のように保険料も値上げされて、自己負担顧が増えていく一方になるだろう。
そうなると、受けられる医療にいままで以上の格差がつくようになる。そのうえ、混合診療までが解禁されれば、格差はさらに広がり、「死に方」にまで大きな格差がつくようになるだろう。社会全体がこんな状況にあるのだから、個人も徹底してムダを省いていくほかない。そのうえで、「死に方」をいまから考えおくべきである。

次は、厚労省のデータに基づく、生活習慣病の受診者1人当たりの医療費(年間)である。代表的生活習慣病である糖尿病は、入院で約513,684円、入院外で87,673円もかかっている。そのほかの生活習慣病もみな高額な医療費がかかっている。
これは、はっきり言ってムダであり、ここまで医療費をかけたからといって健康で長生きできるものではない。繰り返し述べるが、生活習慣病はクスリや医療よりも、日々の暮らしのなかで、食事や運動きによりご自身でコントロールしていくほうがいいのだ。


専門医、外科医選びのポイント-2

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第7章 信頼できる医者の探し方、選び方

専門医、外科医選びのポイント-2

(4)認定医や専門医は玉石混清で、意味がないと思うこと紹介された医者がいくら専門医だとはいえ、学会認定医、学会専門医などの肩書きは、じっは有名無実のシロモノである。というのは、ほとんどの場合、自己申告制で認められるからだ。ある学会のように、会員が1万1000人いて、そのうちの1万人が専門医に認定されている笑い話のような話もある。心臓外科医を例にすると、日本に専門医と呼ばれる医者は約3000人いるが、きちんと手術数をこなしているのはわずか100人程度に過ぎない。

(5)もし、治療や医者の説明に疑問を感じたら、医者の説明を受けるたびにメモを取るように心がける医者は自分がミスを犯したとき、まず十中八九がウソをつくと思ったほうがいい。しかし、とっさのウソなので、きちんと検証すると矛盾が生じやすい。だからご自身の担当医が信頼できるかできないかにかかわらず、診断時にはメモを取るように心がけたい。これはミスの隠蔽を防ぐためでもある。また、メモを取れば、それによって医者はおざなりの説明ができなくなる。

(6) あなたの手術は誰がするのか?
手術となったときに重要なのは、いったい誰があなたの手術をするかである。大病院、大学病院などでは、チームで手術をするが、そのチームの中心となるのははたして誰なのか? 執刀する医者が誰かを知らないで手術を受けるのは、無謀と言っていい。執刀医を教えてもらい、評判と実績を確かめたうえで手術に臨むべきだ。

(7)「神の手」を持つ医師もいれば、「紙の手」の医師もいることを認識しておく。外科医の場合、実際に「神の手」と称されてもおかしくないような凄腕の医者がいる。
そういう外科医は年間に数百例の手術を行い、高い成功率を記録する。しかし、その一方で、年に数回しか手術していないのに、大学教授として世の中から高く評価されている医者もいる。こういう医者のことを、研究論文ばかり書いて手術室とは縁遠いという意味で、私は「紙の手」と呼んでいる。あなたを手術する医者は、はたしてどちらだろうか?


専門医、外科医選びのポイント-1

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第7章 信頼できる医者の探し方、選び方

専門医、外科医選びのポイント-1

さて、かかりつけ医から、専門治療、手術を勧められた際、私たちは、紹介先の病院に紹介状を持って行くことになる。しかし、その紹介先の病院、医者が信頼できるかどうかはわからない。単なる出身大学の病院、先輩を紹介しただけかもしれないからだ。
そこで、次のようなことを留意しておくべきだ。
(1) 紹介先の病院のホームページをきちんとチェックする
いまではどんな病院もホームページを持ち、そこで医者のプロフィールを公開している。
外科医なら手術内容と手術数を公開している。まず、これをきちんとチェックしたい。病院の伝統や高邁な理念、設備の自慢のようなことばかりが書かれていて、肝心な医者の技量に関する情報(手術数や手術内容)、患者にとって本当に必要な情報(診察の流れや治療法の説明など)に乏しいホームページしかつくれない病院は疑ってかかったほうがいい。
(2)紹介先の病院以外の病院に行ってセカンドオピニオンを求めることも重要。紹介先の病院で手術を勧められると「そんなに悪いのか」とショックを受けるせいか、大した検討も加えず、意外に素直にしたがってしまう患者さんが多い。しかし、医者が代われば治療方法が変わる場合があり、手術の仕方も変わることがある。いくら紹介先だからといって、手術を要するような疾病のときは必ずセカンドオピニオンに訊き、そのうえで判断するべきだ。この時代、セカンドオピニオンに行ってもいいかどうか訊いて、それを嫌うような医者は信頼できない。
(3)
治療に不審を感じたり、疑念を持つような事態が生じたりしたら、速やかにあらゆる検査データをもらう。
検査データは医者が一時的に預かっているだけで、本来、患者に帰属するべき個人情報である。だから、すべてを開示しなければならない義務が病院や医者にはある。これを遠慮してしまう患者さんがいるが、進んで見せてもらっていい。また、セカンドオピニオンを求める際には必ず請求すること。
もし、これを渋るような病院、医者なら、そこでの手術は止めたほうがいいだろう。