第74話 お龍と川田雪山-1

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「坂本龍馬八十八話」

小美濃 清明

第74話 お龍と川田雪山-1

坂本龍馬が寺田屋で伏見町奉行の役人に襲撃された時の話はよく知られている。
慶応二年(一八六六)一月二十三日夜の二時過ぎる頃、事件は起こった。
明六ツ(午前六時)から一日が始まり翌日の明六ツまでが一日である。龍馬は二十三日の二時と手紙に書いているが、現在では二十四日午前二時過ぎる頃である。
風呂に入っていたお龍が外の気配に気づき、階段を駆け上がり、龍馬へ知らせる場面は特にである。お龍が裸だったか、衣類をまとっていたかと龍馬ファンはにぎやかである。
龍馬はピストルで、三吉慎蔵は槍で奮戦し寺田屋を脱出する。そのあと、川の近くの材木置場に隠れて、三吉だけが伏見薩摩藩邸にたどり着く。早速、大山と吉井が小舟に丸に十字の旗を立てて、負傷していた龍馬を救出した。
一方お龍は、
「人の居る所は下駄を穿いてソロソロと知らぬ顔であるき、人の見えぬ処は下駄を脱いで一生懸命に走りました。処がひょっこり竹田街道へ出ましたので、コレは駄目かと思って又町へ引返し」と「千里駒後日譚」に発表している。これは川田雪山がお龍と会い聞き書きしたものを明治三十二年(一八九九)十一月「土陽新聞」に載せたものである。