鳥羽にて想う  花見 正樹

鳥羽

 鳥羽にて想う
            花見 正樹

 鳥羽伏見訪ねて想ういくさ跡雲間より射る陽光鋭し

 一発の砲声響きていざ開戦あの戦場にしばし佇む

 幕軍の集結したる奉行所に砲弾炸裂歳三やいずこ

 目を閉じて激戦想えば浮かび来る凄惨な死闘に身の震え知る

 銃弾の飛び交う中に刀振るい撃たれし武士の無念さ漂う

 自動車の騒音行き交うこの道が激戦地とは夢のまた夢