新連歌ー16

二裏
1、唐紙の印は朱く雅びたり       紅 舟
2、 懸けし袋のなかぞゆかしき     清
3、ひそめたる香は古加羅か真那蛮か   紅 舟
4、 殿作りして招く客人        清
5、夏草のありのままなる庭もあり    紅 舟
6、 冬はいかなる眺めなるらん     清
7、風すさぶ磯辺の空の三日の月     紅 舟
8、 身にしむ声を交はす舟影      清
9、内野なる里は笛の音豊の秋      紅 舟
10、峠境に変はる世の中         清
11、手をとりて訪ぬる先を誰知らず    紅 舟
12、なほ幸あれと祈るのみなり      清
13、匂やかな霞の奥の花の路       紅 舟
14、しるべは遠く誘ふうぐひす      清