小指の先から  高橋 禮子

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  小指の先から

                           高橋 禮子

 生きているけれど足りないものがある吾子を持たざる私のうつつ

 赤ちゃんは小指の先から生まれると少女のころに思っていたから

 いや違う目の前のことに全力をかけてしまって先見えなくて

 振り返るわれの過去(すぎゆき)ひとつづつ見つめてみればいいことばかり

 春くるもひとり住まいの私は歌集をこどもと言うしかなくて

 後ろ向くときも私にあるんですそんな日届く表紙のカバー

 私がわたしに贈る誕生祝「二月のひまわり」生きよのエール