ウィーンで置き去りにされた旅行カバン。 宗像信子


このコーナーは宗像信子講師(左)と安司弘子講師(右)の担当です。

 ウィーンで置き去りにされた旅行カバン。

宗像 信子

ウィーン旅行の三回目です。前回の正装をしてオペラを聴きにいくために二人で着物を着たという話をしました。
その為に二人で約10キロの着物一式(コートから小物、草履まで)を持参しました。
行きは各自が着物を持ちましたが、帰りは私が二人分も持って帰ることになりました。
私は我が家にあった古い旅行カバンで行ったのですが、このカバンはなんと7.5キロもありました。がっしりしていて丈夫でしたが重くて一苦労でした。
これに着物を詰め込んで帰ると想像しただけでもがっくりきてしまいました。
最後の三日目の夕方、ようやく買い物に行けました。
何故かと言うと、ウィーンは観光の町というのに土日はお店が開いていないのです。
メインストリートはきれいにディスプレイされているのですが、まさしく見るだけでした。
コンビニすらなく、小さなお土産屋さんが何店舗か開いているだけでした。
ですから三日目の月曜日だけが唯一お買い物ができました。
そこで今風で軽そうな旅行カバンを見つけました。
早速買い、ホテルに持っていきました。
詰め込んだ荷物を入れ替え、カバンそのものが約3キロも軽くなりました。
そして、日本から持って来たカバンはひっそりとホテルの一室に置き去りにされることになりました。
ちょっと可哀そうで、写真に残しました。
こうして翌朝、このお部屋ともお別れしました。