鷹見久太郎「コドモノクニ」展

 


コーナーは宗像信子講師(左)と安司弘子講師(右)の担当です。

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鷹見久太郎「コドモノクニ」展

宗像 信子
(開運道芸術部門顧問、咸臨丸子孫の会幹事)
・・・・・・・・・・・・(協力・安司弘子)

先週、このコーナーを担当している二人、安司弘子さんと私・宗像信子は共通の知人と3人で古河に行きました。
古河藩家老鷹見泉石のご子孫でいらっしゃる鷹見本雄様からシャンソンのコンサート付き古河見学に誘われたからです。
私は既に2回ほど古河に行っておりますが、安司さんは初めてということで、早めに行っていろいろ見学いたしました。
まず古河駅に直結している駅ビルで「鷹見久太郎と絵雑誌コドモノクニ乗物絵展」を観ました。
この鷹見久太郎氏は泉石の孫で、本雄氏の父親です。
「コドモノクニ」は久太郎氏によって大正11年に創刊されました。
「子どもたちにホンモノの芸術をに触れてもらいたい」という編集方針に貫かれた日本出版史に燦然と輝く名雑誌です。
野口雨情、北原白秋、西條八十、中山晋平等や画家の東山魁夷、安井小弥太などが紙面を飾っていました。
その中の乗り物を描いてある秀作の絵が60点大きなパネルに展示されていました。蒸気機関車の勇姿、地下鉄銀座線、中央線高架、秋葉原駅付近の俯瞰図、銀座を走る自動車、搬出の汽船、飛行機、ケーブルカー等々の名作がデジタル複製画で展示されています。(4月5日まで入場無料)
見ていると楽しくなります。
前述のように、鷹見久太郎氏の曽祖父は、古河藩の家老として藩主以上に知名度が高い鷹見泉石(たかみ・せんせき)です。
幕末期の激動の時代にあって、国際情勢の変化に対応しながら家老の要職を全うした類まれな国際感覚を持った人物でした。
その孫の久太郎は、幼い頃から祖父が集めた、オランダをはじめ欧米各国のさまざまな文物を目にして育ちました。
久太郎が編集責任者となって大正11年に創刊した絵本「コドモノクニ」は、従来の児童雑誌に比べて大判の厚紙を使用した上に、5色ほどの色刷りの絵が見開きいっぱいの画面になっている画期的なもので、それに賛同した多くの著名な作家や画家、音楽家らの参加を得て、児童雑誌を超えた芸術性の高い絵雑誌となり大評判となりました。
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その後、久太郎氏は編集者として活躍しながら、自らの出版社「東京社」を設立し、「婦人画報」「少女画報」「皇族画報」などで大成功、そこで得た資金を投入して創刊したのが冒頭で述べた絵雑誌「コドモノクニ」です。
わたしたち一行は、この鷹見久太郎の故郷にいて、これからその息子さんである鷹見本雄さんにお会いするのです。
これから古河のメインの古河歴史博物館に参ります。