甦る仁のこころ 合同慰霊祭・特別記念講演 余談~10

このコーナーは安司弘子講師(左)と宗像信子講師【右)の担当です。

白河戊辰150周年記念事業
~「甦る仁のこころ 合同慰霊祭・特別記念講演」余談~10

安司 弘子
(歴史研究会白河支部長)

2017年12月 「奥州白河からふるさとへ伝えた盆踊り『白河踊り』」を萩市の中原正男さんが出版。
白河市と萩市の交流は、まさに中原さんが萩周辺で踊られている「白河踊り」という盆踊りに関心を持ったことに始まります。
奥州への出兵後、帰還した長州兵は待遇の不満によるクーデターを起こしました。新政府から武力鎮圧された兵士らは、危険分子として注視され、妻子や孫達にすら諸隊士だったことを言えない人生を送りました。
そんな彼らにとって、年に1度「白河踊り」を踊ることが、仲間への慰霊であるとともに、自分たちは長州藩の兵士だったという矜持を感じる瞬間だったに違いないと、中原さんは考察されます。
「白河踊り」の研究に10年間もの時間を費やし、その成果の集大成として一冊の本を刊行されたことに心から敬意を表します。

『NHK俳句』4月号が、2018年3月20日発行され、これに先駆けての取材に同行しました。
『旅を詠む』のコーナーに、オールカラー6ページで紹介されたプロローグは、<戊辰戦争の激戦地でもあった白河はその昔、芭蕉が『おくの細道』で訪れたみちのくへのスタート地点でもあった。>
芭蕉が辿った「おくの細道」は、「戊辰の道」と重なり、まさに戊辰150年の節目にふさわしい目玉企画でした。

さて、ここまで、本年7月14・15日に開催された、白河戊辰150周年記念事業「甦る仁のこころ 合同慰霊祭・特別記念講演」に至るまでの余談を備忘録として書いてきました。
先に述べたとおりその概要は宗像信子さんがレポートして下さいましたので、余談を閉じるに当たって、このイベントに全国からご参加いただいた方々について少し触れたいと思います。

遠く長崎からご参加いただいた荒濱さんは、歴史研究会の運営委員で特別顧問です。
2009年7月、「天地人クライマックスin白河」というイベントに参加された際、白河には民間力があると捉え、歴史研究会の全国大会を白河で、と推薦して下さった恩人です。荒濱さんとの出会いはその前年で、白河訪歴は10回を超えています。
同じく、長崎在住で10回の来白を数える歴史仲間の工藤さんは、「会津と長崎をつなぐ絆」「白虎隊の会長崎支部」「長崎会津会」を率いる会津ファンです。長崎からは、会の仲間で山川健次郎のご令孫木下さんほか3名様をお連れいただきました。

下関市から来られた吉井さん一行5名様とは、美祢市で行われた「恩愛の碑」の除幕式以来の再会で、2日目には吉井さんと2人で稲荷山で新聞の取材を受けました。
同じ山口県の萩市からは来賓としての市長ほか、「長州と会津の友好を考える会」を主宰し、会津にはこれまで60回以上も足を運び、民間交流を進めている元萩市医師会長の山本さんが、前市長を含む40人のツアーを組んでお出でになりました。
このグループとは別に、「白河踊り」の研究家中原さんも、主宰されている「楫取素彦研究会」のお仲間たちと参加され、研究のための取材先や著書の販売店に挨拶回りなどもされました。
つづく