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白内障手術記-11


白内障手術記-11

花見 正樹

 きょう10月14日(月)は体育の日ですが、一昨日から続いた大型台風19号の影響で運動会の中止が各地で続出、盛り上がりのない祭日になっています。この関東から東北にかけての暴風で被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。
それにしても今回の台風19号の猛威は凄まじく、とくに関東・東北の大小河川の氾濫・決壊による被害は甚大で、死者・行方不明は50人5を超え、けが人も続出、家屋流出や水没、倒壊、浸水などが続き、停電なども約10万軒に及ぶと報じられています。今回の台風19号の特徴は、観測史上最大級の記録的豪雨と強風で土砂災害を引き起こして被害を大きくしたことです。
私の住む埼玉県久喜市栗橋地区には一昨夜午前0時過ぎの深夜、利根川が決壊危険水域を超えたことから避難指示が出ました。私はパソコンなど最小限の荷物をバッグに詰め、避難場所に指定された近くの小学校に家内と向かいました。
町会役員やボランティアの若者たちの案内で、続々と詰めかける人々が、避難所になる2階、3階に上がりますがすでに満杯、私は最上階の4階の理科室の一隅に落ち着きました。それから30分ほどもしないうちに廊下まで人が溢れて、次々に押し寄せる人々を係員が他の中学校などに案内している様子でした。多分私の避難した小学校には千人以上が収容されていたと思われます。
私は、周囲の人達とパソコン情報の交換や雑談、壁にもたれてのしばしの仮眠などで夜を過ごし、利根川の危険状態の解除を待たずに朝になって帰宅しました。
その折に、恐いもの見たさで利根川の状態を見に行きました。凄まじい勢いの濁流が堤防ぎりぎりまで迫って流れ、これ以上水位が上がったら危険な状態であることは一目で分かりました。やはり、自然の猛威には勝てません。
 そして豪雨が去って強風だけが残った12日(土)の夜、天空には十五夜前の円月が煌々と輝いていました。
その月の見事さを眺めることが出来るのも、左眼の視力が戻ったお陰、避難する折もしっかりと目薬持参でした。いま用いている点眼液は、ビタミンB12を含むシアノコバラミン点眼液など3種類、これで何とか乗り切って、不可能と諦めていた免許証書き換えにもうすぐ挑戦です。
左眼の手術から三か月を過ぎ、ようゃくスイミングも可となっていますので、少々の流れなら泳げますが、昨日眺めた警戒水位レベル4の利根川の濁流には通じないかも知れません。日本で最大急流といわれる球磨川の激流に何度か流されて必死で岸に泳ぎ着いた経験のある私ですが今は体力の衰えでもがき苦しんで泥水を飲んで溺れ死ぬ・・・やはり、もの書きの好奇心とはいえ、氾濫寸前の満水時河川を見に行くのは危険です。それでもなお、見に行って良かった、という気持ちの高ぶりは貴重な経験でした。