月別アーカイブ: 2014年2月

ソチ五輪、ご苦労さま!


 2月24日未明、ソチ五輪は華やかに幕を閉じました。
 2月25日朝、ソチ冬季五輪のスター・羽生結弦、浅田真央選手ら日本選手団が帰国します。
 浅田選手の誰も挑戦しない技に挑んだ勇気に乾杯、惜しみない拍手を送ります。
 国民全員絶対「金」の期待を背負ってのプレシャー、これは他の選手とは少し違います。
 あれが入賞で充分の雰囲気なら、初日から実力通りにできるはずです。
 心からお疲れさんと言い、全力を尽くしても壊せない世界の壁の厚さには諦めるしかありません。
 今大会での日本選手は、金1、銀4、銅3のメダル8個、立派なものです。
 ただ、開催国ロシアは、金13、銀11 銅の9総数33です。
 この違いは何なのか?
 体格でいえば中国も韓国も同じですが、両国とも金メダル3個で日本を上回っています。
 日本人として身びいきで考えれば、それほど素質で劣っているとも思えません。
 では、なにが?
 答えは簡単でした。
 24日朝のスポーツ新聞の1面には、もうオリンピックのオの一字もありません。
 1面はプロ野球オープン戦の巨人対阪神戦、この変わり身は見事というしかありません。
 終わった祭りより今からのイベントにマスコミの視線は向いているのです。
 マスコミが大衆に迎合するものとしたら、大衆もまたソチ五輪を過去と見たのでしょうか?
 しかも、まだ一人の選手も帰国していないのです。
 もちろん、帰国すれば空港の歓迎風景を載せるでしょう。
 それでも、出発前のお祭り騒ぎ風景から見れば天と地の差があります。
 出発前のマスコミの報道から数えると、金だけでも6ケ以上はありました。
 男女フィギアスケート、女子スキー、スキー男子団体、カーリング、男女スケートなどです。
 五輪の試合が始まるまでは、どの競技もメダル候補で入賞は確実でした。
 色違いのメダルなどは数知れずで、ボブスレーや女子ホッケーまでが銅ぐらいはイケそうでした。
 テレビを見ているとどの競技も優勝を期待できるような雰囲気でした。
 このマスコミの風潮も実力のない選手には有難迷惑だったかも知れません。
 当然ながら本人たちは「メダルを狙います」と胸を張ります。
 その意気やよし、ですが「絶対にメダルを取ります」とは言っていません。
 したがって、誰も嘘は言っていません。
 初戦で雰囲気に呑まれて実力が出せず、後で最善の力で頑張っても結果は負けです。
 しかも、心優しい民族性で敗北の傷に触れず、敢闘精神を称えて敗者に涙します。
 それによって出発前の大言壮語も誤算も全て許され、問題は全て次回に持ち越されます。
 このいい加減差が日本のスポーツを弱くしていることに、誰も声を上げません。
 もっと一スポーツを愛し、一流選手を尊敬し育てませんか!
 もって瞑すべし・・・次の五輪でまた同様の期待で選手を送り出しましょう。

雪の土曜日


 今日は2月15日、雪の土曜日です。
 なんと、先週と同じ文面で始まる今日のブログです。
 週末に続いて2回も大雪が降ると、雪慣れしていない
だけに頭も体もおかしくなります。これで、雪国の人の
苦労が少しだけ分かりました。
 北海道北部に住む開運道の主力講師が、朝の除雪車の
来る前の夜明けに駐車場前の雪かきを終えておかないと、
除雪で積まれた雪で道路に出られなくなる。だから夜明
けの雪かきは日課の一つ、と聞いたことがあります。
 これは体力がないと出来ません。これだけでも雪国に
育った人の根性や粘り強さが充分分かります。
 東京近郊の降雪量では雪国の人に笑われますが、少し
だけ苦労談を・・・先週、雪かきをした話をしました。
 我が家の雪かきは以前から私の役割です。
 家族は全員、私から雪遊びの喜びを奪ってはいけない
と思っています。確かにその通りなのですが、2週続け
ての雪遊びは少々飽きます。
 先週は年甲斐もなく図にのって、近所の分まで雪かき
をしました。その上、万が一に知人や身内がいつも通り
週末に家に来たら、と考えて何とかぎゅうぎゅう3~4
台停まる我が家の駐車場の雪も数か所に寄せました。
 おかげで腰の筋肉痛で一週間、まだ治らないところに
また雪です。
 こうなることと知りながら・・・人間なんて懲りない
ものですね。ニ階の窓から、前回よりはるかに多く降り
積もった雪を眺めて「さあ、オレの出番だぞ!」と、張
り切って覚悟は決めましたが、その前に、気分転換を装
い、出番を遅らせてこれを書いています。
 決して決意が鈍ったわけではありません。
 それにしても昨夜はみじめでした。
 仕事場に泊まればよかったのですが、家でのんびりオ
リンピックでも、と、考えたのが明暗を分けました。
 もちろん暗の方です。
 すでに雪はかなり積もっていましたから車は無理です。
 駅から10分ほどですから歩けばいいだけですしタク
シーもあるはずです。ともあれ帰宅することにしました。
 ところが地下鉄は順調でしたが北千住から先の東武電
車が息絶え絶えなのです。あちこちで停車しては車掌が
言い訳をします。
「信号が赤です」「前に先行した電車が止っています」
「障害物を感知しました」「障害物は雪の塊でした」、
ついに「電車と車が衝突する踏切事故が発生しました」、
これで万事窮しました。
 これで私の住む久喜市栗橋駅までは電車は動かないこ
とが判明したのです。こうなると、栗橋駅手前の南栗橋
駅が終着駅になります。
 その駅前の駐車場に私のマイカーが置いてあります。
 なぜ、自分の住む駅ではなく隣駅前の駐車場か? お
答えします。簡単明瞭、地盤沈下地区で駐車場が格安な
のと南栗橋駅が半蔵門線の発着駅だからです。
 駐車料は駅前一等地で月5千円、栗橋は1万5千円、
これで九州球磨川の鮎釣りの費用が浮くのです。
 ともあれ車で帰ることにしましたが、マイカーが雪に
埋もれています。夏のうちは無敵の4駆だったのに、今
は平凡な普通車ですから雪に自信はありません。
 仕方なく、まず手持ちの折りたたみ傘で窓の雪を落と
す作業から始めました。視野を確保してギアーをローに
して、雪の中をのろのろ動き始めました。何とか駐車場
から道路に出ると、車のわだち跡があってもう心配はあ
りません。ただ、明るいはずの雪道が意外に暗いのです。
 すれ違った車の運転席の窓が開いて、若者が私の車を
指差して何か叫んで走り去りました。後続車のないのを
確かめて雪の中に降りて前を見ると、ライトが暗い理由
が分かりました。すっぽりと雪に包まれたライトが、ぼ
んぼりのような柔らかい灯りで周囲を照らしています。
 手袋で雪を払い除けると、とたんにライトは輝きを取
り戻し、道を照らしました。
 こうして、よろよろスリップしながらも無事に家まで
辿りつきました。
 さて、何とか雪かきをサボってニ階の書斎で時間を潰
したのに、下から家人の声です。末娘がこれから泊まり
に来て、明日の日曜日に雪かきを手伝う、との電話だそ
うです。さあ大変、大好きな雪遊びの利権を奪われては
たまりません。
 どうせ駅まで迎えに行くのには、雪かきをしないと
駐車場から車を出せません。こうなると善は急げ、早速、
明るいうちに駐車場と家の前の雪とたわむれてきます。
 それにしても羽生選手の金、素晴らしいですね。
 今夜もまた寝不足です。

雪景色に想う


 
 今日は2月8日、雪の土曜日です。
 我が家の狭い庭の梅の木も白く太い枝になり、
いつも遊びに来るメジロも姿をみせません。
 愛車は雪に包まれて、車の形をした雪だるま
になっています。
 日本の上空を急速に発達した低気圧が北東に
進んで西も東も雪が降り続いているそうです。
 気象庁では、明日の朝までに都心で20セン
チの雪が降ると予想しています。
 雪国の人たちの雪かきなどの苦労を知らない
都会人は大慌てで、なす術もありません。
 雪国の人は笑うかも知れませんが、東京では
20センチも雪が積もると大騒ぎです。
 飛行機は飛ばず、電車はあちこちで運行停止、
高速道路もあちこちで分断されています。
 大学入試も軒並み時間をずらしましたし、スカ
イツリーも営業中止です。投開票日が翌日に迫っ
た東京都知事選の候補者も大変だったようです。
 なにしろ13年ぶりの大雪警報で気象庁は警戒
を呼び掛けていますが、何もできません。
 転んでケガをする人も続出しますし、車はあち
こちでスリップ事故を起こしています。
 こんな日は家にいるのいが一番なのですが、因
果な性格で、あちこちの雪景色を見たい誘惑にも
駆られます。そこで遅い午後、着膨れ状態に長靴
を履いて町内を散歩して来ました。
 以前は元気なシバ犬を飼っていましたから、雪で
も雨でもあちこちを走り回っていました。
 雪の中を歩いているうちに雪の感触と思い出が
次々に甦ってきます。
 つい10年前までは、渓流の解禁日には栃木の
鹿沼で鮎宿を開いていた友人と雪の夜中に山の中
に釣りに行ったものです。
 一度などは雪に視界を閉ざされて危うく土手道
でスリップして車ごと川に転落しそうになったこ
ともあります。
 深夜に川辺に行き、河原でたき火をして夜明け
の解禁を待つのですが、雪の夜はあちこちから人
が集まって車内で酒盛りです。
 ところが釣り始めてすぐイワナを掛けて手網で
獲り込もうとして足が滑って深みに落ちたことが
あります。
 浅瀬に泳ぎ、岸に上がってからが寒くて死にそ
うな思いをしたことがあります。同行の友人は漁
協の役員をいましたから顔がききます。
 雪の中を駆け巡って、釣人から着ているものを
1枚づつ脱がして巻き上げてくるのです。
 こちらはほぼ丸裸で車中で暖をとって待つので
すか、ご存じの通り車のヒーターはすぐには暖か
くなりません。しかも温風になるまでは寒風なの
ですから凍えそうです。残っていた一升瓶の酒を
ガブ飲みして暖をとるしか手がありません。
 友人が着るものを集めて来た時は完全に出来上
がっていたようです。さすがに下着はありません
でしたがチグハグながら何となく上下とも揃って
さまになりました。こして着替えた直後からまた
酔ったまま釣りを始めたのですが、調子よく何尾
も釣ったのが記憶に残っています。
 その友人も三年前に逝き、雪の中の釣りも幕を
閉じました。
 夜になって風が強くなり雨戸を鳴らしています。
 窓から外を見ると、粉雪が吹雪いていて家々も
道路も白一色の夜景色でした。