女性のための開運講座ー35&新撰組


台風一過、日中の暑さはまだ夏ですが朝晩はめっ
きり涼しくなりました。初秋の到来を機に身も心も
スッキリ冷やして新たなスタートとしたいものです。
 この時期の私は、例年なら大鮎を追って九州球磨
川通いの季節ですが、今年はちょとだけ様子が違い
ます。
 大鮎こそ逃がしましたが、この夏突然訪れた96
歳の母親介護生活は、一生の宝となる貴重な体験を
私の心身に刻み続けています。
 この状態はいつか終焉が訪れるはずなのに、それ
を考えずに、ひたすら時の流れの中で自分を無にし
て尽くすだけの生活・・・これを天の恵みとして生
かすためには、と考えてみました。

 大げさにいうとこの体験は、訓練なしでいきなり
銃弾飛び交う戦場に心の準備もなく投入された新兵
そのものですから、何の知識も経験もないままで、
時間の余裕もなく戦いを始めなければならなかった
のですから、壮絶な実体験になるのは当然なことで
す。
 もちろん、介護の現場を体験している人からみた
ら何の問題もないことでも、私には大変なことだっ
たのです。
 介護の素人の私が母の介護を引き受けるのは無茶
でしたが、これには家庭の事情があります。
 重病での入院先から退院を迫られて、それまで面
倒見ていた兄嫁から引き取りを拒絶された時点で、
これ以外の選択肢はなかったのですから止むを得ま
せん。
 零細企業の経営を息子に任せ、諸々の仕事を中断
し、交流関係も整理しました。自宅で出来る範囲内
に仕事を縮小し、万全を期しての壮絶な二カ月でし
たが、冒頭で触れた通り、意外に得ることも多かっ
たのです。
 しかも、介護生活にも慣れてもきましたので、こ
れから先は、この環境が何年続こうとやり遂げる覚
悟も出来ました。もはや、どのような状況がこよう
と何も怖れることはありません。

 現在までの心境をあえて例えれば、何の訓練も知
識も経験もないままの素人がいきなり戦場に送り込
まれたようなもの。それも待ったなし、銃弾が飛び
交う中で銃を手渡され扱い方から教わりながらの戦
闘で、気力を振るい銃剣を振るっての白兵戦を生き
抜いて一息ついた感じです。
 ここで知ったのは、激しい戦場で生死の境を彷徨
うと、無機質で無感情な人間になり恐怖感も失せ、
人間性さえ失って生も死も関係ないような単なる生
体になれることです。
 しかも、この戦場は逃げ道がなく結末がいつかも
見えていないのです。その中で最善を尽くすといっ
ても精神的には限界があります。だからこそ感情を
殺さねばならないのです。
 これは、小説に生かせます。
 江戸時代に置き換えてみますと、自分の意志と関
係なく崩壊する幕府の先兵となって、滅びるのを承
知で戦って死んでいった新撰組、そこに転化してみ
ると、その心境の一部が垣間見えてきます。
 すると、逆に自分が滅びゆく母の看病に全力を投
じ、寝不足から来る心臓疾患によって死すとも悔い
ず、との覚悟が出来て不動心が生じるから不思議で
す。この心境もまた、小説に生かせます。
 創造力ではなく体感したことを書く・・・
 そう思うと、ゾクゾクするほどの喜びを感じます。

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 さて話題を変えて、女性のための開運講座です。
 これは、恋愛、結婚、再婚に役立つ開運法です。
 途中からご覧の方は、遡ってご覧になってくだ
さい。勿論、男性が見ても役立つはずです。

 女性のための開運講座ー35 

 恋愛・結婚、さまざま模様-3

 前回は、ご自分の生まれた年と月の12支を記憶
して頂きました。今回から参加の方は、前号に立ち
戻ってご自分の12支をご確認ください。
 それが、何故必用かといいますと、これから続
く恋愛・結婚・不倫(冗談です)などの愛情運全
体をみるのに、便宜的にではありますが生年生月
の12支を活用するからです。

 一般に言われる「12支の基本的性格」は、
 子は、気が細やかで清潔好き気配りよく人に親切
 丑は、器用で如才なく根性あり粘り強い頑張り屋
 寅は、自立心あり度胸もよく身内を守る意識強し
 卯は、陽気で雄弁、向上心ある社交家で気は多い
 辰は、新しいもの好きで派手、人には敏感に反応
 巳は、自分の立場にこだわり根気良く目的を達成
 午は、社交的で明るく行動力があって言動が派手
 未は、感性豊かで芸術心もあり人に尽くす人情家
 申は、頭の回転が早く何をしても器用で人と協調
 酉は、奉仕的で親切心遣い細やかな蓄財型タイプ
 戌は、責任感が強く几帳面で約束したら必ず守る
 亥は、凝り性で何にでも熱中するから上達は早い

 以上から、子年で丑月生まれなら、子と丑を加え、
 気が細やかで清潔好き気配りよく人に親切、器用
で如才なく根性あり粘り強い頑張り屋、となります。
 子年生まれで午月生まれと、相反する性格が含ま
れた場合は二面性があり、陽気と陰気、ケチと浪費、
社交的と孤独癖など表と裏を秘めた性格ということ
が出来ます。

 ちなみに私は、生まれ年「亥」、生れ月「子」で
すから、。
 亥も子も冷たい水の質で、季節は冬、北の方角に
縁が強く、12支でみればクールで冷たい水の気質、
よくいえば思考型で理知的となります。
 それに加えて、子の「気が細やかで清潔好き気配
りよく人に親切」と、亥の「凝り性で何にでも熱中
するから上達は早い」という特長も身につけている
ことになります。
 これを愛情問題にあてはまると、納得できるから
不思議です。
 私の場合は、恋愛でも仕事でも趣味でも凝り症で、
相手に惚れると夢中になって一直線、気配りももい
いのですが、熱しやすく冷めやすい面があり、理知
的な面には?が付きますが、クールですから冷めて
しまうと無向きもしない薄情な面があります。
 と、なりますが、薄情だけは否定しておきますが、
かなりの部分で納得できます。いや、薄情も・・・
 さて、あなたの場合はいかがですか?
                つづく
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 書店発売中の「坂本龍馬異聞」に続き「新撰組3
部作」を執筆中です。その内容を先にお届けします。
 ホームページでも挿絵入りで連載を始めました。
       
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 新撰組ー異聞

(3)ミゾソバ(溝蕎麦)刈りー3
 
 歳三には別の修行の場もあった。
 十三歳から毎年続いた歳三の夏の行事は、家業の
「石田散薬」作りだった。
 毎年、土用の丑の日の夜明け、空がまだ薄暗いう
ちから鎌を手にした村人が浅川の新井橋下流の左岸
に三々五々集まって来て歳三の下知を待つ。日除け
笠を被った娘達も競って集まるから年によっては総
勢で四十人を超すこともある。歳三は、いつか武士
になったら大勢の軍勢を自分の采配一つで動かして
みたいと子供心に思っていた。
 歳三は、丑の日の数日前から土手を歩いて川辺を
眺め、一輪でも元が白で先が薄紅色のミゾソバの花
を見ると、最高の刈り入れになると確信する。薬の
原料は花ではなく、牛額草(ぎゅうかくそう)とも
いう牛の角に似た緑濃い葉の部分で、花が咲く寸前
の葉を茎ごと刈って後で葉を摘む。花が咲いてから
だと葉が堅くて処理に難が出て薬効も薄くなるから
だ。
 歳三は、そのミゾソバの密集度や一尺から三尺近
くまで伸びる丈の長さを確かめて、刈り取りの人員
配置を考えるから毎年、一人頭の刈り採り場所の広
さを決めて村人を配置する。歳三には子供の頃から
天性のカンであるらしく、土手に繁殖するミゾソバ
の群落を一望しただけで、朝から正午までに一人が
刈り取れる広さが読めるのだ。この神がかり的な歳
三の才能には、兄の喜六だけでなく土方一族の誰も
が敵わない。
 石田村は全戸で十四軒、その全てが石田姓だから
屋号で呼ぶことになる。集まって来る村の男女もそ
れぞれ親しい小作や二男や三男や娘達だから、屋号
が「お大尽」と呼ばれる元名主の土方本家の歳三と
しては何の気兼ねもない。歳三の仕事は、集まった
村人に次々と場所を決めて配置してゆくことから始
まる。
「鍋屋の亀さんは椎の木からそこの梅まで、大北の
長吉さんはその梅からあの栗の木まで、大背戸のお
芳さんは栗からあそこの山桜まで・・・茎にトゲが
あるから刈りっぱなしでいいからね」
 全員が歳三が指示した土手下のミゾソバを刈り終
えて、男衆がそれを縄で縛って土手に運び大八車に
積む。全員の収穫分をまとめた運び終えた頃に丁度
正午になる。一日だけで大八車で二回ほど運ぶのだ
が、これを粉薬にまですると驚くほどの少量になっ
てしまう。
 ミソソバを「お大尽屋敷」に運び終わると、村中
総出の真夏の宴が待っている。
 土手の緑いっぱいの桜並木の下には夏陽を避けて
茣蓙が敷かれ、すでに土方本家だけでなくそれぞれ
の家からの差し入れで酒食が山のように積まれ、緑
濃い桜並木の木陰下に敷いたに茣蓙の上で、村人総
出での飲めや歌えやの大宴会が開かれ、刈り子に出
た村人には日当も出る。
 石田村にとってこのミゾソバ刈りは盆や正月、花
見と同じく大切な年中行事なのだ。
 ミゾソバは、牛の角と額に似ていることから牛額
草(ぎゅうかくそう)などとも呼ばれるが、溝の傍
で咲く蕎麦に似た草だから溝蕎麦と書いてミゾソバ
と呼ぶのが普通だった。
 牛に似た葉だから丑の日に刈るという者もいたが、
これは正しくない。年によって季節に多少の寒暖の
差はあるにしても、この浅川辺りのミソソバは殆ど
変ることなく夏になれば繁茂して群生する。もしも、
そのわずかな生育の差で刈り取りの日を変えると、
例年の土手草の観察にも気遣いが必要となり村人の
動員も思うようにならなくなる。花の咲く寸前のミ
ソソバが最良なのは確かだった。
 ミソソバの出来不出来より、丁度茎の丈が二尺近
くなる真夏日に期日を決めた刈り入れにこそ自然の
理に叶った利がある、と歳三は気づき、夏の土用の
丑の日を刈り採り日と決めた先人の知恵に頭が下が
る思いがした。これだと収穫日に迷いが出ないから
いい。
 このミゾソバが「石田散薬」という骨接ぎ、打身
の妙薬になる石田家伝来の妙薬であることを知って
いる村人は、必ずといっていいほど「せめて、自分
の家で使うだけでも」と、一度は見よう見真似で薬
作りに励んでみるが、誰一人として成功した者はい
ない。
 家伝の秘薬には当然、それなりの家族にも知らせ
ない家長伝承の秘密があったのだ。
              つづく
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 では、次回をお楽しみに・・・・
  「お休み処」ー「村長の連載小説」ー「坂本龍馬」を!
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