政府は頼りになりますか?


 悲劇は起こってしまいました。
 一縷の望みを託した救出交渉も進展しないまま、過激派組織「イスラム国」に拘束されていあた日本人2人が殺害されました。
 湯川遥菜さんも後藤健二さんも、危険な地域と承知して出かけたのは間違いありません。
 政府の一部の議員は、これで厄介払いが済んだ、と胸をなで下ろしている不届き者もいるそうです。
 確かに、報酬を約束されて望んで出かけている以上、自己責任という一面は否めません。
 それでも、このような殺害のされ方で人生の幕を閉じるのは無念残念、最悪の結末だったと思います。
 今回の事件では、最初から最後まで日本政府は翻弄され続けました。
 ニュースによると日本政府は、ヨルダン政府頼みで、それ以外のイスラム国とのパイプは全て用いていないようです。
 これで、中東での日本人人質事件への政府の対応の限界も見えてきました。
 これからも過激組織「イスラム国」による日本人の拘束は有り得ます。
 その救出を目指す日本政府は、イスラム国側と直接交渉する手だてがありません。
 ただ、ヨルダン政府などへの協力要請に終始するだけで、ネットを通じて次々と要求を突き付ける相手に翻弄され続けるのです。
 国連総長は「野蛮な殺害」、英仏首脳は「邪悪の権化」と非難しますが、今回の事件では国際的に当事者能力のない日本政府の実態が浮き彫りになって世界に広まった感もあり、一国民としても恥ずかしい限りです。
 私はいま、戊辰戦争に取り組んでいますが、当時の日本も、オランダ、フランス、アメリカ、ロシアなど列強の見守る中で、井の中の蛙が競い合っているような日本では最大の内戦ですが、国際的には全く無力で小さな存在の国であったことに気づき、今と何ら変わらないような頼りない政府に思えてなりません。これが私の思い過ごしであってくれればいいのですが・・・